
親愛なるハンナ
早いもので、クリミア半島に着任してもう半月が経つ。その間に5回くらい出撃して、10機以上の敵を落とした。これは新人としては優秀だそうで、3つの鉄十字勲章をもらった。ソ連の空軍は小さくて不格好な
I-16とか、ただ大きいだけの
SB2とか、信じられないような時代遅れの機体で飛んでくる。勇気は認めるけど、だいたいどのパイロットも下手クソだ(おっと、失礼)

先日は
セバストポリの飛行場を爆撃する、我が軍の最新鋭爆撃機
Ju88の編隊を護衛した。高速な爆撃機だ、と聞いていたけど、実際は僕のBf109に比べたら遅い。爆撃機の後ろを右に行ったり左にいったり、ウロウロしながら追い越さないようにするのは大変だ。ん?僕がどこにいるかって?

見えるかな?(笑)こんな感じで20分も飛ぶと、目標上空に到達した。遙か低空には4機ほど敵の戦闘機が上がってきたけど、どうもI-16らしくて、先行していた中隊が襲いかかっていた。うちの中隊長は援軍するまでもないと思ったのか、そのまま進んでいくと、また違う敵編隊が離陸してきた・・・見覚えのない形だったから、緊張しながら降下すると新鋭機の
LaGG-3みたいだ。でも、まるで撃ってくれと言わんばかりに真っ直ぐ飛んでいるから、一連射で撃墜したよ。

でも、簡単だと思った瞬間、激しく機体が揺れて、あっという間に炎がわき出した。油断したんだ。必死に周りを見渡して敵機を探したけど、何もいない。地上からの対空砲にやられたらしい・・・けど、こんなにハチの巣みたいに撃たれるかな?
機体ははバラバラになって、主翼も半分無くなって・・・必死で脱出したけど、一緒にBf109も落ちていくからいつまでも熱かった。
燃えてる乗機に近すぎるから、パラシュートを開くまで時間を稼いで1000m近くも落下したんだけど、ものすごい風。周りを見渡したら、誰かのBf109とJu88がそれぞれ一機ずつ、黒い煙を引きながら落ちていくのが見えた。
見上げる空が青かったな。
パラシュートで降りたのはセバストポリの北東だった。墜落した機体からはかなり離れていたので、ソ連兵はやってこなかった。2日間小麦畑や林に隠れながら北に向かい、運の良いことに、ある小さな村の近くで独陸軍の偵察隊に行き会った。僕が空軍パイロットだということに納得すると、彼らはすごく親切にしてくれて、基地に戻るまで面倒を見てくれたよ。ありがたいね。
セバストポリが落ちるのはもう時間の問題だ。中隊では次にどこに行くのか?もしかしたら一旦国に帰れるんじゃないか?ってことで話が盛り上がってる。もし帰れるなら会いたい。決まったら電報を打つね。では元気で。
Erich Naka Hartmann
※これはゲームに基づいたフィクションです。
Posted at 2009/08/26 22:39:26 | |
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