
~ヤマ越え ~
睡眠不足もあって少しは眠れたけれどまだ足の痛みは激痛のまま。
座薬、点滴、飲み薬。
痛み止めは使用限度がある事を知る。
点滴の影響か、ペットボトル飲料をあまり口にしないけれどトイレが近い。
車椅子の乗降、慣れてきたせいもあってコツを掴んだようだ。
マッサージのコンプレッサーが静寂の中に響いていた。
静寂?
同部屋の親父さんのイビキといい勝負か(苦笑)?
看護婦さんの巡回、真夜中でもちゃんと対応できているオイラでもあった。
浅い眠りだったらありゃしない。
真夜中に2回ほどトイレに起きる。
ベテラン看護婦さんが対応する時があるけれど、下手な甘えは通じない。
さすがにわかっているんだね。
2021年2月26日。
3日目の朝を迎えた。
無精髭が伸びているが、やろうとしても痛みで集中できない。
体温高め。
術後はしばらく体温高めが続く。
ベッドから動かなかった事もあるのだろう。
いつもなら絶対に物足りない筈の食事の量なのだが十分満腹感を得られる。
看護婦さんは数時間ごとに交代。
十人十色とは良く言ったもので色んなタイプの人が居る。
逆にソイツが面白い。
少し傷みが引いてきたように感じ取ったのはお昼過ぎ。
回診の若い先生がやってきて傷口の消毒とドレンチューブの除去。
コイツの痛みがまたこれまでの痛みとは違う痛みが待っていたのだ。
「アレ?コレ、ヤバくね?」
のおおおおおお!!!!!
何がヤバいんだ!?
帰り際、シャレの意味で看護婦さんに「何がヤバいの?」と聞いてみた。
真顔で即答。
「そんな事言ったっけ?術後の水膨れは誰だってできますよ。」との事。
・・・・・・。
Nジャンさん、ドン滑り・・・・・・。
おいおい、かつてのTVタックルの「たけし」氏と「丸川珠代」さんのやりとり)コント)じゃないんだからサ(爆)。
外は雨が降っている。
今回の入院では初めての雨。
いよいよ午後から次のステップが始まる。
まずはエコー検査。
足に血栓があるかないかの確認。
担当の先生の語り口調はぶっきらぼうでコントの時のお笑い芸人「中川家」の礼二氏に話し方が似ていた。
だけど話の要点、筋がしっかりしているから会話は成立していた。
「面白い先生がいるね。」
その後に向かったのはリハビリ。
まず出来る足の角度を確認。
「目標は踵がお尻につくくらいです。」
正座レベルだね。
だけど気が遠くなった。
90°まではイケたけれどかなりキツい。
その後、軽いストレッチを行うが、まぁ情けないくらいに動かない。
2~3コのメニューを確認。
まぁ、初日だからね。
すると、肩のリハビリの時の担当者さんとお会いした。
「ご無沙汰しています。」
「あら、Nジャンさん。」
今日のリハビリは終了。
車椅子のコントロールを軽く練習。
車椅子のコントロールの難しさを知るけれど、コツを徐々に掴むと段々慣れてきた。
部屋に戻って膝の折り曲げを機械で2時間。
「45°というメモ書きがありますけど、下で90°まで曲がるという情報を得ました。」
という若い女性担当者サン。
思わず「君はSだろ(笑)?」と言ってしまった(笑)。
「今日はとりあえず55°までにします。次から増やしますよ。」
「やっぱりSだ。」
一通り今日のメニューをこなし、再びベッドの上。
足の痛みは朝程ではない事に気付く。
だけど痛いままに変わりはない。
一応、夕食時、痛み止めの薬を出してもらった。
自分でもわかるまだ体温が高い事。
術後はそうだということくらいわかっちゃいるのだが…
担当の先生が回診に来てくれた。
「普通の手術ができました。」
「ありがとうございます。」
少々の説明を受けて「お大事に。おやすみなさい。」と…
しかし臆病な自分。
「ちゃんと元のように歩けるようになるだろうか。」
「元のような左足になるのだろうか。」
どこかでそんな事を思っていたのであった。
情けねぇなぁ、自分。
だけど激痛が収まってきた。
ヤマは越えたようだ。
~ つづく ~
ブログ一覧 |
ドキュメント Nジャン | 日記
Posted at
2021/02/26 20:48:42