スズ菌に次ぐネタバイクの秘宝館、それは、カワサ菌。
「世界最速」という言葉と呪縛に彩られたフリークスでありマッドサイエンティストでもある。
「世界最速」という称号のためならば、市街地での扱いやすさという顧客とっては大事な要素をも、犠牲にすることを厭わない。
「世界最速」の称号のためなら引かぬっ!媚びぬっ!省みぬっ!、ヘッド回りからオイルが滲もうが、カムがカジってエンジンにクツワムシが住み着こうが(特にNinja系水冷エンジン、経験者です)正に我に後退のネジなぞ無いっ!な状態。
「世界最速」=【イズム】
カワサ菌の公式は┣゙ストレートで数式なんか無いのです。
でも、この会社は極稀に「極めて良心的」なバイクをポロリと生み出す事があるのです。まるで普段の行動の贖罪をするかのように。今回はそんなカワサ菌の良心が形になったようなバイクを。
【Kawasaki ZR-7(S)】
「カワサキ ZR-7(S)」です。
199X年、違っ、1999年のデビュー、時は正に世紀末、澱んだ街角で僕らが出会ったその姿は

うん、地味っ!、そこ、デカいバリ(ピー)スとか言わないっ!。
でもね、このバイクは良心の塊のようなバイクなんですよ。
まずはスペックから
空冷直列4気筒DOHC8バルブ、排気量738cc、最高出力72馬力です。
このエンジン、お察しのとおり

ゼファー750と同じもの、つまり

Z650ザッパーの、直系である空冷エンジンの最後の搭載車なのです。

もうひとつのカラーであるシャンパンゴールド、ますます地味っ!、だけどエッジが際立つのはこちらのカラーかなと。
そして、輸出仕様には赤(キャンティレッド)もありました。
Z650ザッパー直系の名機を、現代的な脚回りやブレーキでゼファーよりお気軽に味わえる、良心ポイントその1です。
勿論カワサ菌の良心でもある荷掛にもなるグラブバー【イズム】も装備、良心ポイントその2、ここ試験に出るぞ~。
そして、その新車時の販売価格は泣く子も嗤う66万円!、これ、当時のゼファー750より数万円安価だったのです。正に良心ポイントその3。
正にバーゲンプライス、ゼファーよりも良い脚回りでさぞかし人気爆発!・・・していません。
むしろ国内では爆死レベル、正直私の記憶の中ではああ、そういうバイクもあったねレベルのお話、しかし、改めて知り調べ直すと美点の多いバイクなんですよ。
所有者のインプレを見ると、扱いやすい、旅バイクとしても優秀、実は何気にワインディングではゼファーより速い(脚回りはリヤがモノサスですし)などなど好意的な意見が多いですね、ん?、ヘッド回りのオイル滲みだと?、それがカワサ菌の【イズム】ですからw(ゼファーよりかは少ない模様)。
しかし、2004年には生産中止に、そもそも国内市場の反応は「ゼファー750があるのになんでこれを出したの?」と冷ややかな状態で、ゼファー750は2006年まで生産されています、それより先に潰えたのです。
旅バイクとしても優秀?、長距離にはカウルが無いとねぇ~と、そんなナイスミドルな(と言えば聞こえが良いが、つまり体力の限界っ!な爺、無論私も含む)貴方には

大丈夫、カウル付きのZR-7Sもありますよ。
こちらは2002年のデビューで、エンジンスペック的には全く同じ、国内では2006年までの生産でした。
国内ではこちらをメインで販売すれば良かったのでは?と思いますが。正直ZR-7はゼファーと丸かぶりでそれが販売不振の原因だったわけですから。
ZR-7は日本市場では爆死したわけですが、特に欧州市場では大歓迎されました。
そもそも欧州では600~800ccが日本の400ccクラスにあたり、人気がある排気量カテゴリーでして、特にSはヒットしたそうです。ドイツだけでもSがなんと12000台も売れたとか。
これがもしゼファー750をそのまま輸出していたらこうは行かなかっただろうとのこと、欧州では日本製バイクに求める物、それは実用性が一番なんだそうで、その点でZR-7(S)はドンピシャだったと。
つまり、ZR-7(S)とは何物?と言われたら「輸出用(特に欧州市場)のゼファー750」というわけです。
あちらは、1日で600マイルなんて普通に走りますし、またドイツでSがウケたのはアウトバーンがありますからね。パニアケースを付けた状態で走っていることが多いですよ。つまり日本より市場が熟成している証拠、趣味性と実用性が上手く住み分けられていますね。
さて、中古市場ですが。
ZR-7で過走行気味(4万キロ以上)の物だと20万円台から、2万キロ以内で35万円~50万円以下、ZR-7Sだと少し割高になり、35万円から50万円行かないぐらいの相場となります。
うん、内容を考えたらかなりリーズナブルな価格、狙い目ですね。

宣伝ページ画像
「ザ・グローバル・スペック」
この文字が示すようにゼファー750と丸かぶりな国内市場には、カワサ菌は端から期待していなかったのかもしれません。欧州ではかなり売れたわけですから、カワサ菌的にはしてやったりだったと思われます。
とてもプレーンで知らない人からは「ホ(ピー)ダのホー(ピー)ットですか?」と聞かれる事もあるそうですが(マジでこう言われたという声が多数ありましたw)、その素性は【イズム】が造ったとは思えないほど良くお手軽で、しかし、そのエンジンは【イズム】の魂の「最後のシ者」(オイ~ッ!!)であるという、一粒で二度も三度も美味しいバイク、それがZR-7かと。
再評価?、個人的にはしてほしくないですねぇ~中古市場がまた爆上げになったら嫌ですからw。ザッパーエンジンという事もあり、少~しずつその傾向が出始めていますし・・・・。
欲しい人は(私も欲しい)、他人には「地味だし【水冷】(強調ポイント!)でつまらないよ」と嘘を言い張りましょう!w。
所有するなら?

これ、海外製のZR-7改ですがカッケェ!、これを目指したいな。
しかし、スマホでの画像保存がめんどくさくなったな、エラーが出まくりなんですが?、PC版を経由しないと保存出来なくなっとるし。みんカラさんなんとかしてくださいな。
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Posted at
2018/05/02 18:17:37