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と言っても鉄道台車の話。上が箱根登山鉄道の3000系で、下が南海31000系。いずれも急勾配、急曲線が連続する山岳路線向けに設計された車両である。

特に台車は鉄道の安全を確保する根幹部分なだけに、各社の思想がよく反映されている。箱根登山鉄道は、ごくシンプルな構造で、軸バネ式、いわゆるペデスタル式を採用していて、エアサスのローリングを嫌ったのであろう、イマドキの車両には珍しい金属バネになっている。

一方の南海は、特急車ということもあってエアサス。アンカーの腕が車体から出ている様子が分かる。軸箱を左右から緩衝ゴムで挟む方式で、高野線の山岳区間に運用する車両はすべてこの方式を採用している。南海なりのこだわりの部分だろう。急曲線に強い構造なのか、路面電車でもよく見られる方式である。

軽量化とコストダウン一辺倒で進んできた日本の鉄道台車だが、尼崎事故や中目黒事故を教訓に、一部では安全を重視した方向への変化もみられる。利用者としては、乗り心地も大切だが、それ以前に安全であって欲しいと願っている。