今回は(変態)イギリスから、市販車ではなくラリーカーをご紹介。
ただ、見た目はかなり不格好な車ですよ。
【MG Metro 6R4】
「MG メトロ 6R4」です。
こう書いてもどんな車か思い浮かばないかと。

これがMG メトロ 6R4です。
1985年にデビュー、イギリスのMGメトロというコンパクトなハッチバック車をベースに、リヤセクションを鋼管フレームで組み、グループBカーとして製作したものです。
スペック
水冷90度V型6気筒DOHC24バルブ、排気量2991cc、最高出力は370~410馬力

このエンジンをリヤセクションに押し込むように搭載、ハッチを開けると目の前にエンジンが!。
尚、このエンジンは元々はローバーのV型8気筒の2気筒分を切断、6気筒として造り直したという手の込んだ事をしています。しかもエンジンブロックはアルミで軽いのです。
この当時のグループBカーは、1トンを切る車重に過給機(まさにドッカンターボ)で400~700馬力という狂気の時代でしたが、このメトロはあえてのNA(自然吸気)として、ピックアップの良さと扱いやすさを狙ったそうです。しかし、それが仇に・・・後述します。
名称の「6R4」って何?、それは6はエンジンが6気筒であること、RはRally(ラリー)、4は4WD(四駆)を意味しています。
小型コンパクトカーがベースなので、全長は2400mmほどですが、幅は1550mm、これ、R34のGT-Rよりも幅が広いんですよ。

わりと素に近い車両の画像、かなりワイドトレッドなのが解るかと。
グループBは連続する12ヶ月の間に200台を生産した市販車をベース車両として認定するという規定がありまして。

一応、市販車としての「クラブマン」もありますが(馬力は250馬力に抑えられています)、
しかし、そのうち20台はワークスマシンとしてMGが保有、残り180台はプライベーターの手で全部がラリーカーになったそうです。よって、純粋なクラブマンは事実上現存していません。
さて、ラリーではどうだったのか?。

1985年のデビュー時に、最終戦での3位が最高で、翌1986年は年間数戦のスポット参戦となり、あまり活躍していません。
過給機付のランチアやアウディなどには敵わなかったこと、また、幅はあるけど全長が短すぎたようで、安定感に欠けた車だったとも。
そして、グループBはドライバーや観客(40数名が死傷した大事故もありました)の死亡事故が相次ぎ・・・そりゃ、1トン切りの車重に700馬力に迫るドッカンターボ車両で、サーキットや高速道路ではない、下手をしたら鋪装すらされていない一般の公道を攻めていたんですからね・・・。
地獄のチューナーも「お前、死ぬぞ・・・クックックッ(笑)」と言いかねないレベル、最早人の手で制御出来るレベルを遥かに越えてしまったのです。
1986年を最後にグループBは無くなります。
つまり、メトロ6R4は正味1年ちょっとしか走れなかったのです。

グループBでは全く走れなかったけどコイツに近いのかも?。
その後は、各プライベーターの手により様々なラリーやイベントに参戦したり、パイクスピークに参戦した車両も居たそうです。モンタジ(モンスター田嶋氏)さんと戦った車両もいたのかな?。
さて、中古市場
プライベーター保有の車両がたまに日本でも出てくるみたいです。値段は全て「応談」(ASK)。おいくら万円なんでしょうかね?、因みにアウディのこの当時のラリーカー、4500万円(から)で売っていましたけど。メトロは1000万円は行くんじゃないかなと。
ある意味、これもスタリオンと同じく悲劇のグループBカーでしたが、一応は参戦し、その後も様々なラリーやイベント(今でもたまに居るそうです)に参戦、生粋の戦う車、それがこのMG メトロ 6R4です。
所有・・・は無理でしょうから、実物を見て、そのエンジン音を聞いてみたいものです。
不格好な車ですが、なんかシティターボⅡブルドッグを思い出してしまいます。
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Posted at
2018/10/07 08:48:58