
正月が 近づくと 思い出す、 二年前の 一月 五日 弟が 突然 倒れた。
二万人に 一人の 確率で 発症する 病だった。
私達は 主治医に 呼ばれ 大変危険な 状態である事を 告げられ、彼に それを 知らせないように
言われた。 しかし 彼は 自分の レントゲン写真を 見せろと 集中治療室のベッドの上から 訴えていた。 私は 主治医の 進言を 撥ねて 写真を 彼に見せた。 私なら 見るだろうし、 私達 兄弟は
そうあるべき 環境で 育った。
弟は 私が かざした写真を 見て 「これは ひどいね」 と言って かすかに 笑った。
そして 辛うじて 動く 左腕で 動かぬ体を 叩きはじめた。 彼の腕を 掴んだ私は 彼の頬につたう涙を
初めて見た。 悔しかったんだろうと 思う。 動かぬ体ではなく 自分が その病に 犯されたことに。
彼は 医師で スタンフォード大学に留学中には この病を 研究していたらしい。
彼は 研究医で 直接 患者に接することが あまり 無かったのだが、 病が 彼に 患者を 知らしめた。 患者の苦しみ 悲しみ、 そして 家族の それを 身をもって 経験したのだ。
たとえ 生還出来ても 重い後遺症が残る 病と 彼は この瞬間から 向き合い始める。
約二日の 峠越えを 果たすと 大量の ステロイド投与に 耐え、 転んでも 助けを 借りずに 立ち上がる 地べたを 這いながらの リハビリを 敢行したのだった。
沢山の 同僚医師や 友人 そして家族の 励ましに 応え 二ヶ月後 奇跡の生還を 果たす。
見舞いにきた 若い 美人医師が 彼に 抱きついて 大泣きしたのには 母共々 驚いた^^
人望厚いんや^^と いうより おまえら なんかあるやろ^^ と 母も 感じたらしい^^
今は 仕事にも復帰し、 今までしなかった 外来診療も 積極的に やっている。 噂では 半年先まで
予約で 埋まってる らしい^^
人は 地べたを 這いずり、辛酸を舐めてこそ 強くなれることを 立証してくれた。
強さが すべてではないが 強さは 優しさであり 美しくもあるのだと 思う。
ともあれ 若干の 麻痺が 下肢に残ってるとはいえ 歩け、走れる。 なにより 愛車の ポルシェを
駆ることに ご満悦だそうだ^^ 残念なことに ティプトロニックなんだなぁー、これが^^
Posted at 2011/12/04 01:38:25 | |
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