2007年11月16日
照りつける太陽。
黒いヘルメットと防御服を着た数人の男がその少女を取り囲んでいた。
警察官 「お前、クェス・パラヤだな?」
クェス 「…」
連行されたクェス・パラヤは、警察署で父親のアデナウアー・パラヤに身元を引き取られた。あっという間のことだった。クェスの父、アデナウアー・パラヤが、地球連邦軍の高官だからできたことである。そうでなければ子供一人を捜索するのに警察など動かせるものではない。
そこにはクェスが最も厭がっている人物がいた。
キャサリン 「あなた、噛みました。クェスが噛んだんです」
アデナウアー「本当か?クェス」
キャサリン 「見てくださいよ」
アデナウアー「お前も乗って」
3人の乗り込んだリムジンが警察を出発した。
警察署長 「ご苦労様であります、アデナウアーさん」
警察官 「なんです、ありゃあ?」
警察署長 「地球連邦政府高官ご一家ってやつだ。
宇宙に連れて行けば不良が直るってんだろ」
警察官 「あれ、奥さんじゃないんでしょ?」
そのキャサリンはチャーター機の中でアデナウアーに聞いた。
キャサリン 「なんで軍用機を使わないんです?」
アデナウアー「軍が動いているんだ。香港からの民間シャトルの方が安全だ」
クェス 「シャアが地球を寒冷化する作戦を、
なんで抑えられなかったの?」
アデナウアー「連邦政府はジオンのシャアが生きているなんて、
信じてなかったんだよ」
クェス 「宇宙に百億の人が住んでいるのよ、
お父さん達はそれを地球から見上げてわかってるつもりで。
その方がおかしいのよ」
アデナウアーの頭がヘッドレストにもたれかかろうとするちょうどその時、その上空ではラー・カイラムの艦隊が、フィフス・ルナ近くの空域に侵攻して、シャアの艦隊と接触を開始していた。
Posted at 2007/11/16 08:03:22 | |
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2007年11月15日
いくつかの戦いの中、一度は敵同士として、そして次に味方となって戦った二人の男がいた。彼等は一人の女性に取り込まれた男たちだった。
刻が経ち、二人の男は、それぞれに己の意志にかられて宇宙(そら)に住んだ。そして三度、あいまみえようとしていたが、それは運命が二人をそのように導いたからではない。二人の意思が、そのように働いたからである。しかしそれは、予定されていたことでもなかった。
もし、彼等は、彼等以外の刺激し合える他者に出会っていれば、二人は、このように対峙することはなかったはずだ。しかし、不幸にして彼等は、その周囲に新たなニュータイプを見つけることはできなかった。
宇宙世紀0093年。
シャア・アズナブルによって第二次ネオ・ジオン抗争が引き起こされた。
逆襲のシャア《 Char's Counter Attack 》
チェーン 「原因はなんです?重量が3キロ減った原因は」
オクトバー「コックピット周辺のフレームの材質を変えたんです。
強度は上がっていますから、絶対危険じゃありません」
チェーン 「当たり前でしょ、弱くなったらたまらないわ。
なんで事前に通知して…」
オクトバー「納期を十日も繰り上げられれば」
チェーン 「…っと。それは ネオ・ジオンのシャア に言ってください。
あの人がこんなに早く隕石落としをしなければ、
こんな事にはならなかったわ」
月にあるアナハイム・エレクトロニクスに新しいが見慣れたシルエットのモビルスーツが横たわっていた。ロンド・ベルの要請に応えRX―78ガンダムの設計思想を受け継ぎ、最新のサイコミュの技術を投入した新型モビルスーツ。その設計にはあのアムロ・レイも参加していた。
チェーン 「これね?」
オクトバー「はい」
それが、 νガンダム である。
Posted at 2007/11/15 08:01:01 | |
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2007年11月14日
グリプス戦役終結後、戦力を温存していたアクシズは勢力を拡大。アクシズの実権を握るハマーン・カーンはザビ家再興を図り、ミネバ・ラオ・ザビを掲げ新たなるジオン「ネオ・ジオン」を僭称する。ネオ・ジオンは各コロニーへ進軍し、まずはコロニー制圧を開始した。
宇宙世紀0088年。グリプス戦役で疲弊したエゥーゴの巡洋艦アーガマが修理と補給のため、ジュドー・アーシタの住むシャングリラへと寄港する。ジュドーと仲間のビーチャ・オーレグらは、アーガマに所属するモビルスーツ、Ζガンダムを盗み出し大儲けしようと画策する。
彼らは、シャングリラに流れ着いたティターンズの敗残兵ヤザン・ゲーブルと共にアーガマに侵入するが、ジュドーは成り行きからΖガンダムに乗り込んでしまう。ヤザンのクルーに対する横暴に憤りを覚えたジュドーはΖガンダムで戦いを挑み、彼の乗り込むミドル・モビルスーツを撃退する。アーガマの艦長ブライト・ノアは、初めてとは思えぬ操縦でΖガンダムを操るジュドーを見て、彼の行動にかつてのガンダムのパイロット達の面影を重ねる。
志願兵ルー・ルカにより、先駆けてコア・ファイターを受け取っていたアーガマは、シャングリラから出航した後ラビアンローズからエゥーゴの最新鋭機ΖΖガンダムを受領。メインパイロットとなったジュドーの活躍もあり、ネオ・ジオンとのその後の戦いにおいて凄まじい力を見せる。
ネオ・ジオンは、地球連邦本部のあるダカールに工作員を送り込み、事実上地球連邦議会は制圧されている状態だった。各コロニーの制圧をほぼ終えたネオ・ジオンは、ついに地球圏を完全に掌握するため地球への降下を画策する。それに対しエゥーゴはアーガマに追撃命令を下し、アーガマも地球圏へと向かう事となった。
降下したネオ・ジオンにより地球連邦政府のあるダカールは占拠されてしまうが、グリプス戦役によって戦力が疲弊しきっていたエゥーゴと地球連邦軍はこれを食い止めることが出来ず、ネオ・ジオンは旧ジオン軍やティターンズ残党をも配下に収める勢いを見せる。更には、ミネバを担ぎ上げたパレードやパーティーを行い、力を見せ付けた。
一方、地球に降下したアーガマはネオ・ジオンを叩くためカラバと合流。地球連邦高官たちに会うためダブリンに向かう。ネオ・ジオンにサイド3を与える事で和平交渉を結び、それに伴いアーガマも武装解除させると言う高官にブライトとジュドーは反発するものの、近衛兵に取り押さえられ地下牢に閉じ込められるが、モビルスーツに襲撃され混乱する最中、ファ・ユイリィに助けられる。
ネオ・ジオンは、マシュマー・セロ率いる部隊により、アイルランドのダブリンにコロニー落としを決行その結果ネオ・ジオンは、地球連邦政府にジオン発祥の地であるサイド3の譲渡を認めさせる。再び宇宙へ戻ったアーガマクルーたちに、地球に降下したアーガマに代わる新造戦艦ネェル・アーガマが与えられ、サイド3を目指す。
一連の作戦で戦局は大きくネオ・ジオン側に傾いていたが、ネオ・ジオンも内部は磐石ではなく、グレミー・トトを中心にした内乱が勃発。グレミー派を立ち上げネオ・ジオンを二分。残ったハマーン派との間で内戦を引き起こす。地球連邦艦隊と合流する予定だったネェル・アーガマは、グレミー派を鎮圧するためアクシズへ向かう。
混乱極める中、マシュマー・セロ、キャラ・スーン(ネオ・ジオン本隊)、ラカン・ダカラン(グレミー派)など主だったパイロットや戦力も相打ちし消滅。またガンダム・チームもクィン・マンサを倒し、搭乗していたグレミー・トトは戦死する。
ネオ・ジオン本隊の最後の砦となったハマーンは、ジュドーに1対1の最後の決戦を挑み、激戦のうえ敗れる。ジュドーが救いの手を差し伸べるもののそれを拒み、ジュドーに未来を託しながら、キュベレイをアクシズの居住ブロックの壁に激突させ、絶命。ネオ・ジオンの自滅的敗北によるエゥーゴの勝利という形で第一次ネオ・ジオン抗争は終結した。
そして…
Posted at 2007/11/14 07:57:20 | |
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2007年11月13日
宇宙世紀0087年3月2日、ティターンズが新型MS、ガンダムMk-IIを開発したとの情報を得たエゥーゴは、サイド7の居住用コロニー・グリーンノア1にクワトロ・バジーナ、アポリー・ベイ、ロベルトの3名を侵入させた。偶然その場に居合わせた民間人の少年カミーユ・ビダンの協力の下ガンダムMk-IIを強奪。この事件を契機に戦火は一気に拡大、ここにグリプス戦役の幕が上がった。
5月11日、エゥーゴのMS部隊は、地上のジャブロー内へ侵入する。しかし既に連邦軍本部は移転していてもぬけの殻であり、地下に一年戦争時の自爆用核爆弾がセットされていた。ジャブローは防衛隊もろとも爆発とともに消滅するが、カミーユ達は間一髪脱出に成功する。
ジャブローから撤退中のエゥーゴMS部隊はカラバのハヤト・コバヤシと接触後、アムロ・レイとも合流する。カラバの輸送機アウドムラはカミーユ達を宇宙に帰還させるため、シャトル打ち上げ基地のあるヒッコリーへ到着するが、ティターンズに協力する地球連邦軍の急襲を受ける。宇宙に帰還予定だったガンダムMk-IIは戦闘に加わり、クワトロ大尉とカツを乗せシャトルは宇宙に向け発進する。
6月29日、ホンコンへ補給に訪れたカミーユ、アムロらを追って、日本のムラサメ研究所から派遣された強化人間のフォウ・ムラサメが搭乗する巨大MAサイコガンダムが到着、2度にわたる強襲をかわしたガンダムMk-IIは敵輸送機スードリからブースターを奪い、再び宇宙へ上がりアーガマへ帰還する。
ティターンズと手を組んだ木星帰りの地球連邦軍大尉パプテマス・シロッコは、新型可変MSガブスレイでアーガマを強襲。迎撃に出たカミーユらは窮地に陥るが、完成したエゥーゴの新型MS「Ζガンダム」が到着、ガブスレイを撃退する。
8月10日、ティターンズは月面のフォン・ブラウン市を制圧するアポロ作戦を開始。一時フォン・ブラウンはティターンズによって占領されるが、エゥーゴはフォン・ブラウン市の発電施設を占拠。ティターンズは撤退する。その頃、連邦議会に出席するため地球に行ったエゥーゴのブレックス准将はティターンズの刺客に暗殺され、クワトロ大尉をエゥーゴの代表に指名して息を引き取る。
エゥーゴはアクシズと接触を計る事を決定。アーガマは、アクシズの旗艦グワダンでミネバ・ラオ・ザビと謁見するものの交渉は決裂。ティターンズもまたアクシズと手を組むべく交渉を計り、ここにティターンズ・アクシズの同盟が築かれた。
11月2日、アーガマは、カラバの支援のためティターンズ占有の基地、キリマンジャロへの衛星軌道からの攻撃を決行。Ζガンダムと百式は地球へ降下、アムロらカラバの協力の下キリマンジャロ基地を破壊する。
11月16日、カミーユとクワトロ大尉を乗せたカラバのアウドムラはダカールへ向かい、ここで開催中だった連邦議会を占拠し、クワトロの演説を全世界へTV中継する。ここでクワトロは自分がシャア・アズナブルでありジオン・ズム・ダイクンの遺児であることを明かし、エゥーゴの目的とティターンズの残虐・非道性を世界中に訴える。ティターンズはこれを妨害すべく通信施設の破壊に出るが、逆にその模様はシャアの演説と共に放送され、ティターンズへの反感を増加させる結果となった。この演説はテロリスト扱いされていたエゥーゴと連邦軍で圧倒的な主流派であったティターンズの立場を入れ替える、大きなターニングポイントとなった。カミーユとシャアはカラバの援護で宇宙に帰還する。
ティターンズのコロニーレーザーの照準がグラナダに向けられたため、エゥーゴはアクシズと手を組み、この事態の収拾に動く。ハマーン・カーンはシャアが頭を下げたことで、これを了解。エゥーゴのMS隊がティターンズを引き付けている間に、アクシズは誤射に見せかけてコロニーレーザーの核パルスエンジンを破壊。コロニーレーザーはその機能を停止する。エゥーゴと手を組んだ様に見せたハマーンだが、ティターンズのジャミトフ大将とも接触を計る。しかしジャミトフとの交渉は決裂、ティターンズと交戦状態に入ったアクシズはアーガマに援護を要請することとなる。
ジャミトフとの交渉が決裂したハマーンは、小惑星アクシズ本体をゼダンの門に激突させる。ティターンズの艦隊は激突間際に脱出するが、本拠地を失う。更にアクシズは、手薄になったグリプス2に軍を送り制圧することに成功した。ティターンズとエゥーゴは、この戦いで戦力を消耗してしまう。
ジャミトフはシロッコを交えアクシズ旗艦グワダンでハマーン、シャアと会見する。混乱する艦内でついに本性を現したシロッコは、ジャミトフを暗殺。その罪をハマーンに着せ、ティターンズの実権を握る。
宇宙世紀0088年2月2日、エゥーゴはアクシズの手中にあるグリプス2のコロニーレーザーを奪取するため、コロニーレーザーを渦のように取り囲み奪取するメールシュトローム作戦を発動。作戦は成功し、コロニーレーザーはエゥーゴの手に渡った。
アクシズは、コロニーレーザーを奪われた報復として、自身らの象徴でもある小惑星アクシズをグラナダへと落下させようとするが、皮肉にもそのコロニーレーザーによりアクシズの軌道が変わり失敗に終わる。アクシズは戦いがまだ続く事を察知し、主要な艦を撤退させていたため被害を最小限に食い止めた。シロッコは戦力の回復を狙って撤退しようとしたが、死者の魂を取り込んだΖガンダムの前に撃破され、戦死した。そして、エゥーゴの勝利でこの戦争は終結した。
Posted at 2007/11/13 07:56:44 | |
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2007年11月12日
宇宙世紀0080年1月1日、指導者であったザビ家一党を失ったジオン公国は、議会により共和国としての体制を整え、地球連邦と終戦協定を結ぶ。これにより一年戦争は終結した。
ジオン共和国に対する戦争責任の追求は終戦処理の過程で連邦政府の懐柔という形でうやむやにされ責任は旧公国、乃ちその指導者だったザビ家にあると見なされた。そのザビ家が全員死亡しているため戦争責任は発生しないというのが連邦政府の方便であった。連邦軍では戦時中、最も活躍したホワイトベース隊を英雄に祭り上げ戦争のプロパガンダとして利用した。「独裁専制のジオン公国をうち破った解放軍」として。
しかし、地球連邦の前途には難問が山積みであった。開戦前に110億人だった人口は55億人に減少し、地球はコロニー落下の影響により異常気象に見舞われ、農業が奮わず食糧自給率が低下。男子はほとんど兵士に徴用されて労働力も激変し、女性や子供の死亡率もけっして少なくなかった。加えて連邦上層部でも、レビル将軍はじめ有能で良識的な人材が戦場で数多く失われたのに対して、レビルが「ジャブローのモグラ共」と評していた腐敗官僚や上級将校は生き残って再び自らの権益に腐心した事から、行政・治安は悪化の一途を辿った。
高まる民衆の不満の矛先をかわす為に、連邦政府は旧ジオン市民を始めとするスペースノイドに対する憎悪と差別を煽って彼らへの弾圧を強め、遂には一部のアースノイド至上主義者により結成された特務部隊ティターンズによるスペースノイド虐殺事件・30バンチ事件に至る。対してスペースノイド出身者を中心に反体制の動きが強まり、エゥーゴ(反地球連邦運動組織)の誕生に至る事になる。
宇宙では公国領のサイド3、中立によって戦火を免れていたサイド6、不可侵とされていた月の各都市以外は壊滅的な打撃を受けた。こうした諸問題に対し政府が取った政策は再び強権的とも言える各スペースコロニーへの支配力強化と搾取であった。戦争は終結したものの、後の戦乱の火種は既に生まれていた。
ジオン軍の多くは拠点を失った。ソロモンは連邦軍基地となり、ア・バオア・クー、サイド3はジオン共和国の管理下になり、地球上に残った者達はアフリカなどでゲリラ化、地球上の占領基地は連邦軍に奪還された。多くのジオン兵は連邦に投降するものの、ア・バオア・クー攻防戦参加部隊、グラナダ・サイド3駐在部隊は投降せず戦力を維持したまま逃亡、潜伏する者達も数多くいた。
Posted at 2007/11/12 20:28:20 | |
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