2017年07月17日
「コードブルー シーズン3」第一話に、「ドラマになっていないよ」、と、脚本が心配になる
コードブルーについて
今回が第三期です。主人公はそのままですが、前作から時間が経過しており、部下の新人医師も登場しています。この種の設定は、1988年の「金八先生パート3」と1979年の「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」にありました。が、主人公が霞んでしまい、物語が散漫になってしまいます。
その心配は的中します。主人公たちのことも当然描かれますが、新人たちの成長も描きたいようで、主人公が散漫です。活躍する主人公を描きたいのか、成長する新人を描きたいのか、第一話の時点で不明です。そういえば、「グレートマジンガー」も「ファーストクラス」のシーズン2も「敵」が数多くありすぎ、物語が散漫になってしまいました。
ストーリーは、ドラマとして成立していませんでした。緊急指令が続発し、出動しては患者を連れてきたり、現場で治療したりとの繰り返しでした。救命救急研修ビデオではありませんので、連続で現場の様子を見せられても、ストーリーとして成立しませんよ。
おまけに、お粗末な展開もありました。
最後に、お祭りの現場で爆発事故?があります。そこで子供が壁と家具?の間に挟まれてしまいます。主人公の活躍で一命を取り留めます。処置後に弛緩したシーンとなり、画面は病院のICUに移ります。そこへ現れるスーツ姿の男性、私は不審者かと思いましたよ。そうしたら子供の父親でした。七夕なので子供は短冊を握っており、そこには「お父さんのような駅長になりたい」と書かれていました。父親は子供の生還を喜びつつ、「まだ駅員だよ」と泣いて喜びます。
しかし、子供は挟まれたところから描写が始まりますし、父親はICUで初登場です。見ているこちらは、何もかもが突然展開しすぎて、「子供の短冊で泣かれても困る」と、置いてけ堀です。普通なら、物語の冒頭で子供や駅員さんと主人公の関わりを描くものです。
脚本家を見たら、「安達奈緒子」という人でした。2003年デビューの人で、「失恋ショコラティエ」や「大貧乏」などの、私にとって駄作としか表現できない作品しか執筆していません。さもありなん、お話がひどいわけです。
フジテレビは、先代社長のときに大人事異動をしました。経験がない分野に別の分野の人を異動させ、フレッシュな視点で番組を製作することが狙いでした。他の分野はわかりませんが、ドラマについて言えばプロデューサーが脚本の良し悪しを判断できず、丸投げ体勢になってしまっているようです。これでは、フジテレビはまだまだ業績を落としそうです。
最近のドラマは、第一話に多大な労力をかけます。第一話は視聴者にとって入口であり、第二話以降から見てくれる人は少ないためです。そのため、第一話の質が非常に高いのに、第二話、第三話と続くうちに品質が著しく低下、ひどい物語に落ちていくことが増えています。この作品は、一話にして脚本がグダグダです。これでは、先が見えたようなものです。今からでも遅くありません、脚本家を加えることです。「長坂秀佳」氏などはいかがでしょうか?
おまけ
「ギャルサー」の頃の戸田恵梨香は、豊頬の可愛らしい顔立ちでした。しかし、ほぼ同時期に放送された「世にも奇妙な物語」では、「くっついてんじゃねえよ!」と怒声を上げるキチガイ女を演じています。その時の印象があまりにも強いのですが、本作でも「キチガイクレーマー女の」ような台詞回しが散見されます。前シリーズでは共演者との不仲説も流れましたが、あるいは本当にそうなのかもしれません。
それにしても、本作に限りませんが、「仕事が出来る女は、同期や後輩を苗字で呼び捨てにする」描写がいつの間にか標準になってしまいました。私には、人間的余裕のなさばかりが感じられてしまいます。
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Posted at
2017/07/21 22:47:00
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