車は久しぶりになりますか、そーいえばコレやっていなかったなと。
近代VWの基礎を作ったと言っても過言では無い一台。

【Volkswagen Golf Ⅰ】
「フォルクスワーゲン ゴルフⅠ(初代)」です。
まず、なんで名前が「ゴルフ」なの?から解説。
メキシコ湾に吹く風、これの事を「Gulfstream」(ガルフストリーム)と言います。これをドイツ語読みにすると「Der Golfstrom」(デア ゴルフシュトローム)なのです。
つまりガルフストリームのドイツ語読み「ゴルフシュトローム」が元になっています。勿論、あちらのスポーツのゴルフにも掛けてあるんですが。

これ、ゴルフベースの商用ピックアップなんですが、その名前は「キャディ」と言いますw。
余談ですけど、以前日本でも販売されていた、ゴルフベースの小型ミニバンで「トゥーラン」というのがありましたが、それの最近の本国モデルで

ハイルーフバージョンがあります、こちらも名前は「キャディ」なんですよ、ディーゼル車を日本で・・・今は難しいか(^_^;)。
トゥーランは代車で借りた事がありますが、良い車なんですけどね。イマイチ日本ではウケませんでしたね・・・。
閑話休題。
1960年代あたりから、VWはタイプ1(ビートル)の次を模索しては・・・コケまくっていました。
例えば。

VW タイプ3とか。私はこれも好きですけどね。

VW タイプ4とか、日本では珍車ですよ。
これらの新しいシリーズを出しながらも、なかなかセールスには繋がらず、結局は改良されたタイプ1の方が売れてしまう、こんな状態でした。
個人的見解でその原因を申し上げてよろしいですか?。
「あんた、リヤエンジン、リヤドライブ空冷エンジンに固執しすぎ!!」
結局、3も4もタイプ1から完全には脱却できていないのです。冒険して失敗したら・・・の心理が働いたのやら?。いや、3も4も良い車なんですけどね。結局は焼き直しなんです。その経営状態は赤字が嵩むばかり。
そこで、VWは一念発起したのか、タイプ1から完全に離れた新しい車をと開発をスタート。
空冷からの脱却を最初に果たしたのは

実は1973年の、この初代パサートが始まり、水冷FFはゴルフが最初では無いんです。ただし、この車は同じ時期のアウディ80がベースなので、100%VW車とは言えないのです。
このパサートもそうですが、1971年にはあのイタルデザイン、つまりジウジアーロ氏にデザインを依頼していました。
それが100%VW製の市販車として1974年に結実したのが、このゴルフなのです。
スペックをベースグレードのLSから。
水冷直列4気筒SOHC、排気量1470cc、最高出力は70馬力です。
これを横置きに、FFレイアウトのお手本のように配置、実際、今でも小型FF車のベンチマークと言われ、日本のメーカーも常に追っている車の基礎はこのゴルフⅠで確立されました。

このスタイリング、一見地味ですがスラントしたテールゲート、今の小型FF車にもある1.5ボックスのスタイル、正に基本の良さがあると思います。
さて、ゴルフと言えばスポーツハッチの元祖でもありますね。

そう、「GTI」です。
この初代から既にありました。
デビューは1976年、LSEという2ドアのグレードをベースに1588ccのエンジンを搭載、そのスペックはこちら。
水冷直列4気筒SOHC8バルブ、排気量1588cc、最高出力は110馬力です。

グリルの赤いピンストライプはGTIの証、今もGTIにはグリルにこの赤いラインが入ります。
足周りも専用の物が装着されていて、引き締まった走りを約束してくれます。
発売と共に大人気に、ただし、当時の日本では通常グレードのみが販売され、この初代のGTIは正規輸入はされませんでした。
次のゴルフⅡのGTIから正規輸入されるようになりました。
さて、ゴルフⅠには前期型と後期型がありまして。

こちらが前期型

こちらが後期型です。
前期が「スモールテール」、後期は「ラージテール」と呼ばれています。テールランプの大きさで区別が可能です。
日本ではヤナセが輸入販売をしていましたが、正直日本ではまだタイプ1が人気で、あまり売れなかったと知り合いの元ヤナセのディーラーマンの方も申してました。
そんなゴルフⅠ、中古市場はまず探す事から始めないと。なかなか出物がありません。上記の証言通りタマ数が少ないのです。日本ではゴルフが認知されたのはゴルフⅡからなので、Ⅱは今でも結構あるんですが。
ただ、もうクラシックの域に入りつつありますから100万円以上はすると思います。
レストアベースなら、転勤する前の知り合いが所有していました。錆びだらけの穴だらけのスモールテールをでしたけど(;´д`)。
十数万円で入手したGLEで「これから治す」とか言っていましたがちゃんと治したのやら?。
尚、ゴルフⅠの泣き所はミッションが壊れやすい(前期後期問わず)そうです。
所有して乗るならば、まずは綺麗にレストアして

こんな感じで乗りたいですね。深リムをツライチでローダウンで。綺麗に磨き上げて乗りたいです。GTIなら尚良しですが。
かなり小柄ですが、使い勝手は良い感じです、その知り合いのに少し乗った感想です。
ゴルフの怪談

ゴルフカブリオレの初代(オープン)ですが、実はこれゴルフⅠの車体だったんです。これをなんと1989年まで使って作っていたんですよ、ちょうどゴルフⅢの販売時期までありました。よってゴルフⅠは1989年まで生産された事に・・・・。
ゴルフの怪談2

一見、ゴルフⅡみたいに見えますが、これ、実はゴルフⅠです。
南アフリカのVWでは、ゴルフⅡが販売された以降も値段の上昇を嫌い、Ⅰをエントリーモデルとして生産販売を継続していたのです。ゴルフⅡが販売されてからは「シティMkⅠ」の名前で生産販売・・・し、シティ?(^_^;)。
なんと、2009年まで生産販売されていましたΣ(゜Д゜)。
現地南アでの価格は140万円。これ、また作って日本で販売して欲しいな。それに南アは元イギリス領だから当然「スピードはKm表示、右ハンドル」なんですよ。

その後のゴルフ一族の祖であり、今でも小型FF車のベンチマークであり続ける為の基礎を作った偉大な小型車、それがこのゴルフⅠなのです。