Nジャン(N-JUNKIE)のブログ一覧

～あっけない幕切れ～

それは夜勤明けの事だった。

日本はバブル景気に沸いた。
マークⅡやクラウンなどの高級車が売れに売れた。
日本は金余りと言っていいほど裕福に見えた。

Ｎ－ＪＵＮＫＩＥの仕事では生産が追いつかなかった。
夜勤でも残業があった。

ある日、組合の会合が本社であると全員参加の通達があった。
その日の仕事終わりは８：００だった。集合時間が１７：００。
ふざけた会社だった。「島田ならすぐに行けるから。」と上司が言った。
ふざけるな。オレは藤枝の人間だ。これじゃ寝る時間も無いじゃないか。
Ｎ－ＪＵＮＫＩＥは怒りに震えた。

会社を出て慌てたＮ－ＪＵＮＫＩＥ。
いつもよりアクセルを踏んだ。
小さな山の頂上。左へ曲がるゆるいカーブだった。
タイヤが軋んだ。
次の瞬間・・・・・・。
コントロール不能。山へぶつかった。スカイライン・ジャパンは引っ繰り返った。
Ｎ－ＪＵＮＫＩＥは「オレは死んだ」と思った。

クルマが止まった時、Ｎ－ＪＵＮＫＩＥは目を開けることが出来た。地面が上にあった。
会社は大騒ぎになった。

Ｎ－ＪＵＮＫＩＥはＪＡＦを呼んだ。
販売店へクルマを運んだ。
電車で家に帰った。

家で両親から激しく怒られた。
当時高校に通っていた妹が言った。

「兄キにもらった高校入学の時の腕時計。学校に行こうとしたとき金属のベルトが切れた。」

終わりはあっけなかった。大事にしていたはずのスカイライン・ジャパン。心にスキがあった。
スカイライン・ジャパンは終った。

Ｎ－ＪＵＮＫＩＥはムチウチで病院に通った。
「この程度で終ってよかったんだぞ！馬鹿野郎！！」
親父が言った。

「締めていたシートベルトに助けられた」と思った。

～ヤマハＴＺＲ２５０～

カワサキＫＲ２５０は確かにいいバイクだった。
しかしヤマハ党のＮ－ＪＵＮＫＩＥは自分の心にウソがつけなかった。

中古のＴＺＲ２５０を買った。
本音はヤマハＦＺＲ４００Ｒが欲しかったが４００ｃｃともなると保険も高いし税金も上がるし車検まである。

３０万円のＴＺＲ。
友人から譲ってもらったヘルメットにクシタニのブルゾン。

だけどすぐに心が冷めてしまった。

やっぱりクルマが好きだった。

それでもＴＺＲに乗っていた。これでバイクは終わりにしようと決めていた。

～欲しいクルマと新車購入する中間達～

スカイライン・ジャパンのトラブルは続いた。
もう限界だと思っていた。
Ｎ－ＪＵＮＫＩＥ、２０歳。

本当はケンメリＧＴ－Ｒが欲しかった。だけどどう考えたって購入は無理だった。タマ数が少なく相場は５００万円～
だったら普通モデルならと思ったが既にマニア向け意外のマーケットは尽きていた。
親にも反対された。古いクルマはやっていけないと言われた。

目に付いたのは７ｔｈスカイラインがマイナーチェンジした時のあのホモロゲモデルＧＴＳ－Ｒ。

日産プリンス藤枝店に行った。買えないとわかっていたけど何かを知りたかった。
ＧＴＳ－Ｒは既に売り切れ。
一般モデルＧＴＳ－Ｘターボを見積もった。３００万円。
買えなかった。

友人に誘われたので「つま恋」へ行くことになった。ヤツは出たばかりのＳ１３シルビアを買った。羨ましかった。本人も気に入っていた。

彼と帰りにビリヤードへ行った。同級生達に会った。
Ｎ－ＪＵＮＫＩＥはパーソナル無線を持っていたが、彼らも持っていた。「じゃあ、やろうか？」と言う事になって楽しかった。
シルビアの友人は影響を受けてパーソナル無線を買った。
ビリヤード場で会った友人はＵ１２ブルーバードＳＳＳ　ＡＴＴＥＳＡを買った。

何も出来なかったＮ－ＪＵＮＫＩＥは悔しかった。

～カワサキＫＲ２５０～

父親の会社の業者の従業員の一人がこう言った。
「お宅の息子さん、オレのバイク乗ってくれないかな？１０万円でいいよ。」
迷わずＮ－ＪＵＮＫＩＥは買った。
本当はヤマハ党だけどモノには替えられないのである。

カワサキＫＲ２５０。
ご存知の方も多いと思うが２ストのレーサータイプ。
タンデムツインと呼ばれる前後に並んだシリンダーが特徴。

初心者がいきなりこんなバイクに乗った。
当時の２ストバイクはピーキーでエンジン始動はよくプラグがカブった。そうなると押し掛けしかない。
交差点などで油断をしているとエンジンが止まってしまう。

親父がかつて乗っていたカペラロータリークーペを思った。

それでもこのマシンは恐ろしくパワフルだったように思う。

～親父のスープラ～

時々親父のスープラを借りた。
前にも述べたが２０００ＧＴ・ツインターボ。
新車気分を味わった。

デジタルメーターは慣れるまで大変だったが慣れれば見やすいものだった。
だけどＮ－ＪＵＮＫＩＥは針のアナログメーターが好みだった。

ロングノーズは前が見難い。夜、リトラでヘッドランプを点ければ尚更感覚が変だった。

ＡＴだったのでパワーモードでアクセルオン。エンジンが唸る割には前には進まなかった。

Ｎ－ＪＵＮＫＩＥは率直に言って好みじゃなかった。
やはりスカＧが好きだった。

会社に乗っていったら周りは驚いていた。
だけどＮ－ＪＵＮＫＩＥはどこか冷めていた。

Ｎ－ＪＵＮＫＩＥは、あまりスープラに乗りたくなくなっていた。