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澤 圭太のブログ一覧

2024年03月04日 イイね!

バーチャルとリアルの境目はどこにあるか?

バーチャルとリアルの境目はどこにあるか?昨日、HC GARRELYさんが運営されているHC SHARINGと連動したオートサロン出展の際の企画『DRiVe X 頂上決戦』と題してのシミュレーターでのタイムアタックイベントの上位入賞者に与えられた特典の広場トレーニングを開催しました。

ここで明らかになった今まで私も興味があった『simとリアルの境目』について考えてみました。

シムでのタイムアタックはZN6型の86に比較的高いグリップのタイヤを履いた設定でFSWのタイムアタックを行い、上位をオートサロン会場に呼んで決戦当日の朝に発表される指定コースで予選の時と同じ仕様の車両とタイヤで今度はタイムアタックではなくレースをして勝ち上がっていく、、、というものでした。

今回はHC SHARINGが普段貸出しをしているZN6型の86を用意し午前と午後の半日でそれぞれ13~15名が参加。

普段のワンスマ広場トレーニングで言う所の午後の反復複合コースをベースにプログラムは開催れました。

基本的な事はきっと出来ているであろうという事前提でドラポジとか見本走行とか串刺しブレーキとかはすっ飛ばして、いきなりインストラクターの同乗走行で正解を見せて直ぐに自分で走行という、少し乱暴なスタートを敢えてしてみたのも興味深い結果に繫がったのかも?と思いましたが、皆さん本当に最初からレベルの高い走行をされていて流石というか、やっぱりシムの効果って高いのかな~と思わせる内容でした。

比較的、実際に既に色々なレースにリアルで出場していたり、サーキット走行などをされている方が多めの午前組とシムのみの参加者やサーキット走行経験があったとしても少ない方が多い印象の午後組ではありましたが、半日走行を重ねられた結果の各最後の方の走行を見ている限りはどちらの組も走行クオリティはほぼ同じレベルの印象でした。

観ていて感じた事はいくつかあるのですが、、、

同乗後の自分でコースをトレースしてペースを上げて、試行錯誤をしながら調整をしていくスピードが早い、外から見ていて気付いた点をアドバイスするとすぐに反応して走りが変わっていく速度も早い、基本操作やスピードコントロール、空間認識(走行ラインやパイロン際との間隔の詰め方)なども、普段のワンスマの広場トレーニングに参加される方よりも平均的にレベルが高い方が多い!

一方で、、、
減速時に舵角を入れ過ぎて縦と横を同時に使い過ぎてABS作動過多になっていたり、それが遠因なのですがINに寄っていく様なラインをトレースしたり、それが原因で低速の複合セクターのほうで走行ラインが後手後手になってきつくなっていたり、タイヤのグリップレベルが低い車両を1台用意していたのですが、それに乗り換えると途端に挙動を乱したり、電子制御を切っての走行を各セッションの後半はしていたのでスピンまではいかなくても特にアクセルONで決してパワーがあるとは言えない86でも車が暴れたり、グリップを失った時のスキール音を発して走行をしているシーンを見かけたり、、、などもありました。

色々なタイプがあるでしょうが、、、

シムに特化をしてしまっている方は特に
モニターからの少ない情報を元に上手く走れる方なので、車の挙動を乱した時の反応は早い方が多く、そこに実車での経験値があると修正も上手な方が多いようです。

しかしシムでタイムアタックなどをする場合ってセットアップをある程度弄れたり、タイヤのグリップ設定も高めの事が多いから、実車では「そんな速い速度の強い減速挙動の時にそんな強いステア入力で一気に向きを変えたりしたらリアが飛んでいくよ!」っていう事が起きなかったり、「そんな高い速度でそんな手前からそんなに強くアクセル踏んだらハンドル戻せないだけでなくリアが暴れるよ!もしくは電子制御が働いて前に進まないよ!」っていう加速を出口でしても、リアのスタビリティが凄く高くて何も起きなかったりするんだろうな、、、と推測。

例えていうなら
フロントが凄いグリップがあってグイグイ加速しながらでも曲がる
でもリアもダウンフォースも強力で車高もまるで地中にタイヤがある位スタビリティが高くて(もしそんな前後バランスなら絶対にフロントが入らない 笑)、、、

そんな物理学上なかなか実現できない前後、前後のバランスは無視して、別々に最高のグリップを発揮しているような車じゃないと、、、でもそれはシムのソフト上で係数をうまく出せれば作れてしまうというのが凄い所なんだけど、そういうクルマになっていく。

電子制御を切ってタイヤのグリップが低い車両で走れる人はシムの中で速いだけでなく、シムではなかなか感じ取り辛いリアの動きやタイヤの限界を超えた時の挙動、ABSやトラコンの作動によるロスなどを予想したり感じたりして走行出来ている方が多いようです。

リアルでの走行がベースにあってシムを走るドライバーと、シムに特化したドライバー、シムの経験が少なくリアルでは上手く走れるのにシムはなかなかうまく行かない方もたまにお見かけするので、そういった違いが何となくですがよく分かる1日のトレーニングでした。

今回のタイムアタックイベントもZN6型の86でFSWを2分切らないとオートサロン会場での決戦に出場できないというレベルだったらしく、じゃあ実際にそんな86あるかって言うとパワーチューニングをしていれば話は別ですが、パワー以外の部分だけで2分切るのは条件が揃った時のスリックタイヤを履いた公式戦仕様の86、例えばS耐のST4クラスの86などじゃないと難しい、、、パワーに対してグリップが高すぎてその領域に情報量の少ないシムの世界で特化した走りが出来ないと上位に行けないという状況が起きていたのだろうと推測しています。

そこに残った頂上決戦は実は車両は一緒でもコースが事前に練習できない状況だったり、よーいドンのレーススタイルだったりするので、短い時間で順応する、相手がいる中で前でゴールするなどシムの中での特化した速さ以外の要素、特に実際にリアルで起きる、少ない走行量である程度仕上げないといけない順応性の高さや相手との競争の難しさなども加味され、実際のレース経験やサーキット経験がある方のほうが決戦に勝ち残れるシムのベースでの速さがあれば決戦の中では少し有利だったのかな~それが結果にも出ているんだろうな、とも考えました。

これらを総括すると、シムよりリアルの方がやはり練習量が確保しづらく、何かあった時のリスクもあるし、横G縦G、重さや慣性、コース中でのグリップの高い所と低い所、タイヤの温まりやタレなど色々なおのが刻一刻と変化するのでフロントは入り辛く(上手に入れないと入ってくれない)、リアは出やすく(何かあるとすぐにリアは滑る)、前も後ろもそ~っと動かさないと行けなくなるという事、
つまりその感覚がリアルにあるかどうか?が重要

シムの中でモニターしかなくて、筐体も動くと言ってもGは掛からないし、リアの動きは掴み辛い、タイヤだって実際にはZN6型の86で2分10秒位か、少しハイグリップのタイヤにしたとしても2分5秒まではいかない位のタイヤで、電子制御をVSCスポーツでなくOFFの状態で走っているような状況、もしやってしまったら保険は使えなくて自分で全額負担だし、車だけでなく施設破損も負担しないと行けなくて、コースは他の車両が居ると自分の走りが出来ないからとサーキットを占有貸切走行をしている状態という事です。

リアル走行の方はシムを活用してもっと上手くなる方法は沢山あるでしょうし、でもやり方を間違えない様にしないとリアルに活きないだけでなくリアルでリスクを高めてしまう事だってあり得る

シムからリアルへ行く人はシムで速いと非常に高いレベルからリアル走行ができる可能性はあるけど、リアルはリアルの難しさがあるというのを肝に銘じる必要がある

その辺を互いに理解して、互いに活用しながら引っ張り合うようなトレーニングやそれが出来る環境があると、どちらも今まで以上に盛り上がると思うんですよね。

私の場合は実際にもし例えばレンタル車両として用意しているAMG GT4であれば条件が揃った時に1分47~48秒なのでシムの中では頑張って走っても50秒切る位しか出ない位にしておくし、フロントも入り辛いし、リアも出やすい位にしておいて、神経使って30分連続で走ろうものならシムなのに汗びっしょりになる位の仕様にしておきたいと思っています。

それで頑張ってまずは2分切る様に、出来たら55秒切る様に、そこまで来たらデータ解析などもしながら細かく詰めて行ってまずはシムで52秒位が出る様になったら実際にリアルで走ってみましょう、シムで52秒ならリアルで55秒をまず切る事を目標に、そこからの出来栄えでリアルとシムを交互に上手く活用しながら、レベルに応じてシムの難易度を上下させて、リアルとバーチャルの境目をうまく消していく、、、リアルで52秒を切ってきたら、シムの中のクルマも頑張ったら47-48秒で走れるクルマに変更して、ちゃんとその分52秒から伸びシロがあるかどうか?でまた次の次元のトレーニングに向けての効果判定をしていく、、、というのがリアルに則したバーチャルの活用方法かな?と思います。

アトラクションとしてバーチャルのタイムアタックでタイムが出るシムとかタイムが出るシムの中のクルマというのは全然あり出し、シムの中でも走り方がまずは出来てないとタイムも出ない、、、私はリアル軸の立場なのでシムの活用法として『シムでタイムが出た』という人ほど見ていてリアルでは怖いな~という時があるのは事実です。

逆転現象が起きてしまうくらいですからシムの世界の方が上級者との差が出辛いというのを前提にしておいたほうが賢明、やはり上級者のほうがリアルに則したバーチャルの世界で走っているか、両方の特性を体と頭で理解しているので割り切って切り替えが出来ているとも言えます。

試しに昨日は午前と午後でそれぞれ『路面で1か所だけ滑り易い所ありますがどこでしょうか?』という意地悪質問をしてみたのですが、正解のコーナーを言い当てた人は全体の30-40%くらいの人で、リアルでの走行経験が多い人の正解率が高い印象でした。

リアルとシムって簡単に言うと、やり方を学べて速さを追及できるのがシム、感じ方を学べて帳尻やバランス、落としドコロを学べるのがリアルなので、その両方をうまく適材適所で取り入れて自分のものに出来る人がきっと『練習上手』というモータースポーツに実は一番大切な部分が理解できて実戦できている人なんだと思います。

ここからリアルのレースに出るチャンスを掴む人がきっとこの1年多く出てくると思うのでそれも楽しみだな~と思っています。
Posted at 2024/03/04 16:03:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
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