今日で初代iPhone発売から10年だそうですね。10年前・・・パソコンはそれなりに普及していましたが、インターネットにアクセスする手段はパソコンだけ、という時代でもありました。
デジタルディバイドという概念が出てくる直前でもありました。
さらに遡ること数年前は、「いんたーねっと、って知ってる?」というくらいの状態。便利さよりも物珍しさが先行していましたが、同時に「いんたーねっと、って怖い所だよ」とか「自己責任」とか敷居の高い場所でした。アクセスするにはちょっとした勇気とスキルが必要でした。「HPの情報は正しいかどうか、クロスチェックして自己責任で判断する」という決意が必要だ、と言われていました。
iPhoneの最大の恩恵は(同時に最大の弊害は)、そんな敷居の高さを一挙に取り去ったことでしょう。「電話機」を替えたら「インターネット」ももれなく付いてきたのです。その後ネットの有用性はユーザー数に比例し増加してきました。でも、そのユーザーの大半は、なんの決意も注意も(それまでの)常識も持たずネットにアクセスすることになりました。
ネットでは、責任感と良識のあるジャーナリストの記事も、まったくのデタラメなフェイクニュースも、
同列に平等に見られます。決意を持ってネットにアクセスしていれば「ほんとかな?」と疑って、他のソースを探すことが出来ますが、無自覚なユーザーは真偽よりも自分に心地よく響くニュースを信じがちです(あるいは、信じるふりをして、何らかの安堵や快感を得るのです)また、恐ろしいことに、
誰でも簡単にフェイクな情報をネットに上げることも出来るようになりました。
一番の問題は、何が真実なのかを調べるために、複数のソースを表示するにはスマートホンの画面は小さすぎる、という事でしょう。
◇ネットを閲覧する端末別のトランプ政権支持率

例えば、こういう統計データがあります。スマホだけ、では真実も妥当性も検証できないのでしょうか。(検証する、という必要性すら感じていないのかも知れません)
一方、検索もしやすく、画面に多くの情報を表示できるPCユーザーは、ウソを見抜ける、のかも知れません。
スマホの普及は、まともな判断力を強化せずに、ただ悪戯に、信じたいことを「検索」するだけのユーザーを大増産する結果になっているのです。悪意もフェイクも簡単に垂れ流すことが出来る21世紀の情報システムに対して、スマホの画面は小さすぎる、のです。
iPhoneの発売は革新的でした・・・惜しむらくは、ユーザー側は革新的ではなかった、という事でしょう。
※念のため明記しますが、上記のグラフは適当にエクセルで作った、全くのフェイクです。
Posted at 2017/06/30 00:35:06 | |
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