C28JA60TAKAのブログ一覧

「敵が接近してきます。」

古代の目の前のモニターの光点はしだいに輝きを増し、大きくなっていく。

「何をするつもりなんだろう・・・」
「右舷からも来るぞ！」

真田が右舷の敵に気がついた。

「左舷からも来ます！」

相原も大きな声で叫ぶ。非常事態なのは誰の目にも明らかだった。
ヤマト第一艦橋のモニターは、しだいに大きく見えるようになったガミラス艦隊を映し出していた。

「岩盤回転解除！」

ガミラス艦隊の体当たりだ。沖田は悟った。これ以上の攻撃はアステロイドベルトのリングでは防ぎきれない。

「島、船を身軽にして、奴らの突っ込みをかわせ！」
「はい！」

ヤマトを守っていたアステロイドベルトの岩はその回転を止め、弾き飛ばされるように突進してくるガミラス艦隊に向った。
その岩を避けようと進路を変えた艦は味方の艦と激突して爆発した。
全艦が集中しすぎたせいで、そこかしこで味方同士がぶつかりあっている。

その味方同士の爆発を避けるようにシュルツの乗る司令艦が正面からヤマトに近付いてきた。

「うわぁ、だめだ、避けられない！」

島が叫ぶ。モニターに映るシュルツの乗ったガミラス艦は目の前に迫っている。

「デスラー総統、バンザ～イ！」

シュルツは眼前に迫った敵、ヤマトの姿を見ながら、大きな声で叫んだ。体当たりだ。

「古代、ロケットアンカー発射」
「えっ？」

その意図が分からず、古代は沖田を振り返った。

「ヤツの横っ腹に撃ち込むんだ！」
「はい！ロケットアンカー発射！」

古代は身体を傾けて押し込むようにロケットアンカーのスイッチを押した。
発射されたロケットアンカーはシュルツの乗るガミラス艦の右舷に突き刺さってしんろを変えた。
シュルツの乗るガミラス艦はヤマトの第一艦橋を擦るように交差する。第一艦橋が揺れる。

「うお～」

通り過ぎたシュルツの乗るガミラス艦はヤマトの放ったロケットアンカーの鎖に引かれ強力なＧと戦っていた。
ロケットアンカーの鎖が耐えきれず切れる。
その反動でシュルツの乗るガミラス艦は、反転しながら操縦不能になり大きな岩にぶつかって爆発した。

爆発の光が宇宙に広がる中、ヤマトの第一艦橋も重い空気に覆われていた。
冥王星のガミラス艦隊を打ち破ったとはいえ、敵も味方もそのダメージは余りにも大きい。
これが命をかけた戦いなのだ。


ヤマトの修理は間もなく完了した。
ヤマトのアステロイドシップ計画は、２９万６千光年の旅の航行に、一つの目処を与えた。
地球絶滅の危機を刻々と迎えている人類を救えるのは、宇宙戦艦ヤマト、その愛と知恵と勇気しかない。
急げヤマト、その日まで。

地球の滅亡まであと３３８日