令和6年最初の好きなバイク、今年もよろしくお願いします・・・って元旦早々から世間は何かとハードモードですが大丈夫か今年は。
気を取り直して。今回はホンダワラさん、400ccV4レーサーレプリカの嚆矢となったこの1台を。
【HONDA VFR400R(NC21~24)】です。
1984年~85年

当時の400ccクラスの国内レースTT-F3を席巻したワークスレーサーRVF400。
これのレプリカとして登場したのが

VFR400Rです。有名なのは丸目2灯のVFR(いわゆるNC30)ですが、初期は異形単灯のヘッドライトでした。
スペック
水冷V型4気筒DOHC16バルブ、排気量399cc、最高出力59馬力です。

先代のVF400FはVT250F系統のスタイルでしたが(紹介済)。

VFRからはレーサー風なフルカウルに身を包んだスタイルとなりました。

90度V型4気筒エンジンはVF400Fのエンジンをベースにして、カムシャフトの駆動をチェーンではなく歯車で行ういわゆるカムギアトレーンを採用。

フロント16インチ、リヤ18インチホイールを採用、まだ昔のスポーツ系を引きずっていたのがわかります。しかし、いわゆるこの頃の流行りだったアンチノーズダイブ機構はついていません、アレはレースではわりと早々に害悪装備として消えましたからね、過渡期の足回りです。
ブレーキはフロントダブルディスク、リヤシングルディスク、正立フロントフォークにリヤはホンダと言えばのプロリンクサスペンション(モノサス)。

フレームはアルミ製ツインチューブ・ダイヤモンド式を採用、現在のように極太フレームではありませんが剛性は必要充分で尚且つ軽量です。
同年7月頃には。

ホンダVFR400R・スペシャルエディションを販売、いわゆるホンダワークス的なトリコロールカラーを追加しました、こちらは一応1500台の限定車になります。この色は良いなホンダらしくて。
ちなみにVFR400Rにはカウル無しのネイキッドバージョンもありまして。

20年ぐらい早すぎたストファイ、VFR400ゼェェェェ~~ット!(Z)も併売されています(紹介済)。
NC21はレプリカ系ではありますが、シートを見てもらうとわかるようにちゃんと2人乗りができるロングシートで、ポジションもハンドルが高めの位置で比較的に楽だったとか、つまり日常の使用も考えられていたレプリカだったのです。長距離ツーリングもさほど問題なし。

そんな特性からか、中免(普免)教習車としてVFR400Kも販売されていましたけど・・・私も中免(普免)取得の時にクソお世話になりましたっ!w、でも個人的には同時期に採用されていた

CBR400Kのほうが好きでしたけどね。限定解除の時も含めてVFR系は低速域でトルクが細くて好きにはなれず。
そして、翌年1987年には

NC24型にチェンジ、そう、NC21型って正味1年ぐらいしか造られていないから結構レアだったりします。この単灯ヘッドライトのVFR400Rで馴染み深いのはこちらではないでしょうか?。一見マイナーチェンジに見えますが、足回りに大幅な改良が施されていますから形式番号も変わって実質たった1年でフルモデルチェンジしたのです。80年代のバイクブームの最中ですからお金があった時代ですし。
基本的にエンジンやフロントの足回りはNC21からのキャリーオーバーで変化無し、フレームの一部改良などが主で一番の変更点は?、画像を見るとやたらマフラーが上にカチ上がっていますが・・・何故?。

それは、リヤのスイングアームがプロアームに変更されたから、そう、400ccクラスで初めてプロアームを採用したのがNC24なのです。これの次の丸目2灯のNC30から?と勘違いされやすいのですが、NC24で初採用されました。
このプロアーム、元々はNS500で戦っていたフランスの企業でオイルなどでお馴染みの

elfというメーカーのレースチームelf MOTOが開発した物です。ホンダはどちらかというとその開発に協力した立場でホンダ単独の物ではありません。エルフと言ってもトラックでも無ければ1000年生きた魔法使いでもありませんよ・・・自害しろw。

こちらがelf 3、エンジンはレーサーNS500の2サイクルエンジン、それをエルフオリジナルのフレームに搭載したレーサーです。そう、ホンダとは元々蜜月だったのです。画像を見てのとおり前後ともに片持ちのスイングアーム式という【変態】(それは私のおいなりさん・・・いや称号だbyスズ菌)足回り、これのリヤがプロアームの原型です。フロント側はいわゆる片持ちハブステア式ですね。
当時ホンダとエルフがどれくらい蜜月だったかって?

前にも貼りましたがこれぐらい蜜月でしたw、あの宗一郎さんがニッコニコでエルフのレーサーに跨がるぐらいにね。

尚、NC24にも限定車でロスマンズカラーがあります。それとVFR400Zはこの頃にも併売されていました、ただし、基本的にZの車体はNC21のままなのでプロアームなどは装着されていません。
21、24共に販売されると各地の峠やレースで大活躍、ただ、高めの価格だったので峠小僧達の憧れの的、これで走っていると一目置かれる状態、どちらかというとホンダ車はCBR250系やNSR系のほうが多かったと思われます。
最終的には1989年まで生産されて

後継のNC30へバトンタッチ、これもいずれ紹介します。
余談、最近のホンダのバイクってプロアームを一部の車種(シャフトドライブのGL1800系とか)以外でほとんど採用していませんよね。何故なんでしょうか?。

こちらは現在もレースで戦っているホンダのレーサーRC213V、これですらもプロアームでは無いんです、見てのとおりリヤは両持ちスイングアームですよね。これは結局両持ちのほうが軽く造れること、剛性を上げられることが分かったのと、片持ち故に左右でコーナリングの挙動が違うというネガな部分があったからで、更にプロアームは両持ちタイプよりリヤのスイングアームが重くなってしまう欠点があるからなんです。利点とされた整備性、特にタイヤ交換の容易さも技術の進歩で両持ちタイプもあまり変わらなくなったのも大きいかと。市販車では単純明快、両持ちより生産コストがかかるからこれに尽きますね。つまり現在はプロアーム化するメリットが少なくなったからなんです。

現在もリヤスイングアーム片持ちに固執しているのはドゥカティやMVアグスタぐらいかも、ただしドゥカティはレーサーや一部の市販車ではカーボン製のスイングアームを採用して軽量化してありますけど。後はBMWのシャフトドライブのバイクとか、あれはリヤスイングアームとドライブシャフトを一体化したほうが生産効率が良いしコストもかかりませんよねという理由もあるとか。
さて、中古市場
やはり1番人気はNC30型ですが、それに混ざって数台発見、ただNC21は生産期間が短かったのでタマは少ない状態、NC21の通常カラーが70~80万円あたり、トリコロールは見つからず。NC24はわりとタマがあり通常カラーで70~90万円、ロスマンズカラーだと100万円を越える物もありました。やはり黄金の80年代バイク、かなり価格が上がっています。NC30は更に高額になるんですけどね。

あらま、佐藤浩市じゃないか。

ホンダの400ccレーサーRVF直系、カムギアトレーンの採用やプロアームの採用などレースで培った技術を惜しみ無く投入、まさにThe レーサーレプリカではあるんですがNC21型はまだユーザーフレンドリーな部分もあり、レプリカ系にしてはオールラウンダーな性格、次のNC24型からはレプリカとしての純度が上がり峠やサーキットで活躍、まさにホンダ本気のForce V4、それがホンダVFR400R(NC21~24)です。
所有するなら・・・やはりプロアームはカッコ良いからNC24かなぁ?、フロントの16インチはタイヤの選択幅が狭いのでNC30のフロント17インチホイールやブレーキの流用をやりたい。21ならあえてノーマルプラスマフラーぐらいで、更にハンドルを高目にセット、可能ならパイプハン化、中型ハイスピードツアラーにしてしまうのもアリかも?、マフラーはやはりモリワキでしょ。

NC21改モリワキレーサー風、CBR400Fエンデュランスのアッパーカウルを移植、この発想は無かった、なかなか似合っていて良い感じです。

カラーリングで遊ぶのも良さげ、私ならレッドブルカラーにしてみたいかも。

カラーリングその2、悪くないけどなんかちょっとカワサ菌テイストだな。

24のロスマンズならマフラー交換と可能ならフロントホイールの交換ぐらいで、これはなるべく純正を残すべきかなと。
NC30はたまーに見かけますが、21や24はなかなか見かけなくなりました。久しぶりに遭遇したいな、ストリートの直4(CBR系)、レースのV4(VFR系)、ホンダのその方向性を決定づけたバイクじゃないかなと思います。