MEMORIES　#15

～雨の日と晴れの日のこと～

女房殿のお腹が大きくなった２０００年２月の頃。

オレと二人で富士宮オートバリューに行った。

数日後、オレのスカＧを出した。
エンジンオーバーホール大作戦だった。
１０万ｋｍを超えたＢＮＲ３２はもうエンジン、小部品にヤレが見られたのだ。

決断は２０００年を迎えた時だった。
オレは女房殿に言った。
「もう１０万ｋｍ。子供が生まれる。生活は苦しくなるのはわかっている。ＧＴ－Ｒ売ろうか？」
女房殿は答えた。
「それでいいの？あんたのＧＴ－Ｒでしょ？乗っていなよ。好きなのわかっているからさ。がんばろうよ。」

ＧＴ－Ｒを出すと、身延線源道寺駅に歩いて向かう。
電車を待っていると土砂降りの雨が降ってきた。

手元にＧＴ－Ｒがいない・・・・
それがどんなに寂しいことか知った。

１ヶ月が待ち遠しかった。

３月。それは快晴の日だった。
二人でオートバリューに行った。
エンジンルームがピカピカだった。

二人で家に向かう。

「次は赤ん坊だな。」

女房殿は笑った。