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国鉄の駅名には、よく旧国名が付いている。同じ駅名が発生しないように、旧国名をつけて区別するための措置なのだが、旅行していると、地域をより強く感じることができて、しかも県名ではなく旧国名なあたりが妙に旅情を誘う。

例えば、羽越線で新潟から出発すると、越後早川から始まり、山形県に入ると羽前水沢、秋田県では羽後本荘となる。

変化形では、播磨でなく播州赤穂、藩名を使った会津などの例もある。

一方で、白石や大久保などのように、旧国名をかぶせないで、同じ駅名が3つ以上も重複してしまったパターンもあって、国鉄が全国をコントロールしきれていなかった様子がよく分かる。

ダラダラと長い駅名とか、安直なネーミングが流行しているご時世だが、漢字を積み上げたガッチリした駅名には、まちの拠点になる素質が備わっているように思う。