• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2024年02月23日

ドラマ「不適切にもほどがある」でフューチャー!1986年を調査する(エンターテインメント編)

ドラマ「不適切にもほどがある」でフューチャー!1986年を調査する(エンターテインメント編)   TBS系列で金曜日午後10時から放送されているテレビドラマ「不適切にもほどがある」は、1986年当時50歳の教員(演:阿部サダヲ)が、2024年との間をタイムスリップする物語です。当然彼は1986年の中年男性の感覚で行動するのですから、様々なところでトラブルを発生、一方で彼の行動から現代の「過剰コンプライアンス」にも警鐘を鳴らす物語になっています。

そして近代史好きの私には、当然1986年を調べる必要性が生まれました。さっそく、当時の世相を振り返ってみましょう。

エンターテインメント編

・CD売上拡大と貸出合法化
 すでに実用化されていたCDプレーヤーは、非常に効果でした。しかし、レコードと比較するとコンパクトで取り扱いも楽、ということで普及が進みます。この年には売り上げ規模が前年比205%上昇、LPレコード市場を超えました。あわせてすでに都市部にあった「貸しレコード店」がCDを貸し出すことも法的に認められます。これにより、以後音楽を聴くことが一般化していきます。

・「夜霧のハウスマヌカン」
 これは、歌謡曲の題名です。洋服販売店店員を「ハウスマヌカン」などと呼ぶようになっていてファッションの最先端に近い人と扱う一方、「しゃけ弁当」などと言う歌詞の通り、実際には薄給で生活が苦しいことをうたっていました。ファッションの広まりと、一見華やかな世界が実際にはそうでもないことの、二つの面をうたっていました。

・ニューミュージックの時代始まる
 洋楽カヴァーやオリジナルながらカッコよさを出していた「シティポップ」のりゅこうが続く中、渡辺美里などの「ニューミュージック」が現れます。アップテンポではない曲が多く、都会で頑張る若者の応援歌的歌詞(?)なのかな。これより前の時代に活躍していた松任谷由実や竹内まりやなども評価が高まりました。

・「おニャン子クラブ」大躍進
 前年から放送が始まったフジテレビ系「おニャン子クラブ」は、大人気を得ていました。都市部の高校に通う「ちょっとかわいい子」をアイドルとしてそのまま仕立て上げていたのは、後年AKB48で成功を収める秋元康のプロデュースです。

彼女たちが歌う様子は、決してうまくはないもののキャッチーで、それ以前のアイドル歌謡と比較しても親しみやすいものでした。そのため、男子高校生は、彼女たちのおニャン子クラブ内の「会員番号」と顔を覚えることに懸命になり、ひいては都内の学校の制服と高校を覚えたりと、制服ブームが訪れます。男性にかぎらず、OLは曲「セーラー服を脱がさないで」の曲と振り付けを覚えて会社の宴会の出し物にし、女子中高生はかわいい制服の学校に行きたがるようになりました。

・後藤久美子デビュー
 おニャン子クラブが躍進を続ける中、翌年以降「おニャン子」を排斥し、解散に追いやる(?)「美少女」が台頭を始めました。その一号が後藤久美子「ゴクミ」です。翌年からは「ヤルキ、ゲンキ、ナマイキ」のキャッチフレーズで、活動を本格化していきます。年齢の割に精悍な顔立ちの彼女は、同年代よりもむしろ同年代の娘を持つ父親の年代の男性に人気だったとの説があります。以降、ツッパリスケバンではない、強い女性が増えていきます。

・「OHエルくらぶ」放送開始
 各企業のOLが回ごと出演し、各社ごとの特徴やランチ模様などを面白おかしく紹介する番組です。いわばOL版おニャン子クラブともいえます。都会で働き、暮らすことがお洒落だとされ始めたことのあらわれでもあり、以後、地方に生まれ育った女性でも、高校を卒業すると都市部へ出ることが基本となっていったとも言えます。

・大映テレビドラマの人気低下
 大映テレビが製作するドラマは、「スチュワーデス物語」で人気が始まり、「不良少女と呼ばれて」や「スクールウォーズ」で人気を博していました。この年は「この子誰の子」(演:杉浦美幸)が放送されましたが、さすがに大げささや嘘くささが飽きられ始めていました。

・TBS若者向けドラマ人気加速
 1984年の「うちの子にかぎって」、1985年の「毎度おさわがせします」で、ドラマに新しい風を吹き込んでいたTBSは、さらにその傾向を加速させます。
「セーラー服通り」では女子高生の日常を、「痛快OL通り」では同じくOLの日常と恋愛を描きます。「男女7人夏物語」は、古典的となっていた若者群像ドラマを近代化したもので、トレンディドラマの始まりの一つの作品とされています。

他局でも、フジテレビは中山美穂主演で「な・ま・い・き盛り」を製作します。お色気要素は当時としては控えめにする一方で、明るく楽しく適度にじゃじゃ馬な中山美穂演じる主人公女子高校生が特徴でした。以後、中山美穂は「視聴者層の友達やお姉さん」的人気を得ていきます。

・「太陽にほえろ!」放送終了と「あぶない刑事」放送開始
 石原裕次郎自身の病気の進行が番組終了の理由ですが、視聴率は徐々に落ちていました。都会で挫折する若者を描くことが得意なドラマでしたが、この時代では古くなりつつあったのです。その後、脚本賞化と次の番組準備のために、3か月間「太陽にほえろ!partⅡ」が放送されますが、長寿番組の終了に多くの人は「昭和は末期に差し掛かっている」という感覚を持っていました。

一方、日曜日夜に放送が始まった「あぶない刑事」は、前番組の「誇りの報酬」ひいては、1970年代の「俺たちの報酬」に端を発した「バディ刑事もの」です。当初はハードさを売りにしていたようですが、徐々にコミカルな要素を加えて人気を博していきます。刑事の仕事に命を懸けなければ犯人や被害者にも感情移入しない主人公たち、とくに悩みなく犯罪をしている犯人、そして洋楽的な「おしゃれな」劇中曲で人気を博していきます。

・アニメーションの方向性転換
 前年に放送が始まった「TOUCH」は、おもちゃを売らないアニメながら、ヒットしていました。この年は「めぞん一刻」が始まり、アニメながら恋愛要素が受け入れられたり、高橋留美子風美女に魅せられていました。

テレビ朝日は「宇宙船サジタリウス」で擬人化した動物が宇宙船に乗って各星をめぐっては冒険したり人助けをするアニメです。地味ながら魅せるストーリーでロングラン放送となりました。

また、フジテレビは「あんみつ姫」を放送します。何度もリバイバルする古典作品ですが、アニメ版は活発なあんみつ姫の冒険的物語となっており、ここでも女性が活躍する姿が描かれています。

・男性ファッション誌「Men’s NON・NO」創刊
 1960年代半ばにVANなどのジャケットが流行して以降、男性のファッションという分野はありませんでした。そもそもファッションをするのは女性で、男性でファッションをしているのは
「男らしくない」
「男は中身で勝負(女は外見?)」
「見た目がかっこ悪い方が中身が充実している」
などと言われていました。それが、いよいよ男性にもファッションをしてよいという空気が流れてくるのです。

・ファミコンブーム本格化
 1985年に発売された「ゼビウス」がキラーコンテンツとなって、ファミコンブームが進んでいきます。この年はヒットはないようですが、「ファミコン必勝本」「勝ファミコン」「ファミコン通信」などと、ファミコンのゲームを紹介したり、ゲーム中の技を紹介する本が次々創刊されました。さらに国際的人気となった「スーパーマリオブラザース」は翌年、社会問題から歴史になった「ドラゴンクエスト(Ⅲ?)」は、さらに翌年の発売です。ファミコン雑誌などで人気があった「高橋名人」と「毛利名人」が主演する映画も製作されたようです。

・衣笠祥男選手、2000試合出場
 広島カープの選手だった衣笠選手は、特別活躍するスター選手ではなかったものの、2000試合に出場します。最後は体を壊していたようで1打席出場などと言うこともあったそうですが、余力を残して引退しテレビで活躍した江川卓選手と対比、ボロボロになるまで働いた姿が賞賛されました。

・霊能タレント「冝保愛子」デビュー
 デビューと書きましたが、確か普通の主婦の方だったはずです。霊能力に優れているとされ、各種の霊能番組、果てはバラエティ番組に出演していきました。すでに霊能番組は十数年放送されていた時期でしたが、霊能者のタレント化は初めてでした。以後、彼女やその他の人を祭り上げた霊能バラエティ番組が増えていきます。

・石原真理子、プッツン行動が止まらない
 引き締まった顔立ちとスタイルで人気があった女優の「石原真理子」が、数々の恋愛ゴタゴタを起こしたり、逃避行を演じたりと突飛な行動が目立つようになっていました。この行動はテレビワイドショーや週刊誌の格好のネタにされ、この突飛な行動を「プッツン」と呼び、彼女のことも「プッツン女優」と呼ぶようになりました。
しかしこの「プッツン」は、ほどなく脳の血管が切れることになぞらえて「すぐに怒る人」や「怒ること」へと意味が変化、さらに言葉が「キレる」に変化していきます。

・ニュース的バラエティ番組増加
 1984年に「中村敦夫の地球発22時」という番組が放送開始、ドキュメンタリー的に物事を紹介する番組がありましたが、さらに平易な内容とした「日本が知りたい」「なんてったって好奇心」などの番組が始まりました。バラエティと言ってもお笑いではなく、見終わって何となく賢くなったような気にさせられるこれらの番組は、以後ドラマに変わって増加していきます。

 いかがでしょうか?エンターテインメントの分野でも、昭和50年代の色合いを強く残した番組が終了し、バラエティ色が強いものが増えていることがわかると思います。バブル期はまだですが、この時代に「まじめになる」ことは、カッコ悪いことであり、場合によってはいじめの対象にされたり、異性から嫌われることにもつながりました。日本人が勤勉さを失い始めた時代だったのですね。
ブログ一覧 | 歴史 | 日記
Posted at 2024/02/23 19:34:15

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

関連記事

静岡ローカルのお弁当どんどんのCM ...
maccom31さん

海活は終わ? ポロで牽引JET夏艇 ...
227B コミュさん

フォー・オール・マンカインド
hyperspaceさん

映画「クローバー」を観て…
jan-u1997さん

1/14放送のクールジャパン
彼ら快さん

新空港物語第5話放送から30年経過
石狩港302さん

この記事へのコメント

2024年2月25日 8:53
私もそのドラマを見て見たくなりました。
当時は中学生で何げなくTVやドラマを見ていましたが、今思えば86年はいろいろな意味でいわゆる古き良き昭和の最後だったのかなあとも思います。
その後はTVの影響か、女性がとても強くなっていった印象がありますね。
コメントへの返答
2024年2月25日 16:19
こんばんは。
「不適切にも~」はまだ5話が終わったばかりで、しかも5話はその前4話と違ってシリアス性が出てきました。味わい深いお話しになっていくような気がします。配信もありますので、お勧めです。

1986年は、昭和天皇の具合はまだよかったのですが、前年の専売公社と電電公社の民営化、翌年の国鉄民営化、そして長期間放送されていたテレビ番組が次々に終了していくなど、昭和末期感が強まっていきました。

女性の強さの件は別途書くつもりです。オイルショックで減速してしまったウーマンリブが、名前を変えて再燃していった時代だといえます。

プロフィール

「サザエさんを見ています。タラちゃんの声優さんが変わりましたが、ほとんど違和感がありません。今度の声優さんの貴家さんに対するリスペクトを感じます。」
何シテル?   03/05 18:43
小さい頃、トラック野郎を見てトラックが好きになりました。その後「太陽にほえろ!」のカーアクションを見て、乗用車も好きになりました。カーグラフィックTVや新車情報...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/5 >>

   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

リンク・クリップ

FYRALIP ボンネットスポイラー 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/03/29 08:35:40
CUSCO テンションロッドバー 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/06/25 15:58:08
CAR MATE / カーメイト First Classes バンパーガード170 クロームシルバー 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2022/12/17 18:22:35

愛車一覧

トヨタ コロナ トヨタ コロナ
 自己所有の主力車種です。車いじりと「維持」を中心に使っています。昭和55年式の前期型で ...
マツダ グランドファミリア マツダ グランドファミリア
 1972年頃購入とのことです。ファミリアではなく、グランドファミリアです。同時期のサバ ...
日産 サニー 日産 サニー
 1981年春ごろ、当時同居していた叔父の所有するカローラのセールスマンのつてか何かで、 ...
日産 ブルーバード 日産 ブルーバード
 1982年秋、事故で廃車になったサニーの代わりに買った車です。910型、白の4ドアセダ ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2005年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2004年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2003年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2002年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2001年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2000年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation