
何回も案内をもらっていたのに出かけていなかった、シトロンC5にCOTY受賞記念ということで(?)試乗してきました。
先代にあたる車に乗ってから4ヶ月、そろそろハイドロサスの感触も忘れた頃でしたが、やっぱりいいですね。
今回のモデルチェンジでは内外装のデザインも一新され(詳しく見ていくと実は先代からデザインアイコンは沢山受け継がれているのですが)、モダンさとエレガントさが融合した美しいクルマに生まれ変わりました。特にセダン、リアのガラスは上部が凸で下部が凹面というウルトラ3次曲面ガラスなのですが(これはシトロエンのキーアイコンなのですが)ユニークさの真骨頂。
一方のワゴンタイプ、
ブレークツアラーはリア側の意匠は至極真っ当。
アウディのA4がリアのピラーを寝かせてグラマーな曲面を付け加え色気を出してきたのに比べると、さっぱりとした印象・・・セダンに比べ、ルーフレールと共にワゴンタイプはスポーティー感があります。若い人が乗っても良さそうなデザインです。
世界で一番美しいワゴン車だと私は思います(言い切ったw)。
インテリアも先代の間延びした大らかさからするとぐっと精悍なイメージになりました(センターコンソール部分は先代の大らかさが残っていますが)。上の写真のステアリングもシトロエンの新しいシステム、中心部分が固定されハンドルの「輪っか」部分だけが回転するタイプになっています・・・ちなみに私はこのハンドルが大好き(笑)。戦闘機の操縦桿とスロットルにボタンを沢山付けて、手を離さずにいろいろな操作が出来るシステムを
HOTAS(Hands On Throttle And Stick)と呼びますが、そんなイメージがあって格好いいなぁと。(ただし、一部分がアルミ製なのは違和感がありましたが)
細かくポジションを決められるシートは満点。もちろん短い試乗ですから断定は出来ませんが座った瞬間にホッとするいいシートです。ラゲッジルームはしっかりと空間が確保され床面にアルミレールのあるワゴンの王道を行くタイプ。
プジョーの308SWでも感心しましたが、さすがにC5だとそこに上質感さえ漂います(笑)。
しばし眺めた後試乗。今回はトップグレード(といってもグレードは2つしかありませんが)の3Lタイプのセダン。外見から予想した以上に視界が高く見切りは良さそうです。ハイドロ足は先代よりユルーリ感が少なく、引き締まった印象があります。もちろんハイドロ特有のゆったりした乗り心地の特徴はあるのですが、気のせいか少しスポーティーな印象が意外でした・・・で、トータルするとハイドロの良さを残しつつ、ワインディングでもキッチリ走りそうなバランスに仕上がっています。いいです。
あと特筆すべきなのはブレーキ。全く反発力のないフワフワな踏み心地なのですが、微妙な踏み込み具合にリニアにブレーキの効き具合が反応するという感じ。停車直前の微妙なブレーキワークを駆使して、同乗の女性を夢見心地に誘えそうです(笑)
試乗の後、グレード構成など少し話して・・・営業担当氏は「2Lセダンは390万円!ですよ」と仰るので、「
2Lじゃ走らないでしょう?戦略的な価格だと私は思う。」と申し上げると「確かに3Lタイプが主力です。」と。
シトロエンのC5は、今までの私の車に対する価値観(評価)というものを覆す魅力がありました。動力性能だったり、ワインディングでの挙動だったり、エンジンのメカニズムだったり・・・そういうことを気にしない世界、がそこにはありそうです。プジョーの308でも感じましたが、フランス車って何も考えずに身を委ねて、気持ちよく長時間走る、という世界なのかなぁと。
実際、針が外周を移動する不思議なメーターを眺めながら試乗したのですが、その10分位の間にタコメーターを一度も見なかった事に降りてから気が付きました。タコメーターのないクルマなんてあり得ない!と思っていたのに、あれ、見なくても気持ちよかったじゃない?っていう所に変な感動がありました(笑)
・・・た・だ・し・
私にはまだ早すぎる、と言うのが最終的な結論。あと15年ほどしたら真剣に検討するかも知れません。でもとても個性的なクルマですから、一度だまされたと思って、試乗されるのをオススメします~(3Lタイプでねw)
Posted at 2008/11/15 21:14:19 | |
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