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2010年05月23日

★お客様至上主義、という進化論

★お客様至上主義、という進化論  進化論的には「進化≠進歩」であると書いたことがあります。進化というのは「生物はその置かれた環境に、より適合したものが生き残る確率が高く、結果子孫が増える」ということで、進化そのものに何らかの方向性があるものではありません。

 例えば、光りのない洞窟で生活するようになった生物は、その先祖達が何万年もかかって築き上げた精緻な目、という器官を比較的短期間のうちに失ってしまう、ということもあります。それを「退化」と呼ぶこともありますが、「退化」は「進化」と対になる概念ではなく、進化に完全に含まれる一つのパターンに過ぎません。たまたま「光りがない」という条件(淘汰圧と言います)が、他のものよりずっと大きかった、というだけです。

 車、というものについて考えると、かつて車を作る時に最も大きな条件になったのは「走る、曲がる、停まる+安全」という車本来の機能の追求でした。その条件(淘汰圧)が「良い車は売れる(利益が出る)」ということと同義であった時代だったと言えます。この時は一般的な進化論に反し、進化=進歩という構図が成り立っていました。

 しかし今は違います。「お客様至上主義」という淘汰圧が、車の開発にゆがみをもたらしているような気がしてなりません・・・「少しでも長く回生ブレーキを使って燃費を良くする」「低速時には小さな舵角で沢山曲がると便利」というような「お客様の声」を至上とした開発がまかり通っています。

 それは「現在の状況=お客様の声に合致した車を作る。そしてそれが売れ、その車が生き残る」という極めて進化論的な論法ではあります。しかしそれは同時に、精緻さを増して来た機能(例えば生物の「目」など)でも、不要であれば捨ててしまう、という事も起こりうる状況でもあります。
 
 車作りのプロフェッショナルは、「進歩」の方向性をまず第一義とし、それを阻害しない範囲で「お客様の声」という淘汰圧をバランスを持って受け入れるべきです。全てを「お客様の要望ですから」と言ってしまう状況にはプロフェッショナルの存在理由はありません。

 私は、命を預ける車については、「お客様至上主義」が水戸黄門の印籠のように全てに優先した車には乗りたくありません。それは極めて進化論的ですが、進化論のもう一つの側面を忘れる事は出来ません・・・曰く「動物は普通生き残れる以上の子供を生む」ということ。つまり、中には死ぬ子供もいるということです・・・そしてそれには実在する人間が乗り込んでいる、という事を忘れてはいけない、と思います。

この記事は、LSのVGRSについて書いています。
ブログ一覧 | ★徒然に車のことなど | クルマ
Posted at 2010/05/24 00:10:45

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この記事へのコメント

2010年5月24日 18:01
現代社会の色々な方面の問題も含まれている様なお話ですよね。

正常な進化というのは時間をかけて、世代を超えながら受け継がれて行くものだと私も思います。今起こった変化が次の世代に受け継がれて行く事で進化と言われるようになり、受け継がれなければ淘汰の対象になり生き残れないことに・・・。

以下は個人的な意見ですが、
最近の経済社会では、売上の数字を上げる為いかに「付加価値」をつける事ができるのか、という事ばかりを求めていて、「適応し易いシンプルな態勢」というものをどこかに置き忘れってしまっているようにも感じます。

一連の進化の様にも錯覚する「付加価値」は突然変異であり一代雑種のように繁殖力の無いものである事を祈ったりします。
コメントへの返答
2010年5月25日 0:34
結局、世の中のありとあらゆる価値観に、優劣も、主従もなく、ただ単に横一列に選択肢が並んでいるかのように感じる、主体性のない客のせい、なんだろうとは思います。

ただ単なる付加価値、なのに、それが第一優先で、それ以外が目に入らなくなる、というのが問題なのかなぁと。

スバルのエクシーガが発売された時ディーラーで聞いたんですが、スライドドアを採用しなかった理由は、そうすると100kg以上重くなるからだったとか。

個人的には、「ハンドルのセンター位置は不動」という原則があって、でも「5度ずれるだけなら新しい機能を付けてもいいかな?」という付加価値のあり方なら納得出来るんですが。

現代は価値観が多様で、例えば親は子供にいったい何を教えればいいのか?ものすごく難しい時代ですよね(それが私が子供を作らないことにした理由の一つですがw)
2010年5月24日 23:18
こんばんは。

「お客様至上主義」自体は結構なこととしても、
その名の下に、はじめから客を見切ったような仕事が見受けられるのが
最近気になりますね。
よく言われる「クルマの白物家電化」なども
同じ文脈で私は理解しています。

とは言え、そこまでの話なら
「それのどこが悪いんだ」も1つの主義主張かもしれませんが、
VGRSの件は、続編の投稿によると、
ステアリングにズレが生じる事は当初から認識されていて
取扱い説明書に予め書かれてあったそうです。

もしそれが本当ならば、それはもはや
進歩はおろか進化にも値しない所業だと思いますね

コメントへの返答
2010年5月25日 0:41
こんばんは。

そうそう、「どうせ、素人にはわかんねえだろう」って感じのまやかしは腹が立ちますよね。4WDだって屁みたいな(失礼!)システムに「○○4WD」とか横文字の名前を付けるメーカーにはウンザリです(笑)

本来モノの作り手には譲れない信念があって、それを外れたもの(技術が熟成していないとかも含め)は拒否して欲しいですよね。

素人の思いつきにNOと言えない(と思っている)メーカーはすぐに信用を失うのに。

取説に書けば良いだろうと思うメーカーと、取説すら読まない客が、手に手を取り合ってくだらない白物クルマが量産されて行くんでしょうね(笑)



2010年5月25日 2:46
仰る通りだと思います。
最近の「売れれば良い」と言う考え方が正義になっている状況は深刻ですね。
もちろん、良い車なら何の問題もないのですが「お客様は神様です」的の安易な車作りには辟易します。
メーカーにはもっとプライドを持った車作りをして欲しいですね。
コメントへの返答
2010年5月25日 22:40
そうそう、作り手のプライドが欲しいですよね。

もちろん、「売れればいい」という風潮を蔓延させた最大の犯人は、無自覚な「お客様」なんですよね。
自分の価値観もスタイルもなく、ランキングを崇拝し、物事を深く考えようともしない安易な「お客様」のレベルがそのまま製品に反映されている、という気がします。

・・・て、毎回うざったいブログを書く言い訳ではありません(いえ、そうですw)
2010年5月25日 22:52
前世紀初頭、各国が繰り広げた航空機開発競争では”より速く、より高く、より遠くへ”という明確な目標があって他産業を巻き込みつつ急激な技術の進歩をもたらしました。自動車産業も始めは確かに明確な目標がありましたが、成熟期を過ぎた今は”正常進化”の意味すら考えず、ひたすら他社を出し抜くことに専念して迷走しているように見えます。

毎日起きてる事故も”車に乗るという行為は危険に身を晒すということ”と教えられた世代には考えられないような原因が大半です。TVゲームじゃないんだから事故ったら痛い思いをするのを忘れた輩に合わせてレベルを下げる必要はなく、車は人が動かしてるんだと自覚させる車造りが肝要かと思います。
コメントへの返答
2010年5月26日 0:59
クルマの存在意義って、極言すると「速く走れる」という事じゃないかと思うので、その部分を極めようとしている(と感じられる)クルマはやっぱり気持が良いなと思います。

今回の2つの問題は、実際のところ、取説があり、そこに書かれていることを読んで、操作すればいいことだ、ということのような気もしますが(笑)
・・・いや、やっぱり人間の操作感と、クルマの挙動は合致していなきゃイカンという原点の問題ですよね。

お客様は取説も読んでないなぁ、メーカーは原点を逸脱しすぎだなぁ、という気がします。どっちも不幸だなぁw



2010年5月26日 5:54
こんにちは。
 ものつくりの精神よりも「商」品であることを優先して自動車を考えることが優先されてしまうとこういうことになるのかなぁと思います。
 かつてカービューで新型パッソのレビューを読んだ時にも感じたのですが、「安全は自分でなんとかするからそこそこのクルマを安く出してよ」的な思想、商いの発想としてはありなのかもしれませんが、自他の生命の安全を委ねる道具にこうした発想を持ち込む企業姿勢に強い不信感を持ちました。
 本質的に正しくない安易な思想を持ち込んでものをダメにしていく…クルマも政治も何もかも、私達の世代がもっともっとみんなでしっかり考えて、中長期的な視点を持って適切な進化なり進歩なりを考えなくてはならないように感じました。
コメントへの返答
2010年5月26日 22:40
こんばんは。
モノを作る人と、それを売る人がいて(これは人類の歴史と同じくらい昔から続いてきたことですが)だんだん、モノを売る人の力が大きくなって来た、ということかもしれませんね。

ものすごく単純化すると、商い上手なイメージの国や民族より、頑固な物作りをするイメージの国や民族の方が、信用出来そうな気がします(笑)

「お客様」である自分たちは、特別な事をする必要もなく、買い物をする時にただ少し吟味するだけで良いはずなのに、それすらしない、ということに違和感を感じます。

さてと、次は何を買おうかなぁ~って考えるのは楽しいはずなのに、不思議ですねw

プロフィール

「◎堂平山初登頂と荒サイグループライド http://cvw.jp/b/122372/46997535/
何シテル?   06/02 08:25
アウトドアマンを自負するが、 この数年キャンプをしていないし、 この数年リフトに乗っていない。 釣り師を自負するが この数年ラインを交換していないし、 ...

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