2005年05月24日
私が感激したバトル ~土屋圭市 VS 福山英朗~
1992年、Gr.Aシリーズ菅生。
既にスカイラインGT-Rが王者となりデヴィジョン1カテゴリーはGT-Rの事実上ワンメイクとなっていた。
菅生のこのレースは天候に左右されていた。先頭は王者カルソニックスカイラインの星野一義(敬称略)、続いてニスモワークスの共石スカイラインのA・オロフソン、強敵ユニシアジェックススカイライン長谷見昌弘が続く。
しかし天候不順によりタイヤチョイスをミスした長谷見昌弘のユニシアジェックススカイラインのペースが上がらない。背後からSTPタイサンGT-Rの高橋国光が迫る。
ニスモワークス共石、カルソニック、ユニシアジェックスが常勝と言うシーズン、STPタイサンGT-Rをはじめとするプライベートチームは苦戦を強いられていた。
あの高橋国光がハコスカ以来のGT-Rをドライブする、往年の見せたドリフト走行の国さん。国さんを憧れて始めた平成のドリフトキング土屋圭市のコンビはファンの期待をよそに苦戦を強いられていた。
しかしこのレースはチャンスだった。
ピットインを待つ土屋圭市。彼の脳裏に20年前ハコスカで圧倒的な走りを見せ王者になった高橋国光がいた。
「新しいGT-Rの時代は星野、長谷見の時代だ。高橋は今はもう昔だ。」と言われていたことが悔しかった。
「絶対に、あの国さんを表彰台に立たせてやる!!」
ピットイン作業開始、土屋圭市は高橋国光にこう言った。
「絶対にオレが国さんを表彰台に立たせるから!!!」
アグレッシブに攻める土屋圭市。3位を走るユニシアジェックスの福山英朗に追いつくとバトルが始まった。
サイドバイサイド、イン、アウト両者は譲らずクリーンなバトルを展開!
接触もあった。ユニシアジェックスのターンレンズがコード1本でぶら下がっていた。
何度も果敢に両者はアタック。土屋圭市も福山英朗もお互いを弾き飛ばしたりしない。相手のラインを残す素晴らしいバトルをやっていた。
馬の背コーナーで、ストレートで、あらゆる場所でのサイドバイサイド!
何週も何週もこの2台はバトルを展開していた。
このバトルを制したのは土屋圭市だった。
3位でゴールすると大騒ぎのタイサンチーム。やった!表彰台だ!!
土屋圭市がピットに戻ると高橋国光は大笑いだった。
土屋圭市が高橋国光に抱きつくと二人は溢れるモノを押さえきれずに抱き合って泣いていた。
ブログ一覧 |
モータースポーツ | 日記
Posted at
2005/05/24 22:14:17
今、あなたにおすすめ