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クェス　　　「何？壁になる奴がいる」

　クェスはα・アジールのスカートの下の、２本の脚のように見える、プロペラントタンクを切り離すと、クェスは、その「壁」に向かってαを直進させた。

ギュネイ　　「クェス、そいつはνガンダムだ、手ごわいぞ」

　宇宙に浮かんだプロペラントタンクを避けながら、ギュネイが叫んだ。

クェス　　　「なにが」

　αのバーニアの推進力はギュネイのヤクト・ドーガを置き去りにするほど凄まじいものだった。クェスはその「壁」の戦闘空域に突進した。


アムロ　　　「…」

　アムロはα・アジールからファンネルが放出される前から、その気配を感じ、右手のビームライフルを構えた。αのファンネルがνガンダムに襲いかかるが、アムロはνガンダムのビームライフルで、そのファンネルたちを次々に撃ち落としていった。

アムロ　　　「…子供に付き合っていられるか」

　アクシズ分断のために、時間は無駄にしたくなかった。作戦成功のためには時間的猶予はない。


クェス　　　「なんでさ？」

　相手にされていない、という思惟がクェスを焦らせた。クェスはメガ粒子砲でνガンダムを狙ったが、簡単に避けられ、ガンダムからの牽制のビームライフルをかろうじて避けた。アクシズの方向に向かおうとするνガンダムを追ったクェスのα・アジールにミサイルが直撃した。

クェス　　　「ううっ、邪魔すんじゃない」

　やられた、ということに、自分自身が納得できないクェスは、そのやり場のない感情の矛先を、自分の周囲への敵に向け、アムロの存在を忘れた。
　
クェス　　　「なんなの？」

　クェスは自分の意志をコントロールできずに、怒りに任せ、メガアーム砲を乱射した。
　
クェス　　　「おっちろ、おっちろ、おっちろ」

　クェスのα・アジールを追ってきたギュネイのヤクト・ドーガがアムロのνガンダムを発見した。
　
ギュネイ　　「クェス、ガンダムはこっちだ」

　その声はクェスには届かない。


ギュネイ　　「そこまでだ、ガンダム」

　ギュネイはヤクト・ドーガのファンネルを放出した。　

ギュネイ　　「行けーっ」