naka3051のブログ一覧

　先日、立春なのに寒い、というみいていあさんのブログにコメントをしましたが、よく天気予報で「明日は『真冬並みの寒さ』でしょう」という言葉を聞きます。分かり易い表現なのですが、それを聞く度に「じゃあ、今は『真冬』じゃないのか？」と思ってしまいます。


　そもそも、例え話というのは、A≠Bという前提があって、「AはBのようだ」という論法です。ですからもしA=Bの場合は例えにならないハズ・・・例えば今が『真冬』だった場合は『真冬のような』という形容は何の意味もなさない、という気がします。それなのに、冬のあいだちゅう聞くような気がします(不満)

　また、A≠Bであった場合も、Aがオリジナルで、Bがその模倣であった場合、例えば、「この子犬、ヌイグルミみたぁいに可愛いぃ～」という形容も、そもそもヌイグルミは子犬の可愛さを模して作ったもの、ですから、本末転倒も甚だしいじゃないかと(不満)

　昔読んだ科学の入門書、私の科学の師である(と私は勝手に思っていますが)アイザック・アシモフの本の中で、「触媒とは何か？」というエッセイがありました。触媒とは反応の前後で、それ自体は変化しないけど、反応を促進(あるいは抑制)する物質のことだ、ということをいろいろな例え話や比喩を使って説明する文章でしたが、そのオチが素晴らしかったです。

曰く・・・
「私は「触媒」について、いろいろな比喩を使って説明してきましたが、実はこの比喩というものも「触媒」のようなものです。比喩自体は何度使っても変化もしないし、減りもしないのに、あなたの理解という反応を促進することが出来ます・・・すなわちこれが触媒というものです」

　文章自体は覚えていませんが主旨はこんなかんじでした。実に見事な例え話ですよね。


この記事は、立春零度について書いています。