
飛行機の話ですが、もしもあなたが車の諸元表を見ながら、車重を馬力で割ってパワーウエイトレシオを求めたことがあるなら、興味を持って頂ける「かも」知れない話題ですw。
戦闘機開発の話を読むと、必ず出てくる言葉が「
翼面荷重」という言葉です。これは簡単に言うと、
飛行機の重さ(kg)を
主翼面積(平米)で
割った指数(kg/平米)のことです。言い換えると、揚力を発生する主翼1平米当たり、何kg荷重がかかっているかを示しています。
簡単な数式で求められる翼面荷重ですが、これが何の指標となるかというと、その飛行機の機動性、特に「ヒョイと上昇」したり「クルリと旋回」したり出来るかが分かります。翼面荷重が低ければ低いほど、機動性が高いという事になり、特に水平面での格闘性能に優れていることが期待出来ます。
逆に翼面荷重が高いと、最高速度、加速性、上昇率が優れていることが期待出来ます。(正しい認識としては、これらの項目は主にエンジン出力に影響される項目で、出力が大きいエンジンは重い→結果的に翼面荷重が高くなる という事です。)
左上のグラフは私の(少ない)資料から、日本陸軍機の翼面荷重を求め、最高速度との関係をまとめたグラフです。(資料によって特に重量、最高速度の数値に諸説あるので、全体の傾向として見て下さいませ。)きれいに右上がりの直線に全ての機体が並んでます。参考までに米軍機3機種、独軍機1機種プロットしていますが、いずれも同じ傾向が見られます。(実はこのグラフを作るまでこんなにきれいに並ぶとは思っていませんでしたので驚きましたw)
ただしそれぞれの機体の開発時期を考慮すると、例えば「隼」はBF109、P-39、P-40と同時期ですので、明らかに日本機が格闘戦重視(=速度劣勢)だったことが分かります。「飛燕」になってやっと世界の趨勢に追いついたことが分かります。とはいえ、「隼」と同時期に開発された「鍾馗」は充分トレンドに乗ったものだったことも分かりますし、「疾風」はバランスのとれた位置にあるように見えます。
一般的に格闘性能を重視=低翼面荷重といわれる日本の機体もこうやって眺めると正常進化していたという感じがします。ここにはプロットしていない海軍機については、軍がメーカーに細かいところまで干渉し、翼面荷重の具体的な数値まで指定していたということあり事情が違うかも知れませんが。
もっと細かいところを見ると興味が尽きないのですが(笑)今回はこの辺で・・・。(またこのグラフを持ち出して書くかも知れませんがw)
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Posted at
2006/04/11 12:13:22