
私が初めて自分の車を持ったのは20才の時。当時一人暮らしをしながら、東京の郊外の美大に通っていた。車を持つのは確かに贅沢な事ではあったが、廻りにもあんな
ポンコツや、こんな
高年式車が結構あって、車を持つこと自体は珍しい事では無かった。なんといっても当時、駐車場代はタダみたいなもんだったのだ。
実際この車は3才年上の兄貴のお下がり。私の元に来た時には、すでに走行距離8万kmを超え老体の風格(!?)さえ備えていた。当時はパワステなど高級車の装備であったので、当然レビンのハンドルは重かった。しかもタイヤは(当時としては)太めで、かつ充分にすり減ってほぼスリックタイヤと化していた為、「重ステ」という自嘲気味の形容詞を奉ることとなった。
しかし、自分の車を持つと言うことは、どこへでも、いつでも出かけられるという自由を手に入れるということ。ハッチバック故に結構容量のあるトランクは、当時カヌーや釣りを始めた私には大きな恩恵となった。隔週毎に富士五湖に通っていた事もあり走行距離はみるみる増加し、3年後の廃車時には13万kmに到達していた。
もちろんそういう車なので故障トラブルは日常茶飯事。第三京浜を爆走中(もちろん主観的な「爆走」だが)、ポンッ!という小気味のいい音に引き続く異常な振動。路肩に寄せると何故かプラグコードが1本抜けていた。今じゃ「コード」すら無いんだから時代を感じますよね。
関越道、前橋から山間に入る坂道。ぐんぐん上昇する水温計を睨みながら窓を全開にし
ヒーターも全開で走ったある夏の日。オーバーヒートしそうな時は、ヒーターを使って少しでも水温を下げるなんて技がマコトシヤカニ語られた時代だったのだ。
レビン・・・私が選んだ車ではなかったが、結果的にはその後から今に続く私の車選びの一つの基準を形作ってくれた。
曰く
1.車は荷物が沢山積めなければならない。
2.移動時間は短く、目的地で遊ぶ時間は長く。
そのためには、速く走れる車こそ最大の武器。
■覚えている限りのスペック
カローラレビンTE-71(有名な豆腐屋さんレビンの一つ前)
エンジン:直4 DOHC 1600cc 115hp
駆動形式:FR 5速MT
Posted at 2005/01/07 19:06:01 | |
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