
昨年になってしまいましたが、大晦日に京都の伏見稲荷大社に行ってきました。実家からは京阪の各停で40分ほど半睡状態で揺られて、到着したのは11時過ぎ。ここには20年以上前にも、同じ大晦日に来たことがありました。当時はそんな年末に訪れる人がいようはずもなく、境内は正月の準備をする人はいても、千本鳥居などは私一人。どこまで登っても人っ子一人いない中で、キツネさんたちの鋭い眼差しに弱気になって心細くなって駆け下りて来た事がありました(笑)。

駅を降りると参道には「外国人が行きたい観光地第一位」と書かれた旗が並んでいました。確かに大晦日とは思えない人出でした・・・しかもその観光客の半分以上は海外からのお客さん。確かに何百本もの朱色の鳥居がすきまなく並ぶ風景は、日本人でもエキゾチックさを感じる空間です。
地元にとっては観光客が多くなって良いことのでしょうが、人っ子一人いない鳥居のトンネル、という景色を期待すると裏切られます。人の行列が絶え間なく、やっと一枚撮れたのが左のカットです。

駅から少し歩くとある本殿前には、名だたる清酒メーカーや醤油メーカーからの奉納品がいっぱい・・・お稲荷さんは商売の神様ですが、醸造とかのご利益もあるのでしょうか。
本殿の裏手に回りこむといよいよ鳥居のトンネルが始まります・・・始めは緩やかですがやがて参道が谷間に入ると、少しずつ登りがきつくなります。息が切れる頃、周囲を取り巻くように一帯に祠のあるくぼ地に入ります・・・ここら辺は北西側のみが開け湿度が高い感じ。よどんだ空気とキツネさんたちの視線にややたじろぐ感じです(一番上の望遠で撮ったキツネさんもこの付近を守っていました)

その谷を登り切るとひときわ妖気漂う小屋があり・・・蝋燭越しのキツネ様たちが祀られて(祭られて?奉られて?)いました。

しかし、その祠の裏は開けた池、でした。山の中腹に、薄暗い谷間から一挙に明るく開ける池があると。神社ですから極楽浄土を表す、ということは無いのでしょうけど、そういう効果をねらった道行なのかな、とも思われます。

さて、その池からさらに登っていくと細い参道の脇に、茶屋があり、外から覗くと皆さん美味しそうにうどんを食べていました・・・お腹もすいたし、お稲荷さんで、稲荷寿司ときつねうどんを頂くという王道の昼食としました。うどんはスーパーで売っているような麺でしたが、出汁の美味しいこと。久し振りの関西の底力に夫婦そろってため息をつきましたw
その後はひたすら歩きました。記憶と違って歩いても歩いても頂上に着かない、着かない(笑)途中眺望が開けるところもありましたが、ひたすら歩いた感が付きまといますw

鳥居はサイズごとに奉納料(?)が決まっているようでした。小さなものなら十数万円から、となっていましたので、家族で一本というのも良いかもしれません。ただヘタに山頂近くに建ってしまうと「我が家の鳥居」にたどり着くのも大変になりそうですね。

ところどころには、不人気の一角もあるようで、しばらく鳥居のないところもありました。また、古くなって撤去された(?)鳥居もあったようで、ぽっかりと穴の開いたコンクリートの土台だけが残っていることもありました。ゆっくりと少しずつ、大量の鳥居も新陳代謝がおきているようです。
伏見稲荷大社は人気観光地になってしまいました。昔のような秘密めいた、おっかないような、キツネ様たちのアジト、という感じはなくなってしまいましたが、それでも千本鳥居に日が差した瞬間の美しさは行って見る価値はありそうです。
追伸:駅からの参道で昔は沢山売られていた「すずめの焼き鳥(姿焼き)」はすっかり減ってウズラの焼き鳥に変わっていました。昔、小学生の頃、姿がそのままのすずめの焼き鳥が食べられなかった、のを思い出しました。
Posted at 2015/01/20 23:33:20 | |
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