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「艦長」
「翼を出せ。浮上してガミラス基地を攻撃する」

いよいよ決戦だ。沖田の命令にヤマトはガミラス基地に向って侵攻を始めた。と、その時。

「前方に爆発確認」

森雪の見つめるモニターに爆発の光が確認できた。古代たちがやってくれた。沖田は確信した。
それはヤマトの第一艦橋からも直接確認できるほど大規模な爆発だった。

「どうしたのだ、ガンツ」

ガミラス基地の司令室のサイレンがけたたましく鳴り響く。

「反射衛星砲が爆発してしまいました」
「そんな、馬鹿な！」
「洪水が押し寄せてきます。脱出しないと危険です」

ガンツの報告にシュルツは唇をかんだ。逃げなければ自分も死んでしまう。

「艦長、ガミラスの艦隊が逃走していきます」
「ガミラスの冥王星基地は終わりだ。
　もう地球に遊星爆弾が降る事はない。長年の宿願がようやく実ったのだ」

ガミラス冥王星前線基地には津波が押し寄せ水没が始まった。逃げ出すのが精一杯だ。

「デスラー総統、冥王星前線基地が全滅しました」

ヒスの報告にデスラーは振り向きもせずに答えた。

「全滅だと？」
「はぁ、シュルツとガンツは、かろうじて艦隊と共に脱出しましたが・・・」
「脱出！戦闘を放棄したのだな？もってのほかだ。
　ガミラス星の帰還は許さん。戦って死ねと伝えぃ！」
「はぁ・・・」
「地球に移り住もうと考えていたが、その前に小雀一羽、たたき落とさねばならん。
　ヤマトか・・・。ハッハッハッハッ・・・」

ヤマトの第一艦橋では沖田が乗組員を前に口を開いた。

「みんな良くやってくれた。
　地球防衛軍が苦杯をなめさせられた宇宙空間で、我々はついに勝ったのだ。
　これで我々の旅の突破口もできた」
「艦長。古代たちを迎えにいかせて下さい」
「あたしも行きたいわ。ご苦労さん、って言ってあげたいんです」
「うむ」

島と雪に返事をした沖田は救助艇の発進を認めた。

「仲良く暮らすんだぜ。この星はこれからもう、お前たちのものなんだ」

冥王星の現住生物には言葉は通じないだろう。それでも古代は言ってやりたかった。

「古代、ヤマトからお迎えだぞ。きっと島のやつだ」
「モリサンモ　イッショデス」

ヤマトからの救助艇がみるみる大きくなった。雪が手を振っているのも見える。
ヤマトのみんなも無事だ。


地球をはじめ、太陽系の星々を制覇していた、ガミラスの前線基地は消えた。
それはヤマトの前途に明るいものを感じさせはしたが、ガミラスの陰謀は深い。
急げヤマトよ、イスカンダルへ。地球の人々は君の帰りを待っている。


人類絶滅まで、あと３００と５４日。人類絶滅まで、あと３００と５４日。