
「彫塑(ちょうそ)」という言葉があります。一般的には(広義に)彫刻と呼ばれる立体の造形作品(製作)のことですが、その製作方法を大きく2つに分け、木や石のカタマリから彫ったり刻んだりする方法と、粘土などで芯から盛り上げていく方法を言います。狭義の「
彫刻」は前者を指し、「
塑造(そぞう)」という言葉は後者を指します。
あくまで大雑把な捉え方ですが、
彫刻は緊張感がありシャープなイメージ、
塑造はボリューム感があり大らかなイメージです。
レガシィが20周年と言うことと、FMCの姿が少しずつ見えてきたのでこの数日考えてきたのですが、レガシィのエクステリアデザインはこの
彫と
塑を行ったり来たりしているような気がしてきました。
彫のデザインは無駄な部分を削りっていく作業、その結果見えてきた最終的な面をキレイに均すのにも、最後の一削りが必要で、結果緊張感のあるカタマリになります。機能性、賢さ、シャープさ、といったワードが似合いそうです。失敗すると外板があっという間に凹み、穴の開きそうな貧素で薄っぺらい印象になりかねません(笑)
塑のデザインは各所のバランスを見つつボリュームを増していく作業、最後の整形のためにももう一層ボリュームが増え、結果ゴージャスなカタマリになります。高級感、強い押出し感、艶っぽさ、というワードが合いそうです。失敗するとオーデコロンぷんぷんの下品(ただし多少金持ち)おやじに(笑)
で、歴代レガシィを彫←→塑で並べてみたのが上の画像です。
極限まで贅肉をそぎ落としたような初代アルシオーネを
彫の原点、内部空間という芯に文字通り粘土を盛りつけて出来た360を
塑の原点として見ると、初代レガシィは
彫のデザイン。(間に少し
塑の要素を加えた2代目ブーレイ・レガシィをはさみ)3代目は
塑のデザイン。4代目のBP型になると贅肉をこそぎ落としてまた
彫のイメージになり、次のレガシィでは
メタボ化 ボリューム感を増して
塑のイメージに・・・。
個人的には
彫のイメージが好きなので、次回作はあまり期待していないのですが、まあなんと言ってもこういった戯れのデザイン考が出来る長寿モデル、という点素晴らしいのかなと思います(笑)
ちなみに私の好きな
本上まなみは
彫・・・でも
塑の王道をいく
川村ゆきえも好きです(
塑でもタレ目ならOKなのですw)
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★徒然に車のことなど | クルマ
Posted at
2009/03/26 00:55:55