
相当マイナーな機体ですが、やっとウエストランド「ホワールウインド」がロールアウトしました。この機体(キット)は先月中旬から不思議な縁を感じて(笑)、製作したのですが、まず初めは暇つぶしの本屋さんで、なんとなく買った「世界の軍用機-第二次大戦編」というムック本で、目に付いたのが始まり。はじめて知った戦闘機で、見た目が(私の好きな)モスキートの小型版のよう(※モスキートの小型版もちゃんとあって、ホーネットと言いますが。)。
次にamazonで届いた文庫本「
忘れられた軍用機」という本でも紹介されていて少し詳しく知ることが出来、そして運命のある日、打ち合わせ帰りに覗いたいつものプラモ屋さんの店頭、段ボールにぞんざいに放り込まれた「袋キット」を物色していると、なんとキットがあったのですね。相当にバッタな風情でしたが即買いました。と言うことで、これはプラモの神が私に作れ!と言っているのだと・・・(笑)
この機体は英国空軍に制式に採用されたウエストランド社の「ホワールウインド(つむじ風)」という機体です。有名な「
ハリケーン」に少し遅れて、「
モスキート」と同時期、第二次大戦の直前の1938年に初飛行をした機体ですが、双発単座戦闘機というその当時の世界的な流行(?)に乗った機体とも言えそうです。しかし、各国の双発戦闘機に比べ、非常にコンパクトにまとめられ、例えば、単発のハリケーンに比べても翼幅は1.5m全長も0.5mほど大きいだけ、双発のエンジンも小型軽量(900馬力級)のものを採用、さらに胴体もその小さなエンジン直径よりも断面積が小さく、軽量小型快速を狙った迎撃用の機体として期待されたようです。(ギャラリーは
こちらをどうぞ)
しかし、残念な事に、採用したエンジン(ローイスロイスのペリグリンエンジン)のトラブル多発に足を引っ張られる形で実戦配備が遅れ、バトルオブブリテンには間に合いませんでした。その後護衛戦闘機として爆撃機に随行するものの、やはり単発高馬力戦闘機には対抗出来ず、やがて戦闘攻撃機の先駆けとして使用されるようになったそうです。
機体自体はとても個性的です。非常に細長い(アスペクト比の高い)主翼は、エンジンの外側まで水平で、その先だけに上半角が付けられています。また水平尾翼も高い位置にあり、細長い胴体に比べて大きな垂直尾翼の中程に十字の形になるように取り付けられています。さらに、コンパクトな機体にも関わらず機首には20mm機関銃が4門も(!)設置され、後日の地上攻撃に威力を発揮したそうです。
大戦の後半には、
タイフーンや
P-47等の重量級戦闘攻撃機に取って変わられ、生産数も少なく配備期間も短命に終わった機体ですが、戦闘攻撃機の先駆けとなった機体と言うことが出来そうです。
正直言って、今回のキットは相当ひどいもので、パーツのすり合わせや、ヤスリ掛けに時間がかかり、しかも形のゆがみは解消しきれていません(笑)。またモールディングも全てすり減ってしまっていたので、雰囲気だけですがスジ彫りまでしてしまいました。デカールも分解寸前で位置決めもままならないほどでした・・・が、しかし、とても「ホワールウインド」気に入りました(悦楽)。
Posted at 2007/03/03 23:20:40 | |
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