
先にチェリーの事を書いたのでこんなネタを思いついた。
2代目
サニー(B110型)と初代
チェリー(E10型)の頃。
日産が大衆向け小型車として企画した初代サニーが登場すれば、すぐに後を追ってトヨタがカローラを登場させて、あのサニー・カローラ販売合戦を展開。
日産らしい技術を盛り込んで登場させたサニーと、技術よりアクセサリーをノせてきたカローラだった。
サニーとカローラの販売合戦は過熱していき、カテゴリーは事実上の昇級。
「日産エントリー」となるスタンダードモデルは空洞化する事になる。
トヨタはそこに「パブリカ(後のスターレット、ヴィッツとなる。ヤリスのご先祖様なのだ♪)」がある。
そこで日産は新型小型車の開発を旧プリンス自動車陣営に任せた。
日産に吸収合併する前のプリンス自動車は既に自社で小型FF車の開発を企画していたという。
名機と名高い直列4気筒OHVエンジンのA型。
サニーに搭載され実力を証明。
そのA型を横にマウントしてFFレイアウトの「チェリー」が登場。
ベーシックなFRレイアウトのサニー。
弟分である筈のチェリーだけど、後輪へ行くドライブシャフトを持たないのでサニーと同等レベルの居住空間を持ち、軽快に走る事となった。
そしてサニー、チェリー共にタイミングはズレていたけれどクーペモデルが登場する。
面白いのはモータースポーツでの活躍だった。
先に述べたベーシックのOHVエンジンのA型。
これがチューニングするとブン回るシロモノ。
対抗してきたのはトヨタのカローラとスターレット。
DOHC(ツインカム)エンジンを搭載し、凝ったメカニズムでサーキットを圧巻するかと思われたらしい。
しかしそんなライバルを尻目にサニーの快進撃は続く。
プライベーターのサニーがワークスのカローラを全車やっつけてしまったという逸話もある。
チェリーも現れた。
レーシング・チェリーはサニーより50kgも軽い。
サニーと同等近く走れるも、FFレイアウトという事もあり強烈なタックインとアンダーステアに手を焼くドライバーが続出したという。
そこで登場するのが星野一義さん。
本人は後に「だって他のクルマが回ってこなかったんだもん。アレはもう勘弁してくれ。」と言っていた(苦笑)。
だけど雨でも降ろうモンならメチャクチャに速く他を寄せ付けなかったという。
しかし石油ショックで国産メーカーによるワークス活動は休止。
それでもレースは続き、モータースポーツ登竜門として愛されたサニーとチェリー。
チェリーは姿を消したが、サニーはその後もモータースポーツで大活躍。
ホモロゲーションが切れる82年までサーキットで活躍していた。
市販車のB110型サニーはトラックが残り、なんと90年まで販売されていた。
サニーはやがてFF化され、チェリーはパルサーに代わる。
最後には姉妹車になり、現在は消滅してしまった。
「技術の日産」の如く出来の良かった両車だったけれど、「販売のトヨタ」のように一般的なユーザーのハートを掴むことは出来なかった。
Posted at 2020/03/08 00:53:50 | |
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