
またもや寄り道をしてしまいました(笑)今回は、知る人ぞ知るマイナーな機体(私も知りませんでしたがw)98式水上偵察機がロールアウトしました。先日UPした「
紫電」のブログにも書きましたが、日本(海軍)は世界に類を見ないほどの水上機王国。しかも運用方法に沿って、多種の機体を開発(しようと)しましたが、この機体もそのうちの一機です。(
ギャラリーもどうぞ)
で、この機体の役割ですが、水雷戦隊(軽巡洋艦を旗艦とし、数隻の駆逐艦によって構成される艦隊。主に魚雷によって攻撃する)に随行(所属)し、夜間雷撃の際に、索敵、接触、誘導、照明弾の投下、着弾観測、戦果確認をする機体として開発が行われたものです。夜間の離着水を容易にするため、フロート付きの機体ではなく、胴体自体で浮かぶ飛行艇の形をしています。機体は低速での飛行安定性を重視した単発複葉で、比較的コンパクトですが、プロペラが後ろにある推進式が特徴的です。昭和11年に11試特殊水上偵察機として試作が開始され、翌12年に初飛行し一定の評価を得て制定されました。
と、こう書くとスムーズな開発に見えますが、実はこの前に2回も試作が行われています。まずは「6試夜間水上偵察機」として6機が愛知で作られ、次に「9試水上偵察機」として川西と愛知が競作し、愛知機が「96式水上偵察機」として制定され(たった)15機が製作されました。
そして、その後「11試特殊水上偵察機」として、また川西と愛知の競作となり、結果愛知機が採用されました。98式水上偵察機として制定されたと言っても生産数は
たったの17機・・・飛行艇としては優秀で、速度、操縦性、離着水の性能など性能要求はクリアしたようですが、演習などで実際に運用してみると、低速にすぎて敵艦隊の運動に対して優位な位置を占められないとか、一度探照灯(サーチライト)に照らされると鈍重すぎて全く逃げられない、といった問題を露呈することとなりました。
これだけの労力と時間を費やして開発された機体ですが、結局のところ実用性が低く、より汎用性の高い
フロート付きの水上偵察機の優位性を証明しただけ終わってしまいました。そもそも、夜間偵察飛行艇という軍側のコンセプト自体が間違っていたということで、実に不運な機体です・・・・そのせいか、一見ユーモラスな形の機体ですが、じっと見ていると、そこはかとなく哀しみを漂わせているように見えてくるのは、私だけでしょうか(笑)
さてと、次回は紫電改を作らないと・・・(笑)
ブログ一覧 |
◇プラモ-日本 | 趣味
Posted at
2007/02/22 22:30:44