食品工場を訪ねた後に、そこから2.5kmほど離れたところへ移動しました。学校の3年目7月に勤務したガソリンスタンドです。都市型ガソリンスタンドで、給油ホースを屋根から降ろす給油機を採用していました。
「都市部で車を使う人はそれほどいないだろう」とタカをくくっていましたが、法人客を中心にひっきりなしにお客さんが来るところでした。考えてみれば、都市部は会社や事務所が多いですよね。
そこのガソリンスタンドは、威勢の良いおじさん所長、おとなしいお年寄りの方、シャープな感じでカッコよい女性、あともう一人がいたように思います。私はクルマ好きではありましたが、プロではありませんのでおとなしくしていました。
そんな中、クラウンの5ナンバー車に乗る、法人客と思える人が入ってきました。対応した所長に、
「最近燃費が悪いんだよ。」
と、話しかけていました。顔見知りかどうかはわかりません。
所長はそのお客さんに、
「オイル交換をしてないようだったら、お勧めしますよ。」
とセールスをし、お客さんの了承を得ました。
オイル交換とオイルフィルター交換、フラッシングをしたかどうかは記憶にありません。工賃込みで、しめて1万数千円を請求していたように思います。オイルを100%化学合成にしていたとしたら、まずまずの金額です。
お客さんは、どことなくいぶかし気な表情をしながら支払っていたように思います。料金を受けた所長でない店員さんい所長は、
「納得していたか?」
と、聞いていました。
私は、オイル交換で向上する燃費はごくわずかで、本来ならば色々診断が必要であるように感じていましたが、現在ほど車のことを知らなっかったこと、まだ新人だったことから、当然黙っていました。
ガソリンスタンドが出来ることには、限りがあります。店員の数と出来る作業、そのガソリンスタンドでさばける客数などから、最善の選択だったのかもしれません。
私には、思わぬ売り上げがあったことを喜ぶのではなく、「自分のお店では出来ることには限りがあり、完全にはお客さんの要望に応えられなかったことに悔しさを見せた所長」に、人の良さを感じました。
その年、私はあまり体調が良くなく、短期間で辞めさせてもらいましたが、もう少し体が言うことを聞いていたらよかった、と悔やみました。
幸い、その会社は産業廃棄物処理業にも参入するなど、企業規模が拡大しているようです。私が勤務したガソリンスタンドも当時のまま健在でした。短期間に金儲けを使用とする姿勢よりも、誠実に事業をしていた方が長持ちすることを強く感じました。機会があれば、このガソリンスタンドに給油に行ってみたいものです。
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Posted at
2022/03/29 21:13:46