
ワンスマ公式HPでは10/1(日)の平塚戦の募集がスタートしました。
チームエントリーも個人参加もお待ちしております。定員は12チームです。
詳細は >>>
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募集をスタートさせる前に主催者・責任者としてけじめを付けなければと思うことがありました。
7/30(日)にオートパラダイス御殿場で開催したワンスマカートにおいて、個人スプリントレースの中で多重スピン・接触アクシデントがあり、その中で一人の参加者様が怪我をされました。すぐに担架でコース外に運び、サーキットスタッフさんの迅速な対応で近くの病院に救急搬送されました。
レースは仕切り直して最後まで無事に終わったのですが、その後どういう顛末だったのかを皆さまにお伝えしなくてはならないと思いました。当イベントに参加されていない方にも、モータースポーツにおけるリスクを再認識してもらうために、怪我をされた参加者様のご了承を得て、こちらに書かせていただきます。
怪我をされた方の状況は現場で逐一把握することを心がけていました。当初は打撲程度と診断されたのが、再搬送されたMRI診察ができる病院では、腰椎の圧迫骨折が1か所、全治1カ月と診断されたとのことでした。その際、入院を勧められたが御殿場は自宅から遠いために一緒に参加されていたチーム員の助けもあって何とかして帰宅し、翌日、自宅近くの病院に再度行くと骨折箇所が3か所あって全治3カ月だと診断されたとのことです。
それから1週間は自宅で寝たきり状態でしたが、御家族のお世話もあって、約1カ月経った今日、お見舞いに伺った様子ではまだ痛々しい雰囲気でしたが、在宅で仕事も再開されて、コルセットさえあれば外も徐々に歩けるようになってきたとのこと。まだこれからリハビリが続くそうですが、直接お会いできて私も少し安心しました。
ワンスマイベントで救急車が出るのは実はこれが3回目。1回は広場トレーニングで、そして他の2回は実は意外と安全と思われがちなカートイベントでした。いずれも不幸中の幸いでご本人に大きな怪我は無かったのですが、今回のケースは今まで一番大きな怪我をされたというケースです。すぐにでもお見舞いに行きたいという気持ちもあったのですが、ご本人も落ち着いてからを希望されていて、私も海外が続いていたので1カ月経ってしまい今日やっとご自宅にお見舞いに伺うことが出来ました。
今回のことで与えられた教訓は沢山あると考えます。
・車両は性能差がほぼ無いレンタルカートでも、慣れている人とそうでない人が一緒に走っていて、何か起きる時はこの“ドライバースキルの差”が影響している。
・とくに女性など体格が小さい方は、どれだけクッションなどで乗車位置を調整しても非常に運転しづらい状態だったり、何かがあったときに体に衝撃を受けやすい状態で運転をしている。
・チームの中でも実は連絡先を知らなかったり、とくに顔見知りやリピーターの方の場合は、当日申込では身元確認など決められた流れをスキップして参加している方も居る。もしもの時に何処の誰が怪我したのか分からないなんてことが当日提出の誓約書などの様式ではありうる。
・もしもの時に自分の身の回りの荷物、乗ってきた車、家族への連絡、帰宅方法、傷害保険の手続きなど、自分が怪我をしてしまうと手配や調整が大変なことが多い。
・本人はイベントに迷惑を掛けてしまったという気持ちが痛みよりも先行してしまうケースが多いが、現場に居なかった近親者や仕事関係者はイベントの運営方法や競技に対しての不信感を持ってしまうのが普通の感情である。
などです。主催者として同意書を振りかざす気持ちなどは全くありません、でもブリーフィングで私がいつも言うように「相手が100%悪くて自分が殺されてしまっても文句が言えないのがモータースポーツの基本」です。だから自分の身は自分で守るすべを知り、相手にも怪我をさせない配慮の上に楽しめる人でないと、ワンスマに限らずモータースポーツイベントへの参加は非常に危ういです。
今回、事故が起きたスプリントレースでは、18台の中で比較的前方の車両が1台スピン、雨上がりだったので後続の車両は避けるためにラインを外して残っている水の上でスピンをする車両や、それにまたびっくりしてスピンをする車両も居て、後日、サーキットの記録映像を確認したところ、合計で8台の車両がスピンしています。スピンして止まっていた怪我をされた方の車両の真横に対し、直進してきたの後続車両がTボーン状態で追突しました。映像からも、腰部分へのインパクトが相当大きかったことがうかがえます。ご本人もその瞬間を覚えていて、体からバキッって音がして「これはもう車いすかも?」と一時は覚悟をしたそうです。
また、チームの中でも3人目のドライバーがスタートするレースでした。全10レースあるうち前半は慣れている人が走りますが、チームによっては3人目くらいから不慣れな方が出走し始めて、ルール上そういった方がグリッド上位からスタートするケースも在り得るので、前出の“ドライバースキルの差”が出やすいタイミングでもあったと推測しています。
ワンスマはいつも安全に対して口酸っぱく澤が言うから安心、と言ってくださる参加者様が多い中、それでもやっぱり不運が重なると起きてしまうのが事故です。怪我をされた方もそのご家族も、当たってしまった方も、そして一緒のその場に居た参加者の方も、そして当然主催する私たち運営側も…誰もハッピーではありません。
イベントを最後までスムーズに回すことも大事ですが、救急車に運営側の誰かが同乗して心のケアをするだけでも違っていたかもしれない。たまたまかもしれないけれど、遅刻者対応でこの時はスタート時間が少し押しそうで、ブリーフィングでいつも言っていることが抜けていたのかもしれない。去年は10台2クラスで走行時間が少ないという声があったので、今回は18台一斉走行で走行時間を確保したけれど、広いAPGとは言え、ワンスマカートに参加の方々のレベルを考えたら少し多かったのかもしれない。雨上がりの路面が乾いてだんだん走りやすくなる中での一番危ないタイミングだったかもしれない。
「不運が重なった」の一言では片づけてはいけないいろいろなファクターが重なって、慣れてはいけない、気を引き締めて集中して運営に当たれと、我々主催者に警鐘を鳴らしているのだと私はこの1カ月考えていました。
イベントに限らず、どこまで行っても100%の安全なんて生きていく上では無いのですが、色々なレベルの方が安全に楽しくモータースポーツに触れてもらって普段の生活では味わえない気持ちを体感してもらう、という趣旨を前提に長くやってきたこのワンスマカートだからこそ、我々は今回のアクシデントから学び、改善点を構築しないといけないと強く感じております。
また、運営サイドの不手際で時間進行が遅れたこと、PITアトラクション内容に精査が足りず一部の参加者の方からも改善を求める声が上がっていたこと、じゃんけん大会での賞品の割り当て方の管理、走行中でのコース上でのラフ行為に対しての対応などに対しても、厳しいご意見が出ているのは事実です。また、そういった内容を、事務局に対して前向きな声として挙げてくださるお客様が居るという雰囲気も凄くイイことだと思っています。しかし特にここ2年は参加者数が増えて色々な見方をされる方も増えていて、不満を持って帰る方が居ないように運営責任者として言い訳なしで改善していかないとなりません。
ワンスマは「事故や接触はモータースポーツには付き物だし参加者の自己責任だから」で片づけません。今回のように怪我が治ったらまた参加したいし、直ぐには出来なくてもチームの応援や運営の手伝いでもいいからしに行きますよ!って言ってくださるような参加者のために、安全管理を徹底しよりよいサーキットイベントを目指します。
最後に、事故に関係された方に改めてお見舞い申し上げると共に経過報告が皆さんに遅くなってしまった事をお許しください。
ご本人の了解を得て書かせていただきましたが、もうこんな事は起きてほしくない!
また今後ともワンスマカート華CUPのみならずワンスマの各種プログラムを宜しくお願いいたします。
Posted at 2017/08/30 07:02:32 | |
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