今回は国産の小型ハッチを日産から、歴代で言えば3代目になります。
【NISSAN MARCH(K12)】
「日産マーチ(K12型)」です。
2002年のデビュー、

直線基調であの巨匠ジウジアーロがデザインを手掛けた初代K10型

国内デザインで丸みを帯びて、使い勝手が向上したK11型

K12はそれらに続く3代目のマーチです。
スペック
水冷並列4気筒DOHC16バルブ、排気量1240cc、最高出力90馬力です。このスペックは一番の売れ筋だったグレード12Sや12Eのもの。

先代K11で丸みを帯びたデザインがさらに丸くなりました。
時期的に

【名前を言ってはいけないあの元CEO】(長い長いw)時代の車ですから、海外主導のデザインかと思われがちですが、NTC内デザイン本部第一プロダクトデザイン部によるもの、実は日本人の手による国内デザインなんですよ。
最初このデザインで発表された時は、正直世間では賛否両論でしたけどね。丸すぎるだろとか当時のニュービートルのパクりやろとか悪口も沢山、個人的な感想はやればできるやん日産!でしたけどね、素直に褒めましたよホント。

見切りが悪そうとか、運転しにくそうとかよく言われやすいですが、あのカエル顔ヘッドライトが前方の目標になりやすいし、見ての通りガラス面積が広くて視界は良いほうです。わりとストンと落ちた後方でそちらも感覚はつかみやすいデザイン。

リヤビュー、ごらんのとおりリヤガラスも案外広いでしょ、恐らく歴代ではかなり視界は良いほうかと。いたずらにハイトールにはせず、丸みを利用して四隅をうまく追い込んでいるからこそですね。

車内、価格的に質感はお世辞にも高いとは言えませんが、シートなどのデザインが凝っていて安っぽさを感じにくい内装です。案外フロント側シートのサイドサポートもあるほうですし。

インパネ、シンプルで円を基調にしたデザインがまた良い、実はK12マーチは借りたりして何度か乗りましたが使いやすいなと思いました。まあ、ニュービートルに乗っていたので雰囲気が似てるな~とも思いましたけどw。
足回りはフロントストラット、リヤはトーションビームの基本的なもの、特に突き上げ感とか柔すぎな感じはなく平均的な足回りです。初代や2代目のキビキビ感よりしっとりとした味付けの足回り。ブレーキもフロントはディスク、リヤはドラムで日常使いには申し分なしな制度力。
おおよそ9年ほど生産販売されていたので(マーチは初代からモデルスパンは長めで、概ね10年周期)、前期、中期、後期の3つに分けることができます、見分け方はフロントからが一番わかりやすいかと。

フロントグリルの中にフロントウインカーが入る初期型

2005年から、グリルからウインカーレンズが露出しているのが中期型

2007年から、グリル形状が変わり(やや細くなっています)、ヘッドライトの下部にウインカーが装着されているのが後期型です。リヤ回り(特にテールランプ)のデザインにも違いがありますが、これが一番わかりやすい識別方法です。
エンジンは当初1000cc、1200cc、1400cc、1500ccとわりと細分化されていましたが、2003年には1000ccは早くも廃止に、ちなみに海外向けのマイクラには1600ccもありましたけど。

2005年からは3ドアも廃止になり、5ドアボディのみとなりました。
さて、こんな足車何が面白いのと思われているかと、いやいや、ちゃんといたじゃないですか、本気のスポーツグレードがね。

はい、マーチ12SRですね。
2003年に追加されたグレードで、開発担当者はオーテックジャパンの中島繁治氏です、何気にオーテックが本気で手掛けたチューンドマーチなんですよ。

エンジンはCR12DEをベースにオーテックにより徹底的なチューニングが図られておりまして、高回転型カムプロフィール、強化バルブスプリング、専用のピストンや軽量フライホイール、専用チューニングコンピューターなど多岐にわたり、最高出力108馬力まで向上、足回りも専用の20mmローダウンされた物が与えられ強化されており、外装も専用のエアロパーツで固められています。
さらにノーマルからの変更点を羅列すると。
・低排圧キャタライザー(専用のスポーツ触媒ですね)
・専用メインマフラー
・専用センターマフラー(標準車よりパイプ径を拡大、高周波のノイズをカット、1500cc用のを流用したとか)
・テールクロスバーの追加
・スタビライザーの強化(ロール剛性約1.4倍)
・専用フロントエアスパッツ(ダウンフォースを発生させ高速域での安定性を確保)

・専用シート(シートフレームにサイドワイヤーを追加)

・アルミペダル(ER34GT-R用を流用し、操作性を向上)
・革巻ステアリングとシフトノブ、シフトブーツなど。
さらにリヤにオーテックのステッカーが貼ってありますよ。
どうですか?、この12SR・・・かなり「本気」だということが・・・

実は職場で乗っていた人がいて、少しお借りしたんですが・・・た~のしぃ~!の一言、とにかくレスポンスが良くて軽く吹け上がるエンジン!、スタビライザー入りでしっかりした足回り、絶対的な速さではなく五感で楽しめる車でした。108馬力がたいしたことない?いえいえ乾燥重量は3ドアなら910kgですよ?、実際かなり良い加速でした。
ちなみに12SRも中期、後期がありまして、純正でクスコのスタビライザー入りになったり、細部見直しで馬力は110馬力に向上したりと改良されていきます。ただ、残念なのは3ドアは初期型のみということですが。5ドアの後期型は乾燥重量が960kgになってしまいます。こんな本気印(本キ印?w)のスポーツグレードが受注生産だったとはいえ、車両本体価格180万円台で新車で買えたというね・・・・。

スポーツ系ならもう一つ忘れてはならないトミーカイラM13もありましたね。1200ccがベースで専用外装にエンジンもライトチューンで105馬力、足回りや専用レカロシートが奢られています。
そして、K12マーチで忘れてはいけない役物と言えば

マイクラCCです。
日本では2007年に1500台が限定販売されました。

エンジンは輸出用の1600cc、110馬力の物が搭載されていて、全高は低く、全長も若干伸ばされています。トランスミッションはATとMTが選択可能。

屋根の開閉は電動でボタン一つで後ろへ格納されます。
ちなみに日本での販売価格は250万円となかなか強気な価格設定でしたが、販売されると案外早く売れたそうです。
尚、この開閉機構、今は無きドイツのカルマン社が手掛けていたんだそうです。VWのカルマンギアで有名な会社でしたが現在は消滅しました。

歴代にも存在した、日産純正のクラシカルモデルであるボレロもあるでよ。
モータースポーツでは?

正直先輩方の11、12マーチほどの活躍はありませんでしたが。日産やニスモ主導によるマーチカップ(ワンメイクレース)が開催されていました。

ニスモよりカップカーも販売されていてなかなか盛況だったようです。
また、ジムカーナ競技や国内ラリーにも参戦していたそうです。
さて、中古市場
主力は通常タイプの後期の12E、下は30万円あたりからあります、高くても6~70万円台で、12SRは50万あたりから80万あたり、あ、10万キロ越えていないのもあるんだいいなぁ。

歴代で最も丸い車体、最初はファンシーすぎると敬遠されたり批判されたり、ニュービートルのパクりとか悪口もありましたけど、初年度は予定の3倍の台数が売れて、その新しいスタイルは受け入れられた車。
歴代で最も熱いチューニングが施されたりで走りの面も抜かりなし、今でも見かける皆に愛された1台、それが日産マーチ(K12型)かと。
ちなみにこれが純国内生産最後のマーチ、13型からはタイ生産になりましたからね。あれは最初は内外装共に安っぽ過ぎて呆れましたけどね、年々改良されましたけど。
所有するなら?、そりゃもう12SR一択でしょう!、実際当時も少し乗ったらかなり欲しくなったし、今でも程度が良いのがあれば欲しいぐらいです。

12SRにインパルエアロを組んで乗るのも良いな。

カーボンボンネットも装着で。

インパルと言えばこのド派手なリヤウィングも定番ですね。
ボディは初期の3ドアで、後期5ドア12SRからパーツ移植でアップデートをしたいな。足は社外品でガッチリ固めるのも良いかと。あとは吸気は毒キノコ、可能ならタコ足装着、マフラーはセンター1本出しかデュアルにしたい、シート類はレカロかスパルコで、下手したら前に紹介した軽のエッセより安く買えそうなのも良い。
やりがいがありそうで楽しそうだなぁ、機会があれば12SRにまた乗りたいです。トミーカイラM13にも乗ってみたいな。

ちなみにこんなのも・・・
ニュービートル仕様があったんかい!ww