旧車にあるもの

アパートに住んで居た頃、お隣さんのご主人は女房殿の同級生だった。
彼の愛車はハコスカのＧＴ－Ｘ。
Ｌ２８改のエンジンが載り当時モノのＲＳワタナベ＋ワイドタイヤの車高短。
言わばＧＴ－Ｒ(レーシング)ルックの公認の街道レーサー仕様だ。
今は家庭の事情でガレージで眠っている。

オイラのＢＮＲ３２を見て彼の反応は早かった。
「イイですねぇ」とお互いに言っていたモノだった。

数年前、そんな彼のハコスカのサイドシートに乗せてもらった事があった。
彼は言った。
「今のクルマの方が俄然性能はイイでしょうね。でも、こっちの方が面白いんです。」

ソレックスのギャブレターからなる吸気。
タコ足からデュアルマフラーへのサウンド。

確かに面白いのである。
サイドシートに座っていただけでもオイラにそれが伝わった。

今のクルマに無い面白さ。

クルマも技術が進み不自由さは消されて行く。
しかしながらあの面白さも忘れ去られて行くように思えるのはオイラだけだろうか？

オヤジさん達は昔話。
トヨタ２０００ＧＴ、サバンナＧＴ、サニー、セリカＧＴ、２４０ＺＧ、１１７クーペ・・・・
「今のクルマは高いだけでつまんねーよ」だってサ。