今回は少し、前置きが長いです。
まずは、ちょっと「たま新」を。
今回は所謂ロータスセブン(以前紹介済)絡みなんですが。

これがオリジナルの「ロータスセブン(画像はシリーズ1)」、現在は「ケータハム社」が正式にロータスから製造権を得て製造しています。
その、ケータハムから。

現在販売中のケータハム160(スズキ ジムニーのエンジンを積んだタイプ、軽ータハムですな)の特別仕様車「ケータハム セブンスプリント」販売中です。期間限定(2017の3月末まで)販売。
160をベースに、シリーズ2を再現したモデルです。お値段469万円・・・う~ん、歳を喰ったら乗りたいなぁ。軽自動車登録で維持費が安いのはメリットですね。
さて、本題。
セブンとは、ロータス製があくまでオリジナルであります。
ロータスは1973年にセブンの製造権をケータハムに譲渡したわけですが、他にも様々なセブンがいるのです。コーリン・チャプマンの死後それこそ雨後の筍のように・・・色々と訴訟も起こっています。ケータハムが訴訟を起こす側になる事がほとんどでしたが。
正当な後継者たるケータハム(イギリス)に始まり。
タイガーレーシング(イギリス)、ウェストフィールド(イギリス)、バーキン(南ア)、フレイザー(ニュージーランド)、ドンカーブート(オランダ)、シュペールマルタン(フランス)などなど。
これらロータスやケータハム製以外のセブンの事を「ニア・セブン」と申します。
そして、かつてこの日本にもニア・セブンがあったのです。
今回はまとめて二社行きます。
【Mituoka Zero one】
【Suzusyo Supasse】
「光岡 ゼロワン」
「鈴商 スパッセ」です。
まずは光岡から。
光岡自動車の事はご存じかと、最近なら大蛇(オロチ)・・・「ファッション」スポーツカー(230馬力で1500kgじゃ遅いわな、つまりファッションとは「なんちゃってスーパーカー」だと、お値段は約1300万円ですが(-_-;))。
今年、生産を終了しました。

コラボで作られた「ヱヴァンゲリヲンオロチ」・・・凄い色(^_^;)。
その光岡がかつて、セブンみたいなのを作っていたのです。

これが光岡ゼロワン、見た目は確かにセブンですね。1994年にデビュー。
スペックを。
水冷直列4気筒DOHC16バルブ、排気量は1600cc(1996年まで)、1800cc(1996年以降)、最高出力は120馬力(1996年まで)、130馬力(1996年以降)です。
このスペックでピンと来た方は鋭い。エンジン形式名はB6-ZE型とBP-ZE型、そう、マツダのNAロードスターのエンジンですね。
これをフロントミッドに搭載したFRと、正にセブンと同じレイアウト。しかし、足回りは前後ダブルウィッシュボーンとオリジナルより高級ですよ。オリジナル、ロータスのはリヤはリジットだったりしますから。
車体はケータハムよりも少し大きいです、衝突安全性のためどうしてもねとのこと。これを通すのにかなり苦心したようです。
1997年からは、NAロードスターが1800ccになったのを受けてゼロワンも排気量アップ、しかし、2000年に新しい衝突安全基準に適合できずに、生産断念となりました。横からの衝突安全基準に対応できなかったそうです。
現在、中古市場は250~300万円あたりで販売されていますが、総生産数が350台程だそうですので、欲しければ見つけたら即買いだそうです。つまりタマがかなり少ないと。
次は、鈴商を。
鈴商とは、1970年代に設立、元々は保険、つまり損保の会社として始まり、その後自動車の販売、部品の販売などを行う会社として営業していました。
そして2004年に自社生産のスパッセの認可が降りて販売を開始。光岡では対応できなかった横からの衝突安全基準をクリアしたそうです。

これが、鈴商スパッセ。
スペックを。
水冷直列4気筒DOHC16バルブ、排気量2000cc、最高出力は160 馬力です。光岡より高性能なエンジンは日産のSR20DE、つまりシルビアのターボ無しエンジンを搭載していました。
ボディは鈴商自身の手によるもので、当時最新のコンピューターによる解析で作られました。
こちらもレイアウトはフロントミッドのFR、足回りも前後ダブルウィッシュボーンでした。
尚、スパッセはオプションで220馬力のエンジンを選択できたり、サーキットでの計測が楽になるようにデータロガーを搭載することも可能でした、光岡よりレース志向な車だったのです。2011年まで受注生産の形で生産されていましたが、鈴商が2011年に業務停止を宣言、現在では鈴商自体が事実上の廃業常態です。よって、生産はされていません。

鈴商はクローズドボディのオリジナルカー「スパッセⅤ」も発表まではこぎ着けていたのですが、創業者の健康問題(なんでも倒れたとか?)を理由に店自体を畳んでしまう結末になりました、実にもったいない。
中古市場・・・は、正確な生産台数自体が不明、鈴商はかつて愛知県にあった会社で、規模もかなり小さかった(ほとんど町工場レベルだったとか?)そうで、愛知県周辺にしかスパッセは出回らなかったという話もあります。
よって、中古は見つかりませんでした。
参考までに、当時のスパッセの新車価格は3,948,000円~4,179,000円だったそうです。
多分、中古で販売されたなら300万円オーバーぐらいの価格かなと?。光岡ゼロワンより少し高額になると思われます。
安心の国産で、セブンのクイックな乗り味を味わいたい向きには、この二台を探してみるのも手かもしれませんね。
私なら、ケータハム160(パワード バイ スズ菌)にしますけど・・・ね(^_^;)(オイッ!!)。
光岡のは1回だけ目撃しましたが、鈴商スパッセはまだ見たことがありません。お目にかかりたいものです。