さて、今回は少なめで、しかし濃く行きますよと。
基本、イタチの仲間は野生のものは狂暴です。日本でも一匹のイタチが小屋の中のニワトリを殲滅したなんてのもよくある話で、イタチ科はオーバーキルな所があるんです(つまり残忍)、最近可愛いと話題のコツメカワウソも野生では結構狂暴なんですよ。
まずはその親玉さんから。
「オオカワウソ」
南米アマゾンの河川地域に生息しています。

こうやって見るととぼけた顔ですが・・・別名「河の狼」とも呼ばれています。体長は長い尻尾まで入れると2mを越えるカワウソの中では最大の種類です。

発達した犬歯があります。顎の力も強く爪も鋭いです。

基本的に魚(ピラニアも餌)や甲殻類を食べますが・・・・
20匹程の群れで生活していて、時には

小型のワニを集団で襲う事も、物凄く統率された動きで狩りをします。南米最大のネコ科肉食獣であるジャガーも、オオカワウソの集団が来たら逃げるほどです。尚、ジャガーはネコ科では珍しく泳げる種類で同じく水中へ入りワニを捕食することもあります。
ただ、オオカワウソはその毛皮を狙われて乱獲されたので現在は絶滅危惧種です。
さて、以前紹介した。

クズリですが、こういう画像だとまだ可愛げがありますが・・・
このようにブチキレるととんでもなく狂暴な生き物、英名Wolverine(ウルヴァリン)の名は伊達じゃない。北米やヨーロッパ北半球に住み狼や時には熊をも撃退するぐらいです。
さて、そのクズリが「攻撃力に全振りしたイタチ科」(体長3m近いヘラジカをも単独で襲う)なら、「防御力」にその能力を全振りしたイタチの仲間が南にいるのです。
「ラーテル」

体長は尻尾まで入れると110cmほど、イタチ科ですがどちらかといえばアナグマの亜種になります。生息地は中東~アフリカ方面。
イタチの仲間であるので臭線がありスカンク並の悪臭攻撃も可能、しかし、ラーテルの凄いところはそこでは無いのです。

これ、ラーテルが立ち向かっている相手はライオンですよ。縄張り意識がとても強くて、入ったものはライオンだろうがサイだろうが象だろうハイエナだろうが立ち向かって行きます。物凄く勇敢な(というか怖いもの知らずな)動物なのです。

こんな顔で威嚇します。しかも噛みつきにも行きます、人も例外では無いとか。
当然ライオンや他の動物の反撃を喰らうわけですが、ここで全振りの防御力が発揮されるのです。このラーテルは皮膚が厚く(背中の皮膚の厚みは6mm以上だとか?)しかもその毛皮は柔軟性に富んでいてライオンの爪や牙は通らないという・・・スーパーアーマー装備なんです。硬さでは無く柔軟性で身を守ります。

だからこうなっても平気です。
相手が強靭な顎のハイエナだって容赦はしないぜ。
しかも主食は・・・

コブラなどの猛毒の蛇が好物だというね・・・命知らずにも程があるw。
猛毒の蛇を食べるわけですが、まず噛まれても防御力を発揮、しかもなにも考えていないのか頭からバリバリと・・・いや、あのさ、毒がある頭は残そうよw。
当然、毒にやられて動けなくなるわけですが、そのままその場所で寝てしまい一晩ぐらいで回復してしまうんです。
♪テ~レ~レ~レ~テッテッテ~(DQの宿屋か?)マングースより凄いな。
更にこのラーテルは面白い共生関係を持っていまして。

こちら、ミツオシエと呼ばれる種類の鳥なんですが、漢字で書くと「蜜教え」、つまりミツバチの巣の場所を教えてくれる鳥なんです、この鳥は巣を見つけるとラーテルの居る所に行きます、ラーテルは蜂蜜も大好きなので、ミツオシエが先導をしてくれるのでその後をついて行きミツバチの巣を破壊します。
スーパーアーマーのおかげでラーテルは蜂に刺されたぐらいでは平気なので余裕で蜂の巣を破壊、ラーテルは蜂蜜にありつきそのおこぼれを(残った蜜蝋や幼虫)ミツオシエがいただくという、ミツオシエは蜂の巣を空から見つけられますが巣を破壊する力は無い、ラーテルは防御力が高いので蜂に刺されても平気ですが、肝心の蜂の巣を見つける能力がないのです。そういう理由でミツオシエとの共生関係を築いているのです。
尚、ラーテルは過去の和名では「ミツアナグマ」(蜜穴熊)とも呼ばれていました。

白いカツラを被っているような見た目ですね。
世の中にはこんな変わった動物が他にも沢山いますよ。
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2017/11/08 23:51:08