C28JA60TAKAのブログ一覧

オペレーター「νガンダムだけ前に出すぎです」

　オペレーターの悲鳴に、ブライトが思わず叱責した。

ブライト　　「援護モビルスーツはどうなってるの？」
オペレーター「頑張っていますが」

　その戦闘ブリッジの上の、通常ブリッジの隅、ハサウェイには違う声が聞こえていた。ハロが、ハサウェイの手からフワッと浮いた。

ハサウェイ　「罵り合っているだけじゃいけないよ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　クェス。それじゃ駄目だよ」

　ハサウェイは立ち上がると、ブリッジのハッチを開いて通路に出ていった。


アストナージ「チェーン、どうすんの？」
チェーン　　「モビルスーツが足りないって」
アストナージ「そりゃ駄目だ」

　チェーンのノーマルスーツがカタパルトデッキにワイヤーで係留されているリ・ガズィに向かうのが、アストナージに見えた。

アストナージ「やめないか、チェーン」
チェーン　　「メインエンジンのひとつは直しました」
アストナージ「そういうことじゃ、うっ」

　アストナージはコックピットに飛びこんだチェーンを追って、やめさせようとしたが、チェーンはそれにかまわず、リ・ガズィのハッチを閉じた。

アストナージ「しっかりしろ、チェーン」
チェーン　　「サイコフレームが多い方がアムロに有利なんです」
アストナージ「チェーン、やめろーっ」

　リ・ガズィの機体が大きく動き、ラー・カイラムから離れた反動で、アストナージの身体が、カタパルトデッキに流れた。その瞬間、そのカタパルトデッキにビームが直撃した。

ハサウェイ　「…」

　爆発の余燼が消えて、カタパルトデッキを覗き込んだハサウェイは、さっきまでアストナージだったノーマルスーツが流れて行くのを見た。ハサウェイがカタパルトデッキで出ていたら、アストナージと同じ運命をたどっていただろう。そしてハサウェイは、そのカタパルトデッキから飛翔するリ・ガズィが、アクシズの閃光のなかに消えて行くのを見た。


　　　　　　　＊　　　＊　　　＊


ナナイ　　　「四番艦、アクシズに入りました」
シャア　　　「よし、核爆弾は地球に激突する直前に爆発するようにセット、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　クルーは収容しろ」

　そう言って通常ブリッジを出ようと歩きかけたシャアに、ナナイが声をかけた。

ナナイ　　　「大佐、もうお止めしませんが、アムロを倒したら？」
シャア　　　「ああ、あとはナナイの言う通りにする。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　戦闘ブリッジに入ってくれ」
ナナイ　　　「はい」

　ナナイは短く答えると、戦闘ブリッジに座っているシートを移動させた。


シャア　　　「いい子だ」

　　　　　　　＊　　　＊　　　＊


ハサウェイ　「ああっ」

　ハサウェイは、カタパルトデッキの右上の甲板に、損傷して係留されているジェガンを見つけた。バランスを崩しながらも、やっとの思いでそのジェガンに流れ着くと、そのコックピットに滑り込んで、前方に広がるアクシズを見やった。

ハサウェイ　「…、あの光の中にクェスがいる。あ、これ動くじゃないか」

　ディスプレーが目の前に浮かび、全視界モニターがオンになった。なぜエンジンが生きているのか、分からなかったが、ハサウェイは夢中で、目の前の宇宙に飛び出した、

ハサウェイ　「ううっ」

　目の前にギラ・ドーガが迫る。ハサウェイの放ったバルカンが、ギラ・ドーガを直撃し、これを撃破した。ハサウェイはクェスに向かって、テールノズルを輝かせた。