2007年11月01日
グリプス2は、ハマーンの手によって、その機能を停止した。
月面の都市グラナダは、一時危機から逃れる事ができたかに見えたが、ハマーンは、ティターンズのジャミトフに会おうとしていた。
ハマーンは、先のグリプス2への攻撃が誤爆であったと取り繕う為、ジャミトフへの謁見を申し出る。
ジャミトフ「ハマーン・カーンか」
ジェリド 「はい。破廉恥この上ない女です」
ジャミトフ「君はどうやって生き延びて来た?」
ジェリド 「私は、ただ敵を倒すまでは自分も死ねない、と…」
ジャミトフ「ハマーンも死にたくはないのだろう。申し出を呑もう。
ハマーンとの会見を外でやる事も了解しよう」
ジェリド 「は。これは…?」
ジャミトフ「お守りだよ、生き抜くためのな。あの女何をするかわからん。
その時は構わん、これを使え。ドゴス・ギアへの連絡もぬかるな」
ジェリド 「はっ!」
ハマーンは信じられない。ジャミトフはジェリドに隠し武器を携帯させた。
その頃、レコアを伴いゼダンの門へ出向くことになったシロッコは、サラにアーガマ監視を命じ、偵察用モビルスーツ“ボリノーク・サマーン”で発進させる。
シロッコ 「よく来た、サラ」
サラ 「あれは…グワダン!」
シロッコ 「私はハマーン・カーンなど信じてはいない。
レコアもそう思っている。サラをここへ呼んだのはそのためだ」
サラ 「ゼダンの門へいらっしゃるのですか?」
シロッコ 「あぁ。私とレコアとでな」
サラ 「えっ!私も、私もお供致します!」
シロッコ 「いや、ゼダンの門は私達だけで十分だ。アーガマも近付いている。
サラには後方の索敵を頼みたい。いいな?」
サラ 「はい」
シロッコ 「信頼している人間にしか、別行動は取らせん。わかってくれ」
サラ 「ご命令ならば…従います」
サラ 「サラ・ザビアロフ、出ます!
サラパプティマス様は、あてつけておられる…。
私をもっと必死にさせるために」
パイロット「サラ曹長、どこで方位修正しますか?」
サラ 「今はこのまま行く」
パイロット「しかし、それだとアーガマの正面に出てしまいます」
サラ 「我々は陽動だ。…あてつけならば、
私もそれに応えてみせます、パプティマス様」
シロッコが自分ではなくレコアを伴ったことを当て付けだと感じたサラ。彼女はシロッコの命令をアーガマへの陽動作戦だと解釈し、監視ではなく攻撃をしかける。これを受けたアーガマは、カミーユのZを発進させる。
カミーユ 「Ζガンダム、出ます!はっ!呼んでいる…。誰なんだ?」
サラ 「来た…。Ζ?カミーユか!左右に展開して挟み込め」
カミーユ 「来るなぁ!」
スコール 「あぁぁ。モノアイを潰したのか!はぁっ?」
カミーユ 「あの新型、どこだ?うっ!…サラ…サラか!?」
サラ 「カミーユ!」
カミーユ 「この距離で撃ったら、そっちもただじゃ済まないぞ!
こんな無茶をして、傷付いて、誰が喜ぶ?」
サラ 「パプティマス様が認めてくださる!」
カミーユ 「利用されているだけだと、なぜわからない!」
サラ 「他人のあなたにわかる事ではないわ!」
カミーユ 「サラ…」
シロッコに心酔するサラの目を開かせようとするカミーユ。戦闘で機体に損傷を受けたサラは、空域に漂う廃棄隕石基地へ逃げ込む。
カミーユ 「えぇい!」
サラ 「放せ、カミーユ!」
カミーユ 「どうしてそんなにムキになる!」
サラ 「パプティマス様のためよ!」
カミーユ 「えぇい!サラは、
もういくらだってヤツのために働いてるじゃないか!」
サラ 「ぐっ!」
カミーユ 「サラを大事にしてるんなら、
こんな危険な事させる訳がないだろう!」
サラ 「違う!あたしはレコアよりも期待を掛けられているのよ!」
カミーユ 「レコア?」
サラ 「そうよ!レコアなんて
あたしにとってはただのあてつけなんだから!」
カミーユ 「やめろ!サラ、目を覚ませ!ヤツに正義なんかないんだ。
サラはそれに気が付いてないんだ」
サラ 「ふっ、わかってないのはカミーユよ」
カミーユ 「うっ…」
サラ 「パプティマス様は、人類の新しい世界を切り開く方だわ」
カミーユ 「利用され、殺されてもか?」
サラ 「あの方の理想のためだったら死んでもいい」
カミーユ 「バカ!死んだら…死んだらお終いじゃないか!死んだら…」
サラ 「カミーユ…」
後を追ったカミーユは、上手くサラを捕まえ、シロッコに正義がないことを説こうとする。しかし、サラのシロッコへの忠誠心は変わらない。
一方、ジャミトフに謁見したハマーンは、話がこじれて決別してしまう。逃亡に成功しグワダンに戻ったハマーンは、アーガマに援軍を要請し、両艦はティターンズのモビルスーツ隊と戦闘になる。
トーレス 「グワダンからの通信です。援護頼む、それだけです」
ブライト 「モビルスーツの出撃準備はできているのか?
ラーディッシュにも連絡しろ」
サエグサ 「ミサイル照準合わせ!
グワダンは避けるように。ミサイル発射!」
サマーン 「カツ、いいな、次だぞ」
カツ 「できない…出撃できない!」
サマーン 「何言ってるんだよ!待機してたろ?!」
カツ 「ジオンのためなんかに出撃できない!」
ブライト 「どうした?」
トーレス 「キャプテン、カミーユから応答がありました!」
ブライト 「何?」
トーレス 「無事だったのか?」
カミーユ 「当たり前だ!今から帰艦する」
トーレス 「待て、直接グワダンの援護に回れ!」
カミーユ 「グワダン?」
サラ 「ハマーンめ、パプティマス様の睨んだ通りだ」
カツ 「はっ!今の声は…」
カミーユ 「ラジャー」
サラ 「ハマーンを助けたというのは本当なのか?
いつかはエゥーゴもあの女に裏切られるぞ」
カミーユ 「毒を制するには、毒をもってと言うだろ」
カツ 「サラ、間違いない!どうして…?」
カツ 「トーレスさん、出ます!」
トーレス 「えぇ?大丈夫なのか、カツ?」
カツ 「大丈夫です」
トーレス 「わかった、頼むぞ」
クルー 「エゥーゴからのミサイルが、ゼダンの門を叩いています」
ハマーン 「律儀な奴等だ。ふふ。ゼダンの門からは追っては来れまい。
しかしジュピトリスがどう動くか。
ガザCの部隊はそのまま待機、ジュピトリスから目を離すな」
バイアランで一気にグワダンへ詰め寄るジェリド。カミーユは捕まえたサラをZに乗せ、グワダンの援護に向かう。カミーユはジェリドと戦闘になるが、サラが操縦の邪魔をし思うように戦えない。
カミーユ 「何をする!」
サラ 「パプティマス様の邪魔はさせない!」
カミーユ 「一緒に死にたいのか!」
サラ 「パプティマス様のためならば構わない!」
カツ 「サラ!どこにいるんだ、サラ!カミーユ、答えて!」
サラ 「カツ!」
カミーユ 「まだわからないのか、離せサラ!」
サラ 「カツ、カツ!」
カツ 「サラ、いるのか?」
カミーユ 「カツ、やめろ!戦闘中だぞ!」
サラ 「カツ、お願いカツ、こんな戦いはやめて。
ハマーンのために戦うなんて」
カミーユ 「よせ、サラ!これ以上カツを利用するな!」
サラ 「グワダンを沈めるのよ、カツ。聞いてる?」
カミーユ 「そんなにシロッコに抱かれたいのか!ぐっ!ん?うっ…」
ジェリド 「もらった!…何?」
カツ 「うおぉぉぉ!」
とうとうZは窮地に追い込まれるが、メタスで出撃してきたカツに救われる。ジェリドはカツの攻撃でバーニアを損傷し撤退する。まんまとティターンズの攻撃を振り切ったグワダン。カミーユも撤退し、サラをアーガマへ連れて行く。
サラ 「カツ、強くなったのね。前とは人が変わったみたい」
カツ 「君のおかげだよ、サラ」
サラ 「え?」
カツ 「人間不信に陥れば、用心深くなるさ」
サラ 「強くなるのはいい事よ。それが好きな人のためなら」
カツ 「君もそうやって強くなったんだね、シロッコのために」
アーガマでは、サラが久しぶりに再会したカツに「強くなったね」と語りかけるが、かつてサラの裏切りで人間不信になったカツはにべもなく応じる。その頃、ゼダンの門に攻撃をしかける為、アクシズが進攻を開始していた。
次回予告
エゥーゴとティターンズは、
ハマーン・カーンの手の内で雌雄を決する形となった。
その結果はハマーンが勝利を得るだろう。
ジェリドの叫びも、レコアの思いも、
大勢の中では悲しいまでに関係が無かった。
次回、機動戦士Zガンダム、天から来るもの。
君は刻の涙をみる・・・
Posted at 2007/11/01 07:57:53 | |
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