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2013年02月17日

三菱 デリカD5(4N14 クリーンディーゼルエンジン搭載 4WD車) 試乗

三菱 デリカD5(4N14 クリーンディーゼルエンジン搭載 4WD車) 試乗  この日は、自転車であちこち行ったり今まで買ったことがない燃料添加剤を購入すべく、出かけました。その中で、三菱では気になっていた「デリカD5のディーゼルエンジン搭載車」に乗ってみました。三菱にとって、パジェロとランサーとデリカは、会社を象徴する特別な車種です。さぞかし力が入ったモデルであろうと期待していましたが、期待を裏切らない性能でした。

三菱にとってのデリカ
 デリカは、他社の商用バンブームからやや遅れて登場しました。初代はいすゞのエルフにも似た顔立ちで、さして目立つ存在ではありませんでした。

二代目では、ランサーEXなどのデザインテーマを取り入れたボクシーなスタイルで、「スターワゴン4WD」が追加された時期から、一部のアウトドア趣味の方に注目されるようになりました。ディーゼルターボエンジン、4WD、ATの組み合わせは他社のワゴンにはなく、まるで箱型ワゴンとは分類が別のようでもありました。「オンリーワン」の存在とは、こういうものなのでしょう。

その後、ワゴン系をパジェロベースの「デリカスペースギア」とし、一時大ヒットしました。バンは自社で少々生産が続いた後、マツダボンゴのOEMになりました。

デリカスペースギアもディーゼルエンジンの排出ガス規制やアウトドアブームの終焉に伴い、製造終了となりました。


 しかし、箱型ミニバンの一般化とデリカの復活を望む声から、旧型アウトランダーをベースに、「デリカD5」を発売しました。当初は2400ccエンジン4WDのみでしたが、すぐに2WDが追加、そして2000ccエンジンも追加されました。

モデルライフが長くなると環境も代わるもので、その後2000ccエンジンは、4J11新2000ccエンジンに換装され、また新たにコモンレール式ターボディーゼルエンジンを追加してきました。

 デリカD5新発売の頃から、ディーゼルエンジンの搭載が待ち望まれていました。発売されてもう随分時間が経っていますが、これまた他社にはない「ディーゼルエンジン搭載のミニバン」として、唯一無二の存在となっています。

エンジン
 前述の通り、コモンレール式のターボディーゼルエンジンを搭載しています。いわゆるクリーンディーゼルエンジンで、排気ガスも綺麗になっています。

排気量は2200ccで、排気量の上では小型車枠に入っています。最高出力は147馬力、最大トルクは36.7kgf/mと、CX5と比較すると23馬力と6.1kgf/mほど低くなっています。また、車重は300-400kg程増しているため、CX5のような、急速に盛り上がるパワーは感じられません。普通に走行するのには過不足ない程度のパワーで、ガソリンエンジンと比較すると、エルグランドの2500ccエンジン車と同じ程度に感じられます。

アクセルペダル操作量に対するパワーの出方は自然で、ターボ装着による出力の急変もごくわずかです。さすがに低回転域では加速は鈍く、加速力が欲しい時にはパワー不足を感じます。1500回転を超えるとターボ領域になり、十分な出力となります。この過給領域に至る時にも、あたかも自然吸気エンジンのように自然に遷移し、出力が欲しいだけアクセルペダルを踏んでいれば、ごく自然に加速します。

過給領域でも、それほど強力な出力になるわけではありませんが、走るのに十分な出力です。おそらく、登坂路でも必要十分は走りは可能でしょう。CX5と比べるてしまうと、だいぶ出力が落ちる印象です。車重の点から、余裕度もエクストレイルに劣ってしまうかもしれません。

エンジンの最高回転数は4000回転で、クリーンディーゼルながらこの点ばかりは旧態依然とした出力特性です。回転の上がりもそれほど速くはありませんが、車の性格には合っていると思います。もしかすると、アクセルレスポンスが自然なのも、CX5と比較して車重に対してパワーが少々不足しているということもあるでしょう。

 このエンジンのもう一つ特筆つべきは、音や振動が小さいことです。特に振動は非常によく抑えられています。エンジンのトルクが小さいということはシリンダー内の燃焼圧力も低いということで、そもそもが振動に有利なのかもしれませんが、それでも振動が少ないのは疲れを軽減することにつながります。マツダのディーゼルエンジン車では、CX5でもアテンザでも床から振動を感じましたので、この低振動ぶりには感心しました。

 また、このままで良いのか気になるのですが、一定速度で走行中に、エンジン回転数が1500回転を下回ります。他社のディーゼルエンジンでは、DPF(すすを取り除くフィルター)の温度を高温に保つため、エンジンの回転が1500回転を下回らないようにしています。

エンジンの回転数を低めた結果、排気の温度が下がり、DPFが詰まりやしないか、少々心配になります。

排気の点は未知数ですから、現時点では気にしなくて良いでしょう。総じて扱いやすく、よく粘るエンジン(ディーゼルなので当然だが)と言えます。

トランスミッション
 旧型アウトランダーのV6エンジン車に搭載されていた、トルクコンバーター式6速ATが採用されています。本来ディーゼルエンジンには、それほど多くの段数を用意せずとも、フラットなトルクを利用して十二分に走れるのですが、マツダや日産が6速ATと組み合わせているため、6速を搭載せざるを得ないのでしょう。

ロックアップなどには特に工夫がないATで、トルコン特有のスリップはごく普通にあります。少々古い考え方ではありますが、このトルコンスリップによってトルクが増大され、エンジンが低回転の際のトルク不足を補っているように感じます。

 6速ゆえ、各ギヤに変速するときのエンジンの回転の上下が少なく、トルコンやクラッチ、ブレーキでも滑る故、シフトショックは全くといっても良いほど感じられません。CVTとも勘違いしてしまいそうです。なんとなく滑りが多いように感じられ、スカイアクティブドライブのようなダイレクトなドライブフィーリングは感じられません。

アクセル操作に対するシフトアップ、シフトダウンも意のままで、インベックスシリーズ(最近は言わないようですが)の、学習制御ATの歴史を受け継いでいます。

ステアリング
 この車のステアリングの効きは特筆ものです。パワーアシストがステアリング操作に遅れることなく効き始め、ステアリング系の重さを、まさに必要なだけ介助しています。あたかも軽いステアリングホイールに交換したかのような印象です。

あとで調べると、最近の車には珍しい油圧パワーステアリングでした。電動パワーステアリングでも、だいぶ自然な印象のものが出てはきましたが、まだまだ油圧式の完成度にはなっていない、ということ改めて感じました。

サスペンション
 やや硬めの乗り心地で、地上高、天井が高い車ながら、初期ロールがよく抑えられています。ロールスピードも遅く、この種の車で気になる乗り物酔いも、十分抑えられるのではないか、と考えられます。ノアヴォクシーよりも硬く、ステップワゴンとは硬さの印象が異なり、ビアンテに近い印象です。

さもありなん、これまた珍しくりやサスペンションが独立式で、突起乗り越え時なども車が左右にゆすられません。後述する、ボデー剛性とのマッチングは今一つに感じられますが、フラットな印象のサスペンションです。

ブレーキ
 車重が1800kgもある車ですが、サーボの効きが過剰になることもなく、操作力に比例して制動力が高まる印象です。

この種の車では、運転士以外の乗員の姿勢が気になるところでしょうが、カーブだけでなく減速時の前のめりを軽減することも大切です。操作力に応じて制動力を調整できるブレーキですと、減速始めにもやんわりと制動力を高められ、減速終了時にも制動力を弱めながら停車できるため、乗員の首の動きは工夫で抑えられるブレーキになっています。

 ミニバンでは、本来ならば最大性動力試験もするべきでしょうが、セールスマンを横に乗せての急ブレーキは実行できませんでした。

ボデー
 環状骨格構造ボデーを謳い文句にし、室内にも天井骨格の膨らみが見えます。しかしながら、特にねじり剛性は今ひとつのようで、後輪の一方が突起に乗るような場面では、車体後方が「ブルブル」と震えるのを感じます。サスペンションがやや硬いこともその原因でしょうが、ちょっと古さを感じる点でした。

 着座位置には「登る」感覚で乗りますが、視線が高い印象はありません。おそらく人間が車高を感じる要素として、目で入ってくる情報とロールで感じる情報とがあり、ロールが抑えられるからなのかもしれません。もちろん見晴らしは良く、デリカスペースギヤのころと比較しても快適な移動が楽しめることでしょう。この種の車は、乗り物酔いを抑えられるか、を第一に考えることが重要です。

まとめ
 ガソリンエンジンのみの頃は古さばかりが目立った車でしたが、ディーゼルエンジンの搭載で魅力が高まりました。また、ボデー剛性やサスペンションのセットも、より良くなったと感じられます。

ノア・ヴォクシー他やセレナ、ステップワゴンと比較すると、スタイルにも「レジャー色」が強く現れ、好みが分かれるかもしれません。しかし、走行性能の高さとディーゼルエンジンとを考えると、やはり魅力が高い車です。このレジャー色が嫌であれば、もうこの車は考える必要はないでしょう。

ビアンテとは走行性能の点で甲乙つけがたい存在ですが、特に乾燥した道路での走りのスポーツ度では、ビアンテの方が高いと考えられます。オフロードの走破性では、ビアンテはもちろん、その他のミニバンと比較すると、デリカD5は他を寄せ付けません。

そんなこともあり、ディーゼルエンジンが搭載されてもデリカはデリカ、オフロード的な雰囲気が好きな方に似合っていると言えます。

参照して欲しい記事

ヴォクシー、セレナ、ステップワゴン、ビアンテ比較試乗

トヨタ ノア
トヨタ アルファード
トヨタ ウイッシュ
トヨタ スペイド
トヨタ ランドクルーザープラド
トヨタ ヴァンガード
トヨタ エスティマハイブリッド
トヨタ マークXジオ

日産 エルグランド
日産 セレナ(アイドルストップ)
日産 セレナ(Sハイブリッド)
日産 ラフェスタハイウェイスター
日産 キューブ
日産 エクストレイル(ディーゼルAT)
日産 エクストレイル(ディーゼルMT)
日産 NV350キャラバン
トヨタ プリウスα

ホンダ ステップワゴン
ホンダ フリードハイブリッド

マツダ ビアンテ
マツダ プレマシー(前期型)
マツダ CX5(ディーゼル 短距離)
マツダ CX5(ディーゼル 長距離)

三菱 アウトランダー
三菱 デリカD5(2400ccガソリンエンジン 4WD)
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Posted at 2013/02/28 01:38:01

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