
サーキットを暴れまくったスカイライン。
歴代スカイラインの中でサーキットにワークスとして登場しなかったモデルがある。
C110系、C210系、V35である。
GT-Rに至ってはKPGC110が試作されるも登場しなかった。
60年代後半~70年代初頭。「ハコスカ」の愛称で知られるKPGC10型スカイラインGT-Rはサーキットを圧巻。
50勝という金字塔を作り上げたのはあまりにも有名な話である。
だが・・・KPGC10の晩年は軽量コンパクトに優れるマツダのロータリー軍団(ファミリア・カペラ・サバンナ)に押され、遂にサバンナGT(RX-3)にトドメを刺されてしまう。
市販モデルはC110型にモデルチェンジ。
「ケンとメリーのスカイライン」でCMがヒットし、売上を一気に伸ばすことになった。
モータースポーツファンは「GT-R」に着目していた。
1972年の東京モーターショー。
「スカイライン・レーシング」として日産ブースに展示された試作車があった。
それがGT-Rであることは誰の目にも明らかだった。
迫力あるワークスフェンダー、樹脂で覆われたフロントマスク。
だが・・・・
市販車は、わずか197台で生産中止(2台のレーシング試作車を含む)。
石油ショックの影が落としていた。
手持ちの名機S20エンジンの在庫が切れたためとされる。
S20エンジンは排気ガス規制に対応できなかった。
レーシングモデル。結局サーキットに登場することは無かった。
ホイールベースの延長、車重増加。
「マツダ・サバンナに闘えるクルマじゃない。」と日産プリンス自販の宣伝部門が猛反対したという。
今現在、イベントなどで持ち出されるKPGC110型レーシング・プロトタイプモデルは、今現在「日産自動車 座間記念庫」に置かれている。
我々一般人はイベントなどで見る事しかできない。
ただこのクルマ。スピードメーター、ウッドシフトノブを見ると市販車改造という所が見て取れる。
レーシング試作車は2台存在する。
その1台はこの深いグリーン・メタリックである。
もう一台はモーターショーで高橋国光氏と写っているブルーのモデルであると噂される。
このクルマがサバンナを敗り、また伝説を残す事をスカGファンは夢見ていた。
ただ、運という追い風が吹かず、不運の向かい風が強く吹かれたのである。
Posted at 2006/09/16 19:36:32 | |
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スカイライン | 日記