
キューズ・モール、 天王寺に 出来た 大型ショッピング街。 その向かいには 超高層の 近鉄デパートビル が 骨組みを 露わに 空へ 伸びている。
街並みは どんどん 変わってゆく。
でも 道は 30年前と 変わらず 記憶通りに 走っている。
動物園から 環状線の レールに沿って 新今宮へ 下る 道。
20年前、 夏の終わりに 落ちてゆく 大きな日が 雲を 赤く染め、その道にも 長い影と 赤いひかりの
コントラストを 見せていた。
夕焼けが 大好きな 私は しばし 坂の上に クルマを 止めて 煩雑な物まで 綺麗に見える 奇跡のショウを 楽しんでいた^^
小さな点であった 物陰が 何であるか 分かるまで 坂を 上がってきた 時 夕焼けより そちらに 気が いった。
頭に 手ぬぐい メリヤスシャツに 作業ズボンの オッサンが 古紙を 満載したリヤカーを 引いて上がってたのだ。 長い坂ゆえ 大変 疲労している 様子であった、 が!
その前に 大きな犬が ロープでもって リヤカーを 引いている。 しかも オッサンは 棒のような物で
懸命に リヤカーを 引っ張る 犬の背を もっと引けとばかりに 叩いていたのだ。
なにすんねん!おっさん!犬かわいそうやろ! 思わず 叫んでしまった。
私の 怒りの 視線を よそに オッサンと 犬は 坂の上に 到着し、 手ぬぐいを 取って 汗を 拭い、
地べたに座って 休憩を し始めた。
リヤカーの もち手に ぶら下げた 袋から 水筒らしきものと ひとつの コッペパンを 取り出した。
そして パンを 二つに 裂いて 明らかに 大きい方を 犬に 与えたのだった。
嬉しいわけでも 悲しいわけでも 夕日が 眩しいわけでもなく 涙が あふれた。
オッサンと 犬は 共に生きる 相棒、 いや 家族なんだなぁー て感じた。
嬉しそうに パンを 食べる犬、 それを 笑みを浮かべてながめるオッサン、 それを クルマの中から
嗚咽しながら 見る 私。 オッサンと 犬は幸せなんだ。 彼等は その日の 夕焼けより 綺麗であった^^
街は 日ごとに 変わってゆくが、 人の 生業というものは 変わらない。 もちろん 人と 犬の 関係も。
家族や 友人、 すべての 人や すべての 生き物においても。
そのときは 自分の 弱さゆえ 泣いたのだと 自分を 責めたが、 今も 彼等を 見て 泣ける自分で
あって欲しいと 願っている。
Posted at 2011/12/05 23:50:57 | |
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