年の始めの好きな車、今回もイタリアからで超高級車行きます。
正に走るために生まれて来た、超高級なスーパースポーツです。
【Pagani Zonda】
「パガーニ ゾンダ」です。
まずはパガーニ社とはどんなメーカーなのか、代表のオラチオ・パガーニ氏(出身国はアルゼンチンでイタリア系です)がランボルギーニのような車を造りたいと1992年に設立、正式な社名はパガーニ・アウトモビリ、超高級スーパーカーを少量生産するメーカーです。
元々、パガーニ氏は若い頃にはF2車両を製作したり、キャンピングカー製造の会社でデザインを担当したりしていたそうですが、1980年代に子供の頃からの夢だったスーパースポーツのデザインをやりたいと人のツテ(あるF-1ドライバー)を使いランボルギーニ社に入社、いくつかのモデルのパーツデザインを手掛けて1992年に会社を立ち上げました。
そして、1999年に自社初の車である

パガーニ ゾンダC12を発表
車名の「ゾンダ」とはアンデス山脈からパガーニ氏の出身地であるアルゼンチンへと吹き下ろす風の名前が由来です。C12についてはCがパガーニ氏の奥様であるクリスチーナさんの名前から、12は製作プロジェクトの番号で12番目という意味です。
スペック
水冷V型12気筒DOHC48バルブ、排気量6987cc、最高出力550馬力です(これは量産型であるC12Sのスペック)。

同じ画像ですが、こちらは試作型にあたるC12、エンジンは排気量は6リッターで出力は350馬力ほどです。あくまで市販前提の試作車なので走らせて不具合があればなおして行ったとか、生産台数はたったの5台だけです。
2000年から生産された

これがC12Sで、このモデルが実質の量産市販タイプとなります。C12から排気量が7リッターにアップ、馬力が550馬力になりました。

60度狭角バンクのV型12気筒エンジン、ヘッドカバーなどに書いてある文字に注目、そう、「AMG」の文字があります。エンジンはメルセデス・ベンツのエンジンがベースで、AMGの手によりチューニングされたものです。イタリア車ですが、ハツ(エンジン)はドイツ製だったりします。

画像は模型ですが・・・(実車の台数が少ないので画像がなかなか無いんですよ)。シャシーはCFRP製のセンターモノコック、レーシングカー同様にアルミのハニカムをカーボンファイバーでサンドイッチして、オートクレーブ(つまり焼き釜です)で焼き固めたものを使用。モノコックの前後にはクロモリ鋼で組んだサブフレームを溶接、そこにエンジンやサスペンションなどのコンポーネントを装着する方式。ボディカウルもCFRP製で、重量は1250kgと排気量を考えたらかなり軽量です。

これは実車、リヤ回りのボディパネルを外した状態、ゾンダ最大の特徴であるリヤのセンターにまとめられた4本のマフラーが良くわかるかと、マフラーはイタリアのANSA(アンサ)製、フェラーリやランボルギーニのマフラーも手掛けている会社です。
サスペンションは、ドイツのアイバッハ社の前後ダブルウィッシュボーン、ロアアームはワイドベースのAアーム、アッパーアームは三角形のアームにスプリングやダンパーをプッシュロッドと一体化、アームやハブキャリアはアルミ合金製、ブレーキはブレンボ製のベンチレーテッドディスクに4ポットのアルミニウムキャリパーを採用とほぼレーシングカーのスペックを与えられています。元々、デザインはメルセデスのル・マン24時間レースて走っていた車両をモチーフにしています。ちなみにテールランプはランボルギーニのディアブロのものを流用しているとか。

内装、アルカンターラやら本革やらをふんだんに使った豪華な内装、画像は一例で顧客の好みに合わせて色や材質のフルオーダーも可能です。
トランスミッションは当初は6MTのみと、超高級車ながらかなりスパルタンなものでした。後に6ATも追加されましたけどね。

その走りはまさにロードゴーイングレーサーそのもの、乗車定員は2名の2シーターでエンジンはミッドシップレイアウト、スピードメーターは400kmまで刻んであるとか。尚、信じられないんですがこれだけのハイパフォーマンスを持ちながら、初期のゾンダはTCS(トラクションコントロール)はおろかABSすら装備されていなかったというね・・・ハード過ぎて怖っ!w。

2002年から更にチューニングされたゾンダS7.3に、エンジンの排気量の拡大と最高出力が600馬力に到達、この馬力になると流石にABSとTCSが標準装備されました・・・そりゃそうだわw、細部の補強強化も抜かり無く施されています。これをベースとしたオープンモデルのロードスターも製作、台数は25台のみです。

更に2005年にはFというモデルも製作、フェンダーミラーなどに大幅な改良が施され空力を見直し、生産台数は25台のみです。Fとはアドバイザーのファンジオ氏の頭文字です。AMG製7.3リットルV型12気筒、602馬力のエンジンを搭載しています。

2008年に追加されたFクラブスポーツ、排気量は変らずですが排気系の見直しで650馬力へ向上、基本的には公道ではなくサーキット向けでこちらも25台の限定生産、最高時速は345km/hあたりを叩き出したそうです。

そのゾンダFをオープンにしたFロードスターも更に追加、こちらも25台のみの販売でした。
ここからは更にスペシャルなモデルも(一部ですが)。

ゾンダR
2009年から発売が開始されたサーキット走行専用車、公道は走れません。15台限定の生産でレース用のメルセデスCLK-GTRのエンジンをベースにしたメルセデス・ベンツ・AMG製M120型V型12気筒、750馬力のエンジンを搭載、内外のパーツの90%を新開発しています。トランスミッションはパドルシフト付の6速シーケンシャルATで、実はゾンダでは初のパドルシフト車でもあります。

GR
C12Sをベースにしたレース車両でル・マン24時間レースの他にアメリカン ル・マンレースなどにプライベーターチームからスポット参戦しましたが、目立った結果を出せませんでした。

CINQUE(チンクエ)
チンクエとはイタリア語で「5」という意味、香港のパガーニ・ディーラーであるSPSの要望により生産された5台限定モデルで2009年に製作。Fをベースとして、随所にRで得られたデザインやノウハウが取り込まれている。カーボンやチタン、マグネシウムを使用して軽量化を図っています。AMG製のV型12気筒678馬力エンジンを搭載、このチンクエのうちの1台はパガーニ氏が所有していて残り4台が依頼元のSPSへ行ったそうです。

更に、チンクエにもオープンのロードスターがあり、こちらも5台のみの生産となっています。
他にも760や760RS(760馬力モデル)など色々ありすぎて把握が難しいのです。何故こんなに色々とあるのか?、つまり世界の大富豪様がワンオフで造らせた車両がいっぱいあるんですよ、上記の760シリーズもワンオフで1台のみ。パガーニ社は受注によるワンオフ車の製作も受けていて、世界で1台のゾンダも沢山造っているんです。
最終的には2010年まで生産販売され。

後継車であるパガーニ ウアイラにバトンタッチ、ウアイラは現在も生産販売されていますよ。
さて、中古・・・無いわ~あるわけ無いわ~w
時々ワンオフモデルなどが売却されますが、当然オークションとなり価格はとんでもない額になります。おいくら万円?、中古でも万円じゃなくて億円になりますね。オークションで7億近く行った車両もあるとか。
そう、これがパガーニ社のやり方でして、つまりワンオフや少数生産で価値を高めて、新車で1億5000万円~3億円ぐらいの価格だったとしても、新車で買うほうが安く買えたりします。つまり投資にもなる車なのです。そういう狙いもあり少数生産でハンドメイドに拘るわけです。まあ、超高級腕時計みたいなものですかね。だから超高額な価格でも納車までの期間が数年かかってもオーダーが絶えないんだとか。
パガーニ氏、所属していたランボルギーニで倒産を体験しているからこのようなやりかたにしたのかなと。ランボルギーニは過去に1度実質の倒産をしていますからね。ランボルギーニはその時期大量生産できるようにと生産ロボットを導入したりしてから傾きましたから。
オラチオ・パガーニ氏が長年願い続けた・・・

ただ一つの望み。
それはスーパースポーツカーを造ること。その夢の実現のために様々な努力をし、人のツテを利用してランボルギーニ社に入社、そこでスーパースポーツの生産ノウハウや販売方法も学びその夢を実現させた車、それがパガーニ ゾンダです。
所有・・・㍉w
まあ、できたとしても維持が精一杯でイジることはできない(というか必要がない)車でしょうねコレは。というかイジりたければ最初からワンオフしてもらうのが一番利口だと思われます。ところで日本に何台いるのやら?両手で数えられるほどらしいんですが。
以前はイタリアの本社に行って造ってもらい、並行として輸入して陸運の検査を受けてと面倒臭い購入方法でしたが、日本にも代理店ができたのでそこで発注できるそうです。
まあ、日本で所有している人で一番の有名人は

このゾンダ、日本にいるワンオフ車で名前は「パガーニ ゾンダ ZOZO」と申します。
ZOZO?、はい、あの人ですよ、別名「ジャンケンお金配りオジサン」w
近年宇宙にも行ったジャンケンお金配りオジサンですよ。この人は他にもブガッティを2台所有していますからね(1台3億円オーバー)。ちなみにこのパガーニは3億円ちょいほどだったそうで、しかも納車されてから一度事故って大破させています(修理して治っていますが)。あるところにはあるものですね。
一度は見てみたい車です・・・が、それすら叶わない車でしょうね。