N-JUNKIEはアマチュア・ミュージシャン　その19

～ごめんね、Ｋ先輩～

中学２年になると４人の女子の後輩が入ってきた。
先生もＩＫ先生になった。

ＩＫ先生は隣の学校にいたのだが、他に吹奏楽の顧問の先生がいて、その手腕は日の目を見ることはなかった。
こちらに赴任してきて指揮を振る。
スゴイ迫力だった。

相変わらず鬼のようなＫ先輩。
「あたし、絶対アンタをスネアドラムにしてやる！」と言った。
バスドラムをやってもＮ－ＪＵＮＫＩＥは自信が無かった。
先生に叱られた。
「どうしようもないな！アイツは！！」だれもがそう言った。

後輩たちがいたにもかかわらず情けないＮ－ＪＵＮＫＩＥだった。

コンクールのとき、Ｋ先輩はこう言った。
「アンタじゃとても任せられない。ティンパニーやりな。本当はアタシがやりたかったんだよ！！！」

Ｎ－ＪＵＮＫＩＥは何も言えなかった。

遂にＫ先輩が引退した。
最後に手紙を貰った。

「あんたにありがとうって言いたくて。２年間、わがままな私についてきてくれてありがとう。教えるのが不器用だから叩いたりして。後輩たちを頼むよ。お願いだからできるようになって。」

その手紙の一部に一滴の水滴の跡があった。

Ｎ－ＪＵＮＫＩＥは返事を書いた。
「先輩、ごめんなさい。先輩が本当にやりたかったティンパニー、オレがスネアドラム下手クソだったから、ずっとやらせてしまいました。これからできるかわからないけど、がんばってみます。ありがとうございました。」