今回のは・・・好きな車かというと語弊があるかもしれません。世の中にはこんなやらかしというかしくじり先生な車もあるんだよという感じですね。
お国はイタリィ、名門アルファロメオからです・・・が、日本のあのメーカーも関わっております。
【Alfaromeo Arna】
「アルファロメオ アルナ」です。
もうね、何ソレになっているのが目に浮かびますが。
1970年代後半から、名門アルファロメオは不振に喘いでいました。
ヒット車種が無く、しかも品質管理面でかなり酷評されていて実際そのころのアルファロメオの車は故障も多く、特に電装系の弱さは酷いものでした。
そこでアルファロメオは考えた、日本の車メーカーと提携して品質向上のための技術を習得すればいいんじゃね?と。
そして関わった日本のメーカーとは?実は日産なんです。日産は当時北米市場ではブイブイいわせていたんですが、欧州では知名度がイマイチ、よって欧州への足掛かりが欲しい、どこか欧州の大手メーカーと提携したいな~と考えていたのです。
両者の思惑は一致していたわけで1981年に合弁会社Alfa Romeo Nissan Autoveicoli社を設立、そこから共同開発を進めることに。
この話は欧州のカージャーナリスト達の間でも話題になり、日本の信頼性の高いエンジンや電装系に、アルファロメオのデザインで出たら凄いよね!と。つまりマカロニのボディにご飯なエンジンを期待されていたのです。
そして1983年に

アルファロメオ アルナは誕生しました、車名は上記の合弁会社の頭文字から、この車は「アルファロメオのエンジン」を「日産デザインのボディ」に載せてデビュー・・・えっ?
発表された時の欧州のカージャーナリスト達の反応は

実際、大半の意見はこうでしたw
スペック
水冷水平対向4気筒SOHC、排気量1351cc、最高出力86馬力です。
さて、何がいけなかったのか。

うん、端正と言えば端正ですが、退屈と言われれば退屈とも言えるスタイル。

サイドとリヤビューはこんな感じ・・・シンプルですが没個性的かと。

日本では二代目(N12)パルサーにあたるデザインなんですが、欧州では退屈なデザインと酷評されました。

このスタイルにただでさえ故障の多い(当時)アルファロメオの水平対向エンジンと弱い電装・・・
つまり、当時はアルファロメオに付き物だった電装系やエンジンのトラブルと、当時の日本車にありがちな無個性なスタイルと退屈な操縦性という、両者の欠点を寄せ集めたような車になってしまったのですw。

あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙~!な゙ん゙でな゙ん゙だよ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙~!
本当に逆だろ逆ぅ!ですw。
まあ、アルファロメオという会社にとっては昔も今もエンジンこそクルマの心臓、絶対に譲れない部分なのです。現在はフィアット傘下になって一緒にクルマを開発したりしていますが、一部を独自に開発するなどして、よその会社のエンジンをそのまま使ったりはしていないんです。つまり、全てはアルファロメオの意固地のせい。

でも、今見るとそこまで悪いスタイルでは無いような・・・。
エンジンはアルファロメオ スッドからの水平対向4気筒、トランスミッションやフロントサスペンションもアルファ製、後輪サスペンションはパルサーと共通でしたが。ボディパネルは日本の日産でプレス加工、イタリアの工場で組み立てられました。プラトーラ・セラ工場には日産の最新技術による産業用ロボットも積極的に導入され、日産版のニッサン・チェリー・ヨーロッパ(上記のN12パルサーの欧州仕様)もここで生産されています。

日産では、欧州販売を記念したパルサーミラノX1を販売しています。X1はツインカムエンジンを搭載。ミラノシリーズは結構好きですけどね。
ボディ構成は3ドアと5ドアが選択できました。

さて、鳴り物入りでデビューしたアルナでしたが、その評価は正直散々なもので、後の欧州でのランキングで「最も醜い車」に選ばれたり、凡庸なスタイルにただアルファのグリルをつけただけだろなんて言われたり・・・。
しかし、二代目パルサーに比べるとボディの強度は上がっており、また、水平対向エンジンの恩恵で低重心、アルファが味付けしたサスペンションなどで走りはパルサーやスッドより良かったという評価もあります。
1986年にアルファロメオはフィアットに買収され、日産との提携も解消、アルナはそのまま自然消滅となりました。
実質の生産期間は約4年間と短め、商業的には失敗だったかと。しかし、日産としては当初から4年間ぐらいでの予定の提携だったし、欧州に日産の名を広めることが出来たので失敗ではないとのこと。
そしてアルファロメオとしては、日本のクオリティの高い生産技術を習得出来たこと、近代的な生産工場を設立出来たことなどで、やはり失敗ではなかったと主張。

いや、本当にコレですがw。
さて、中古・・・そもそも日本では販売されていません。よって中古車自体がありませんな状態なので、相場なんでわかりません。
ちなみに、実はイタ車ショップによる輸入などて日本にも居るらしいんですが、その数は恐らく国内に3台も居ないだろうとのこと、ていうか欲しいですか?コレw

生産クオリティを上げたかったアルファロメオと、欧州進出のために欧州で知名度を上げたかった日産、利害が一致した両者は合弁会社を設立、この話を聞いた欧州のカージャーナリスト達は色めきたち、日本の頑丈なエンジンや故障が少ない電装系を持ち、その上アルファロメオの流麗なデザインの車が生まれる!

Yeaaaaa~h!これはシビれる憧れるゥゥ~!
しかし、生まれたその車はアルファロメオの故障しやすいエンジンと電装を持ち、当時の日本車の凡庸かつ没個性的で退屈なスタイルを持ったお互いの悪いところを集めて煮詰めたおした、最早特級呪物のような車でした・・・。

いや・・・なんで?、逆だろ逆ぅ!。
とまあ評価は正直散々で、アルファロメオの歴史の中で一番の黒歴史であるっ!とまで言われましたが、アルファロメオは日本の生産技術を得て工場は現在でも車を生産しており、日産は欧州ではイマイチだった知名度を(良くも悪くもw )上げることには成功しており、一応お互いに得るものはあった車、それがアルファロメオ アルナです。
所有するなら・・・・・イラネw
いや、でも欧州では最近ネオクラ税制の対象になったり、若干ですがこのアルナを見直す動きがあるんですよ。販売面でもアルファロメオ スッドよりかは売れたらしいですし。
今、日本の街中で乗ったら一周回ってオシャレかもしれない!・・・本気かよw。
余談、生産販売されていたころに当時イギリス国内で341台の現存が確認されていたアルナのうちの1台を、手榴弾で爆破してキリのいい現存340台に減らすという所業に及んだなんて本当のお話も・・・いや、これ酷くね?ww
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好きな車 | クルマ
Posted at
2023/10/06 21:20:51