Ｎ－ＪＵＮＫＩＥっていうヤツ　その62

～山形のお婆さん　前編～

子供の頃から可愛がられたよ。
オヤジのオフクロ。
滅多に会えないものだからめちゃめちゃ可愛がってくれた。

２２の時。単独で尋ねたことがあったよ。
もう会えないかもしれないって思っていたから。
彼女はもう９０歳になろうとしてたからね。
行けば思いっきりいつもの調子で可愛がってくれる。

オレは家に帰るとき、お婆さんはもう駅まで送れなくなるほど体力が衰弱してた。
夜行列車、オレが乗り込んでベッドに横たわると涙が溢れてきた。
「もう会えないって何で勝手に決めてんだろ？また会いに来よう。絶対・・・・。」

２４の時、夏にまた会いに行った。
お婆さんはもう立つことも大変そうだった。
それでも可愛がってくれた。話をしてくれた。

うれしかった・・・・。