2007年11月09日
エマ 「カミーユ、静かね」
カミーユ 「しゃべったら疲れますよ。落ち着いたらアーガマに戻ります。
しばらく辛抱してください」
エマ 「カミーユ、私の命を吸って」
カミーユ 「え?」
エマ 「私の命を吸って。そして勝つのよ」
カミーユ 「中尉」
エマ 「あたしは見たわ。Ζガンダムは人の意思を吸い込んで、
自分の力にできるのよ。だから…」
カミーユ 「そんなこと…」
エマ 「うっ…できるわ!そして、戦いを終わらせる。
それをあなたがやるのよ、カミーユ・ビダン!」
戦闘空域を漂っていた廃艦の中に重症のエマを連れ込み介抱するカミーユ。ヤザン戦で超常的な能力を見せたZを見ていたエマは、カミーユにZが「人の意思を吸収」して強くなれることを伝え、戦争終結を託して息を引き取る。しばらくエマの亡骸を見つめていたカミーユは、何かを思い立ったようにZで戦場へと戻っていく。
ブライト 「どうだ、サマーン?」
サマーン 「敵の配置、かなり乱れています。数の確認、急ぎます」
ブライト 「もう少し引き寄せれば、5隻や6隻の戦艦は沈められる」
サマーン 「コロニーレーザーを使うんですか?」
ブライト 「そうだ、グリプス2の部隊に暗号で打電しろ!急げ!何だ?」
シーサー 「コロニーレーザー砲に、モビルスーツ3機が向かっています」
ブライト 「カミーユをレーザー砲の守りに回らせろ!」
シーサー 「はっ!」
ブライトは、コロニー・レーザーでティターンズ艦隊を一網打尽にする作戦を発動するが、それをシロッコに察知されてしまう。ジ・Oでグリプス2に向かうシロッコ、続いてクワトロの百式と二人を追ってきたハマーンのキュベレイもレーザー内部に飛び込み、類い希なニュータイプ同士の三つ巴戦へと発展する。
シロッコ 「ティターンズの艦隊をやらせるわけにはいかん!
中心部は…あれか!?」
クワトロ 「えぇい、シロッコにレーザー砲を潰させるわけにはいかん!」
ハマーン 「シロッコめ、レーザー砲を潰そうとは…面白い」
クワトロ 「えぇい、これ以上破壊されると発射できなくなる。んぁ!」
ハマーン 「 死にに来たか、シャア! 」
クワトロ 「えぇい、ハマーン!」
ハマーン 「ちっ!」
クワトロ 「えぇい、あ!」
シロッコ 「ぬかったな、シャア!」
ハマーン 「こんなところで朽ち果てる己の身を呪うがいい!」
クワトロ 「そうかな?」
ハマーン 「もしも、私の元へ戻る意志があるのならば…」
クワトロ 「何を言う!」
シロッコ 「道を誤ったのだよ。
貴様のようなニュータイプのなり損ないは、
粛清される運命なのだ、わかるか!」
クワトロ 「 まだだ、まだ終わらんよ! 」
サエグサ 「このままでは狙い撃ちされます。後退します!」
ブライト 「ダメだ、アーガマは囮になって敵を引き付ける!」
サエグサ 「もちませんよ!」
ブライト 「もたせろ!トーレス、コロニーレーザー砲はまだか?」
トーレス 「ブレーカー部分の損傷がひどく、出力が十分ではないそうです」
ブライト 「急がせろ!サエグサ、いつでも離脱できるようにしておけ」
サエグサ 「了解!」
クワトロ 「ハマーン!」
ハマーン 「大した役者だったよ、シャア。
話し合いの余地がないとするならば、
ここがお前の死に場所になるな」
クワトロ 「いや、もう一人役者がいるな」
ハマーン 「ん?」
シロッコ 「ふっふっふ」
ハマーン 「そうだな、こんな芝居じみた事はシロッコの領分だったな?」
シロッコ 「私は歴史の立会人に過ぎんから、
そうも見えるか。が、シャアよりは冷静だ」
クワトロ 「私が冷静でないだと?」
シロッコ 「そうだよ、貴様はその手に世界を欲しがっている」
ハマーン 「シロッコの言う通りだろう、シャア?
ならばザビ家再興に手を貸せばいい。
その上で世界の事を共に考えよう」
シロッコ 「うっ!」
ハマーン 「この小うるさい見物人を倒してな」
クワトロ 「ハマーン、私はただ、
世界を誤った方向にもってゆきたくないだけだ」
ハマーン 「では聞くが、ザビ家を倒しティターンズを排除した世界で、
お前は一体何をしようというのだ」
クワトロ 「私が手を下さなくとも、
ニュータイプへの覚醒で人類は変わる。
その時を待つ」
ハマーン 「私に同調してくれなければ排除するだけだ。
その上でザビ家を再興させる。
それがわかりやすく、人に道を示すことになる」
クワトロ 「また同じ過ちを繰り返すと気付かんのか!」
シロッコ 「世界の都合というものを洞察できない男は、排除すべきだ!」
カミーユ 「それは違う!」
クワトロ 「カミーユ!」
ハマーン 「うっ!」
カミーユ 「本当に排除しなければならないのは、
地球の重力に魂を引かれた人間達だろう?
けど、そのために大勢の人間が死ぬなんて、間違ってる!」
ハマーン 「愚劣な事を言う!」
シロッコ 「生の感情を出すようでは俗人を動かす事はできても、
我々には通じんな!」
カミーユ 「人の心を大事にしない世界を作って、何になるんだ!」
シロッコ 「天才の足を引っ張ることしかできなかった俗人共に何ができた!
常に世の中を動かしてきたのは、一握りの天才だ!」
カミーユ 「違う!」
クワトロ 「カミーユ、退け!」
カミーユ 「嫌だ!」
シロッコ 「ちっぽけな感傷は世界を破滅に導くだけだ、少年!」
クワトロ 「カミーユ!」
カミーユ 「うっ…」
ハマーン 「お前達は…」
シロッコ 「うっ!」
ファ 「カミーユ、早く外へ!」
クワトロ 「行くんだ、カミーユ!」
ハマーン 「うっ!」
クワトロ 「コロニーの外へ出るぞ!」
ファ 「はいっ!」
戦闘の中でお互いの立場が相容れないことを確認したクワトロ、ハマーン、シロッコ。クワトロはジ・Oとキュベレイの連続攻撃に苦戦を強いられるが、カミーユとファが現れ窮地を脱する。
トーレス 「グリプス2、エネルギー臨界!」
サエグサ 「今撃たないとターゲットが逃げます!」
トーレス 「艦長!」
ブライト 「わかっている。レーザー砲の中にはカミーユ達がいるんだよ。
みんなが逃げ出すまで、それまでは待つんだ!」
シロッコ 「一度火を入れたコロニーレーザーは、爆発もするんだぞ!」
カミーユ 「うっ!」
ハマーン 「それ以上偶然は続かんよ、カミーユ」
カミーユ 「大尉!」
クワトロ 「一緒にここを脱出する、カミーユ!」
カミーユ 「あなたはまだやることがあるでしょう!
この戦争で、戦争で死んでいった人達は、
世界が救われると思ったから死んでいったんです。
僕もあなたを信じますから! 」
クワトロ 「君のような若者が命を落として、
それで世界が救えると思っているのか!」
カミーユ 「大尉!」
クワトロ 「 新しい時代を創るのは老人ではない! 」
ブライト 「出てきたのか…?よし、コロニーレーザー発射だ!」
サエグサ 「了解!」
ようやくコロニー・レーザーが動き始め、クワトロ達の脱出後、放たれたレーザーの咆哮は多数のティターンズ艦隊を焼き尽くすことに成功する。
シロッコ 「うっ、こ、これではエゥーゴに勝てん!」
ハマーン 「ちっ!まずいな…」
戦況からザビ家再興に今しばらく時間がかかることを悟ったハマーンは、戦力温存のため主力艦隊の撤退を決め、自身はクワトロと対峙する。
クワトロ 「ん?エネルギー切れ?」
ハマーン 「迂闊だな」
クワトロ 「えぇい!」
ハマーン 「甘いな、シャア」
クワトロ 「何ぃ!」
ハマーン 「これで終わりにするか、続けるか、シャア!」
クワトロ 「そんな決定権がお前にあるのか!はっ!」
ハマーン 「シャア、私と来てくれれば…。うっ…」
キュベレイを戦艦の残骸に叩き付けたものの、満身創痍の百式は遂にキュベレイのファンネル攻撃で四肢を破壊される。絶体絶命のクワトロは頭部のバルカン砲で廃艦を爆発させ、そのまま行方不明となる。
カミーユ 「お前だ!いつもいつも、脇から見ているだけで、人を弄んで!」
シロッコ 「勝てると思うな、小僧!」
カミーユ 「許せないんだ、オレの命に代えても、
身体に代えても、こいつだけは!」
シロッコ 「こいつ…何だ?」
カミーユ 「わかるはずだ、こういう奴は生かしておいちゃいけないって!
わかるはずだ、みんな!みんなにはわかるはずだ!う?」
エマ (あせり過ぎよ、だからいけないの)
カミーユ 「オレの身体を、みんなに貸すぞ!」
エマ (それでいい、カミーユ!)
カツ (現実の世界では、生き死ににこだわるから、
ひとつの事にこだわるんだ)
サラ (だめよ!)
カミーユ 「まだそんなことを言う!」
レコア (サラ、お退き!)
ロザミア (そう、子供にはわからないんだから!)
フォウ (今はカミーユに任せるの!)
サラ (嫌です、パプティマス様は!)
カミーユ 「今日という時には、いてはならない男だ!
わかってくれ、サラ!」
サラ (だめです!パプティマス様は、私の!)
カツ (何でそう、頭だけで考えて。
そんなんじゃ、疲れるばかりじゃないか、サラ)
サラ (だって、そうしないと、あたし…)
カツ (カミーユが見ているものを、見てご覧よ。
あの中にいる人だって、すぐこうして溶け合えるんだ)
サラ (ほんと?)
カツ (ああ)
パワーで勝るシロッコのジ・Oとジュピトリス周辺空域で死闘繰り広げていたカミーユは、次々と現れたエマ、カツ、レコア、ロザミア、フォウ達の幻影から助力を得る。唯一、サラの幻影のみがシロッコを庇おうとするが、カツの幻影に説得され、シロッコを自分達の元へ導く覚悟を決め身を引く。
シロッコ 「ゼ、Ζが…。どうしたんだ?
私の知らない武器が内蔵されているのか?」
カミーユ 「わかるまい、戦争を遊びにしているシロッコには。
この、オレの身体を通して出る力が!」
シロッコ 「身体を通して出る力…
そんなものが、モビルスーツを倒せるものか!」
フォウ (カミーユはその力を表現してくれるマシーンに乗っている)
ロザミア (Ζガンダムにね)
シロッコ 「女の声?」
カミーユ 「まだ、抵抗するのなら!うぉぉぉぉぉ!」
シロッコ 「ジ・O、動け!ジ・O、なぜ動かん!うっ!うぉ!うぉぉ!」
カミーユ 「ここからいなくなれ!」
シロッコ 「私だけが、死ぬ訳がない。
貴様の心も一緒に連れて行く、カミーユ・ビダン…」
カミーユ 「シロッコ…。やったのか?う、あ、光が…広がっていく…」
「戦争を遊びにしている」とシロッコに怒りを爆発させるカミーユ。人々の意思を吸収し、またも超常的なパワーを発揮するZ。ジ・Oは突然制御不能になり、ウェブライダー形態に変形したZの突撃を受け爆発。シロッコの肉体は野望と共に消滅する。しかし、その断末魔はカミーユの精神を崩壊させ、ファの呼び掛けは彼に届かない…。
ファ 「カミーユ?カミーユ、生きてるんでしょ?
カミーユ、返事をして!カミーユ!」
漆黒の宇宙がそこにあった。
Posted at 2007/11/09 08:15:26 | |
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2007年11月08日
宇宙世紀0088年2月20日。
遂にグリプス2周辺空域で、エゥーゴ、ティターンズ、アクシズによる三つ巴の総力戦が開始された。
損壊したアクシズから離れたアーガマは、グリプス2の空域目指して全速で航行していた。その頃、ラーディッシュ以下のエゥーゴ艦隊は、アクシズとティターンズの総攻撃を受けて後退を余儀なくされていた。
クルー 「ルネ、撃沈されました!」
ヘンケン 「ラーディッシュの被爆状況を知らせ!」
クルー 「確認します!」
ヘンケン 「沈むなよ、もうすぐアーガマが来る」
ラーディッシュなどエゥーゴ艦隊が苦戦する中、グラナダから引き返してきたアーガマはモビルスーツ隊を発進させるが、離艦直後にカミーユがジェリド、エマとカツがヤザンのハンブラビ隊に捉まる。
エマ 「カツ、ドッキングするわ。用意して!」
カツ 「わ、わかりました」
ヤザン 「何?うぁ!」
エマ 「カツは退避して!は?カツ、戻って来なさい!」
カツ 「まだ戦えます!」
エマ 「カツ!」
GディフェンサーとドッキングするエマのMk-II。Gディフェンサーから離脱したカツは、エマの制止も聞かずコックピットブロックで参戦する。
ヤザン 「ネズミがチョロチョロと!」
カツ 「そんなもの!」
エマ 「カツ、離れて!」
カツ 「え?あぁ!うわぁぁぁ!」
ヤザン 「なめるからだ」
エマ 「カツー!」
サラ (カツ…人は正直すぎてはいけないのよ。
でも、それが美しい事だって私に教えてくれたのはあなたよ。
だから、私はこの世に生まれてきて良かったと思ってるの。
あなたと出会えて本当に良かったわ、カツ)
カツ 「サ、サラ。また君に会えるんだね」
サラ (そうよ、カツ。)
カミーユ 「ん?カツ!」
ファ 「え?」
クワトロ 「なんだ!?」
ブライト 「カツ!」
ヤザン 「ネズミは仕留めた。次はお前だ」
エマ 「よくも!そこ!違う…。手応えがない」
ヤザン 「もらった!」
カツ (エマ中尉、後ろです!)
エマ 「え?」
ヤザン 「死ねぃ!」
エマ 「あぁぅ!」
一時はヤザンを翻弄したカツだったが、不注意から浮遊する隕石と衝突し、更にハンブラビの攻撃を受け戦死する。激昂したエマはヤザンに猛攻をしかけるが、後ろを取られて被弾する。
ヘンケン 「ん?Mk-IIだ」
クルー 「はい、被弾している模様です」
ヘンケン 「エマ中尉が…」
クルー 「艦長、ラーディッシュ、Mk-IIへ接近させます」
ヘンケン 「だめだ、ラーディッシュは…」
クルー 「エマ中尉をこのまま見殺しにはできません」
ヘンケン 「すまない…。ラーディッシュ前進!目標Mk-Ⅱだ!」
ヤザン 「ふっ、隠れてもムダだ!な、何だ?」
エマ 「ラーディッシュ!ヘンケン艦長!」
ヘンケン 「左弦、敵モビルスーツを叩き落せ!」
エマ 「ヘンケン艦長、無茶です!撃沈されます!」
ヘンケン 「中尉が無事ならいい。ラーディッシュを楯にしろ!」
エマ 「ヘンケン艦長!逃げて!」
ヤザン 「落ちろ!」
エマ 「ヘンケン艦長!」
Mk-IIの窮地を察知したラーディッシュは、ヘンケン以下クルーが一丸となりエマ救出に向かう。しかし、エマの盾となったラーディッシュはヤザンの攻撃をまともに受けてしまい、ヘンケン達はエマの無事を確認して息絶える。
カミーユ 「ラーディッシュが…やられたというのか?うわっ!」
ジェリド 「ふっはっは!カミーユ、掴んだぞ!」
カミーユ 「ジェリドか?」
ジェリド 「そんなことで、このバウンド・ドックは落ちないぜ!」
カミーユ 「貴様のようなのがいるから戦いは終わらないんだ!消えろ!」
ジェリド 「オレを戦いに駆り立てたのは貴様だ!
そんなこと言えるのかよ!
オレは貴様ほど、人を殺しちゃいない!」
カミーユ 「オレは、人殺しじゃない!」
ジェリド 「オレがこの手で殺してやる!
そしたら戦わずに済むだろう。う?ぐあぁぁぁ!」
カミーユ 「あっ…はぁ…はぁ…。みんな死んでいく。
こんな死に方…うぅ…」
カミーユは怒り心頭し、組み付いていたジェリドのバウンド・ドックを払いのけ、ビームライフルの乱射を浴びせる。最初はZの攻撃をかわしていたものの、遂に被弾し衝撃で弾かれたバウンド・ドックはラーディッシュの爆発に巻き込まれる。カミーユによって戦いに駆り立てられたジェリドは、カミーユの手によって最期を迎える。
シロッコ 「ん?不愉快だな、この感覚は」
レコア 「は?」
シロッコ 「生の感情丸出しで戦うなど…。
これでは人に品性を求めるなど、絶望的だ。やはり人は、
より良く導かれねばならん。指導する絶対者が必要だ」
レコア 「この戦いが終われば、人は変わるのでしょうか?」
シロッコ 「変えるのだよ。それをやるのはレコア、君かもしれない」
レコア 「私は、あなたに賭けたのです」
シロッコ 「共に、戦おう」
レコア 「はい」
カミーユは損傷激しいMk-IIをアーガマに連れ帰り、再び戦場へ戻った彼はレコア並びにヤザンと対峙する。レコアとヤザンの攻撃に苦戦を強いられるカミーユ。その頃ハマーン、シロッコ、シャアが戦場で対峙していた。
ハマーン 「モビルスーツ隊を全て出す!狙いはジュピトリスのみ!
ん?シロッコか。何だ?シャアか!」
シロッコ 「来たな!」
ハマーン 「シャア!」
クワトロ 「今度はジ・Oか!」
シロッコ 「そんなモビルスーツで、
このジ・Oと対等に戦えると思っているのか、シャア!」
クワトロ 「えぇい!」
ヤザン 「Ζガンダム、共に死ねぃ!」
レコア 「は!?」
カミーユ 「うぅ、あのモビルスーツ、レコアさんか!」
レコア 「邪魔するな!」
ヤザン 「シロッコの女か!挟み撃ちにするぞ!」
カミーユ 「レコアさん、自分が何をやっているか、
わかっていないんだ。カツだって死んじゃったんだぞ!
ヘンケン艦長だって!しまった!うわぁ!」
レコア 「カミーユ、あなたが迂闊なのよ。
せめて直撃で即死させてあげるわ。あっ!」
エマ 「カミーユ!」
ヤザン 「ガンダム!えぇい!」
エマ 「カミーユ、死にたくなければハンブラビを追って!」
カミーユ 「はい!」
そこへ応急処置をすませたエマのMk-IIが現れ、カミーユはヤザン、エマはレコアと戦闘になる。互いの思想をぶつけ合うエマとレコア。
エマ 「レコアさん、あなたにはカツの声が聞こえなかったの?」
レコア 「カツ?カツがどうしたの?」
エマ 「死んだわ」
レコア 「え?」
エマ 「ヘンケン艦長も死んだわ。あなたは何も感じなかったの?」
レコア 「そうか、あの時…」
エマ 「みんなは感じたのよ。
そしてみんなあの二人のために心の中で泣いたわ。
でもね、レコアさん、あなたが死んでも、
誰も泣いてくれないんじゃない?それでいいの?」
レコア 「誰もいなくていい!それがあたしの選んだ道よ!」
刺し違えた二人だったが、パラス・アテネが爆発しレコアが散っていく。エマは機体から抜け出すが、ヤザンの攻撃で吹き飛んだパラス・アテネの残骸で体を強打する。
カミーユ 「レコアさん、エマ中尉」
ヤザン 「Ζ!逃がさんぞ!」
カミーユ 「貴様、人が死んだんだぞ、いっぱい人が死んだんだぞ!」
ヤザン 「お前もその仲間に入れてやるってんだよ!」
カミーユ 「遊びでやってんじゃないんだよ!」
ヤザン 「何だと?あ、あれは?」
カミーユ 「命は…命は力なんだ。命はこの宇宙を支えているものなんだ!
それを、それを、こうも簡単に失っていくのは、
それは、それはひどいことなんだよ!」
ヤザン 「こいつ、何だぁ?」
カミーユ 「何が楽しくて戦いをやるんだよ!貴様のような奴は屑だ!
生きていちゃいけない奴なんだ!」
ヤザン 「あ、あの光、バリヤーなのか?」
次々と人々が死傷するのを目の当たりにして激情し、ニュータイプ能力が臨界に達したカミーユ。突然、機体にオーラを纏ったZは、ハンブラビのビーム攻撃を弾き始める。逃げ出すハンブラビに追いつきトドメを刺すZ。機体が爆発する瞬間ヤザンは脱出ポッドで離脱する。カミーユは宇宙を漂う瀕死のエマを回収し、二人は空域に浮かんでいた廃艦に辿り着く。
次回《 最終話 》予告
生き残った者たちが行くところは何処だ?
その予測も立たないままに、人は人の生き血を吸う。
シロッコのせせら笑いは、最期のあがきとは思えなかった。
Ζが呼ぶ最後の力。呼び起こすのは誰だ?
次回、機動戦士Ζガンダム、宇宙を駆ける。
君は刻の涙をみる・・・
Posted at 2007/11/08 08:06:14 | |
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2007年11月07日
グリプス2のコロニー・レーザーを奪われたハマーンは、その報復に小惑星基地アクシズを月面都市グラナダにぶつける作戦を発動する。単艦アクシズに追いついたアーガマだったが…
サエグサ 「核を大量にぶつければ、コースを変える事もできますが」
ブライト 「それはできないな。もう月面に近づき過ぎている」
クワトロ 「コロニーレーザーなら消滅できるだろう?」
サエグサ 「そうなんですがねぇ、
ミノフスキー粒子が濃いみたいで、連絡がつかんのです」
ブライト 「ラーディッシュと、か?」
サエグサ 「えぇ。この船のレーザー、弱いですからねぇ。
アクシズの通信施設を使ってグリプスに連絡を取れれば…」
グラナダに近づき過ぎたアクシズには核が使えず、思案したブライトは、コロニー・レーザーの照射で進路を変えようと考える。
ミノフスキー粒子による電磁波障害の為、装備している通信機器ではグリプス2との交信ができないアーガマ。ファやトーレス達はアクシズの通信施設を使うべく無人となった小惑星基地に潜入する。
ゲーツ 「ロザミア、聞こえてるか?よーし、いい子だ。
落ち着いてるな、ロザミア」
ロザミア 「えぇ、お兄ちゃん」
ローレン 「よし、ロザミア、アクシズへ」
バスク 「ヤザン大尉もモビルスーツデッキで待機だ。
ロザミアはいいのだな?」
ローレン 「はっ!ロザミアにはゲーツを兄と思わせることで安定しました」
ゲーツ 「アクシズへ行けば、そこにはアーガマがいる。
Ζもだ。Ζはお前の倒すべき敵だ」
ロザミア 「うん、わかった、お兄ちゃん」
ゲーツ 「さあ、ゆけ!」
精神を操作され、新たにゲーツを兄と思いこまされたロザミアが“サイコガンダムMk-II”でアクシズに現れ、アーガマへの攻撃を開始する。カミーユはZで出撃した。
ロザミア 「あれは、Ζガンダム!」
カミーユ 「なんだ?」
ロザミア 「Ζは倒すべき敵!」
カミーユ 「乗っているのは誰だ?ロザミィ!そうなのか?」
カミーユは、ロザミアを小惑星基地内部へ誘い込み、ハッチを利用してサイコガンダムMk-IIの動きを止める。機体から降りた二人だったが、ロザミアが居住区へ迷い込み、そこで通信施設を探していたファと遭遇する。
ロザミア 「どうしたんだ…?Ζのパイロットを追いかけて、
それから…、うぅぅぅ」
ファ 「あ…ロザミィ!」
ロザミア 「はっ!なぜ私の名を知ってる?」
ファ 「あたし、ファなのよ、ロザミィ」
カミーユ 「フォウ!?はっ…ロザミィ!」
ロザミア 「うぅぅ…」
ファ 「覚えていないの?あなたとあたしは知り合いだったのよ」
ロザミア 「それを捨てろ!」
カミーユ 「ロザミィ、一緒にボートで遊んだこと、覚えていないのか?」
ロザミア 「お前はお兄ちゃんとは違う。あたしはロザミアだ。
ロザミィじゃない。あ、うぅぅ」
かつてのことを思い出せず、ファに銃口を向けるロザミア。そこへカミーユも現れる。カミーユやファと会話することで、精神と記憶が混乱し始めたロザミア。その場を逃げ出した彼女は、再びサイコガンダムMk-IIに搭乗し、メガ粒子砲の乱射を始める。
シーサー 「うわぁぁ!」
ブライト 「どうした?」
シーサー 「は!あのでかいのが、乱射しながら近づいてきます!」
ブライト 「なに!?カミーユは?」
シーサー 「はぁ、もう動いています!」
ブライト 「コロニーレーザーとは連絡が取れんのか?」
シーサー 「まだ、報告は入っていません」
ブライト 「このままでは、グラナダに突っ込む」
ロザミア 「どこなの?お兄ちゃん!」
カミーユ 「ロザミィ、もう一度…もう一度だけ、
あの時のロザミィに戻れ!」
ロザミア 「お兄ちゃん?」
カミーユ 「そうだ、お兄ちゃんだよ。もう一度一緒にボートに乗ろう!」
ロザミア 「違う!」
カミーユ 「やめろ!ロザミィ、
か、かわいそうだが、ちょ、直撃させる!」
この砲撃で窮地に立ったアーガマを救う為、カミーユは断腸の思いでサイコガンダムMk-IIを撃墜する。ロザミアの死はゲーツにも影響を与え、彼は精神異常を起こす。バスクの乗るドゴス・ギアは、シロッコのモビルスーツ隊から強襲を受け、撃沈されてしまう。その時、コロニー・レーザーから放たれた閃光が宇宙を駆け抜けた。
コロニー・レーザーの直撃を受けたアクシズは軌道を変えた。だが、その影でいくつもの命が消えていった。そのどちらもが人の運命を揺さぶっていた。
次回予告
エゥーゴとティターンズの最後の攻防が始まった。
それぞれが出遭わなければ決して失わなかった命が、
宇宙に次々と吸い込まれていった。
戦いは血で飾らなければならない宿命を持つ。
次回、機動戦士Ζガンダム、生命散って。
君は刻の涙をみる・・・
Posted at 2007/11/07 07:55:33 | |
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2007年11月06日
戦いの中、サラ・ザビアロフは死に、カツは悲嘆に暮れた。
シロッコは、ティターンズの総帥ジャミトフ・ハイマンを殺害。
ハマーン・カーンはエゥーゴやティターンズと決別し、自らの手でザビ家を再興させることを決意し、両者は決別した。
トーレス 「おい、Gディフェンサーが動いてるぞ」
シーサー 「発進命令はΖだけじゃないの?」
トーレス 「カツか?」
カツ 「カミーユだけに行かせるものか。サラの仇は、
僕が取らなければならないんだ。Gディフェンサー、出ます!」
ブライト 「カツか!?」
トーレス 「何だ、メタスも?」
ブライト 「…全く」
クワトロ 「私が出ようか?」
ブライト 「いや、いい。
メール・シュトローム作戦の陽動には、ちょうどいい数だ」
クワトロ 「そうだな」
ブライト 「全艦、グリプス2に向けて全速前進!
メールシュトローム作戦、発動だ!」
エゥーゴは、アクシズが掌握しているコロニー・レーザーを奪取する為、レーザーを渦のように取り囲む“メールシュトローム作戦”を発動する。作戦開始を前にハマーンの陽動に出るカミーユのZ。ハマーンへの憎しみを募らせていたカツが無断で後を追う。
ブライト 「モビルスーツ隊発進!メールシュトローム作戦、開始!」
クワトロ 「クワトロ・バジーナ、百式、出る!」
エマ 「ガンダムMk-II、エマ、出ます!」
ボティ 「リックディアス、出る!」
クワトロ 「ボティ中尉は私に続け。第一攻撃目標は、
コロニーのマイクロウェーブ受信パネルだ」
ボティ 「了解」
ハマーン 「戦力は圧倒的にこちらの方が上だ。
最初の攻撃さえしのげば良い」
艦長 「はっ!」
ハマーン 「隙だらけの布陣を敷いているからつけこまれるのだ。
エゥーゴめ、艦隊行動も素早いようだな。
ん?な、何だ?鳥肌が立っている。何だというのだ」
カミーユ 「やはり、間違いない。あの中にハマーンはいる。
必ず出てくる。早く来い、ハマーン!」
クワトロ 「あれか!?」
ボティ 「大尉、グリプス2のブレーカーを破壊しました」
クワトロ 「よし、これで電気系統は遮断した」
グリプス2のコロニー・レーザーを無力化する為、エマ隊がアクシズ部隊の注意を惹き、その間にクワトロ隊がコロニーのマイクロウェーブ受信パネルとブレーカーを破壊。レーザーの電気系統を遮断されたアクシズは、艦隊戦においても未熟さを露呈し、徐々にエゥーゴに押され始める。
カミーユ 「ハマーンめ、何をしてる?」
クルー 「エゥーゴの艦隊がグリプスを取り囲みました!」
艦長 「我が艦隊は居眠りでもしているのか!?
一ヶ所でも突破できんのか!」
ハマーン 「キャプテン、キュベレイの発進準備だ。
奴らのペースに乗せられ過ぎだ。見てはおれん!」
艦長 「ハマーン様!」
ハマーン 「誰かが私を見ている」
アクシズ兵「ハマーン様、敵モビルアーマーが接近中です」
ハマーン 「そうか。キュベレイ、出る!」
カツ 「キュベレイ?ハマーンだな!」
ハマーン 「ん?違うな、さっきのプレッシャーはこいつではない」
とうとうレーザーの周囲をエゥーゴに押さえられ、業を煮やしたハマーンはキュベレイで出撃する。それを見つけたカツは、すかさずGディフェンサーで攻撃を開始するが、ハマーン隊のガザCに捕まってしまう。しかし、カツを心配して独断で出撃してきたファのメタスに窮地を救われる。そこへ、ハマーンを待ち受けていたカミーユが現れる。
ハマーン 「ん!?シャアか?違う!誰だ?」
カミーユ 「ハマーン・カーン、お前は戦いの意思を生む源だ!
生かしてはおけない!」
ハマーン 「ニュータイプか!?」
カミーユ 「ハマーン、お前は人を不幸にする!」
ハマーン 「俗物が私に!」
カミーユ 「うっ!」
ハマーン 「うっ!なんだ?」
エマ 「え?」
クワトロ 「この感覚…」
ハマーン 「ここは…どこだ?」
カミーユ 「はぁぁぁ…。誰だ?フォウとも違う。
ロザミィでもない。レコアさんか?お袋?まさか。
でもずっと以前に出会っていたような、そんな気がする」
ハマーン 「シャア?シロッコだと?どういうことだ、
これは?うっ!あたしだ。夢?」
カミーユ 「同じものを見た。人はわかり合えるんだ」
ハマーン 「わかり合える?そういうことか」
カミーユ 「そうだ」
ハマーン 「気易いな。Z、私を迷わせたのは貴様か!」
カミーユ 「やめろ、ハマーン!」
ハマーン 「よくもずけずけと人の中に入る!恥を知れ、俗物!」
カミーユ 「やめろ!僕達はわかり合えるかもしれないだろ!」
ハマーン 「黙れ!貴様もシャアと同じだ!
貴様は確かに優れた資質を持っているらしいが、
無礼を許す訳にはいかない!」
カミーユ 「うぅっ!」
ニュータイプ同士の戦闘の中で互いの精神が邂逅したカミーユとハマーン。
カミーユは「人は解り合える」と主張するが、ハマーンはこれを拒む。
現実に引き戻された二人は再び激しい戦闘を繰り広げるが、割って入ったカツやファがキュベレイの攻撃を受けてしまう。カミーユは最早ハマーンを倒すしかないと感じるが、結局トドメをさせず逃がしてしまう。
カミーユ 「大尉!」
クワトロ 「無事だったか。アーガマに戻るぞ」
艦長 「ハマーン様、ご命令通り全艦撤退致しました」
ハマーン 「艦隊を立て直し次第、反撃に移る」
艦長 「はっ!」
侍女 「ミネバ様から、ハマーン様に味わっていただくよう、
戦闘ご苦労であったと」
ハマーン 「ミネバ様が?…時代は確実に動いている」
侍女 「は?」
ハマーン 「倒すべき敵…それはカミーユ・ビダン。そういうことか!」
シーサー 「グリプス2に入った部隊から報告です。
残留するアクシズ側の兵士は、全て降服、
グリプス2は完全にエゥーゴが制圧した、以上!」
ブライト 「あとはアクシズの進路を変えるだけだな」
トーレス 「モビルスーツ隊、収容完了しました」
ブライト 「アーガマ発進する。全速前進!」
遂にエゥーゴはグリプス2を制圧し、コロニー・レーザー奪取に成功する。
カミーユは無事アーガマに帰艦するが、ハマーンを倒せる状況にありながら、「解り合える」可能性に心揺らいでしまった自分の弱さを悔やむ。
カミーユ 「僕は、チャンスがあったのにハマーンを殺せませんでした」
クワトロ 「気にするな。それは私の役目だったのだろう」
カミーユ 「いえ、僕の脆い心がハマーンの強烈な意思に負けたんです。
それだけです」
クワトロ 「危険だな、カミーユ。それではアムロ・レイの二の舞になる」
カミーユ 「そうでしょうか」
クワトロ 「アムロは自らの魂を解き放つのに7年もかかった。
それは地獄の日々だった」
カミーユ 「はい」
メールシュトローム作戦は終了し、アーガマは単独でアクシズを追った。直接アクシズに乗り込み、グラナダへの針路を変更させるためである。
次回予告
ロザミアのサイコ・ガンダムは、ロザミアの命を引き換えに、
その性能を十分に発揮した。
しかし、その戦いの中でカミーユは、
懐かしい声を聞くのだった。
次回、機動戦士Zガンダム、ロザミアの中で。
君は刻の涙をみる・・・
Posted at 2007/11/06 07:36:13 | |
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2007年11月05日
レコア 「ジャミトフは動くのでしょうか?」
シロッコ 「動くよ。私がハマーンと会うと、
ジャミトフには言ってあるからな。どうした?」
兵 「ジャミトフ准将からの返答がありました。
准将もグワダンに行く、それまで事を起こさぬようにと」
シロッコ 「わかった。ふふふ、はっはっは、堪えられずに動くか、
ジャミトフ・ハイマン。ジ・O、出るぞ!」
レコア 「パラスアテネ、出ます!」
サラ 「ボリノーク・サマーン、出ます!」
ハマーンと会談する為、レコアとサラを伴い重モビルスーツ“ジ・O”でグワダンへ向かうシロッコ。彼からの報告でこの会談を知ったジャミトフも同席することを決める。
一方、ジュピトリスとグワダンの通信を傍受したアーガマもこの会談を知る。
トーレス 「ジュピトリスの出した通信を傍受した。
シロッコがハマーンと接触するらしい」
カミーユ 「シロッコがハマーンと?」
ブライト 「エマ中尉もこのまま待機してくれ」
エマ 「はい」
トーレス 「緊急発進?Gディフェンサーのカツが?」
ブライト 「とめさせろ!」
トーレス 「カツ、止まれ!」
カツ 「カツ、出ます!」
カミーユ 「トーレス、Ζガンダムで出る。カツを追いかける」
エマ 「艦長、カミーユに任せましょう」
ブライト 「他のモビルスーツは待機、いつでも出られるように」
カツはサラをシロッコから開放しようと無断出撃。カミーユはΖで後を追う。
クワトロ 「とてもお上手です。感服いたしました」
ミネバ 「それは良かった。
お前が苦しんでいたようなので、気にしていたのだ」
侍女 「そろそろお時間でございます」
ミネバ 「時間があれば、父上様や母上様の話を、
もっとシャアに聞けたのになぁ」
クワトロ 「どちらへいらっしゃるのです?」
ミネバ 「他の船へ移るのだそうだ」
侍女 「ミネバ様」
クワトロ 「ミネバ様…。(ミネバが動く?)ハマーンめ」
レコアのパラス・アテネを艦外に待機させ、サラとグワダンへ乗り込んだシロッコ。しばらくして、カツもアーガマからの通信兵を名乗り着艦する。カツを追ってきたカミーユのZもグワダンに滑り込むが、強行着艦した彼はアクシズの兵士に捕らわれてしまう。カミーユはそこでシロッコに付き添ってきたサラを見つける。
カミーユ 「サラ!」
サラ 「私はこの船のクルーじゃないのよ。止めには行けないわ」
カミーユ 「放っておいたら、
カツはシロッコとハマーンを殺すかもしれないんだぞ!」
アクシズ兵「何だと!?」
サラ 「嘘よ。カツに殺せる訳がないでしょう?」
カミーユ 「カツが君に何をした?
君をただの女の子として扱っただけだろう!」
サラ 「…カツ」
艦内でシロッコを探していたカツは、ミネバに謁見しに来ていたクワトロに出会う。事情を聞いたクワトロはカツを戻し、シロッコとハマーンを倒しに向かう。
ジャミトフ「ゼダンの門が落ちたとき、お前の姿を見なかったな?」
シロッコ 「心苦しく思っております。
ジュピトリスが好きに動いてくれませんでした」
ジャミトフ「貴公の報告は読んでいる。
多少気がひけて、ハマーンに会う気になったのか?」
シロッコ 「はい」
ジャミトフ「まあいい。青酸ガスの準備が遅れているのか、ハマーン?」
ハマーン 「地球の連邦軍も、そろそろティターンズと
手を切りたがっているという話ではないか」
ジャミトフ「冗談ではない。状況はそう簡単に変わるものではない」
ハマーン 「まあそれはどうでもいい。私は宇宙の力を手にした。
引力に魂を引かれたティターンズなど、恐れるに足らん」
ジャミトフ「大した鼻息だな。
私に組する最後の機会を、与えてやろうと思ったのだが」
ハマーン 「そちらこそ、私に付けば良いものを。
お前はどうなのだ、シロッコ?」
シロッコ 「地球の引力に魂を引かれた人間が、
宇宙の民を率いていけないという君の意見は正しい。
しかし私は、ジャミトフ閣下に忠誠を誓っている。
この自分の血でな」
ハマーン 「このグワダンで、
私を殺したらどうなるか、わかっているだろう?」
シロッコ 「もちろん。しかしお前を生かしておくよりは危険が少ない」
ハマーン 「それも考えようだな」
シロッコ 「ん?」
ジャミトフ「何だ?」
シロッコ 「うっ!」
クワトロ 「うぉ!」
ハマーンとシロッコ、ジャミトフの会談は険悪な状態になっていたが、そこへ乱入したクワトロの射撃でシロッコが右肩を負傷し、シロッコの危険を察知したサラがボリノーク・サマーンで会談場を砲撃する。
ジャミトフ「あ、あぁ…。シャアは。シャアはどうした?ハマーンは?」
シロッコ 「ここには我々しかいませんよ、ジャミトフ閣下」
ジャミトフ「シロッコ、貴様!」
シロッコ 「そういうことだ。すまないな、ジャミトフ」
サラ 「はっ!パプティマス様!」
シロッコ 「サラか」
サラ 「お怪我を?」
シロッコ 「かすり傷だ」
サラ 「でも」
シロッコ 「ジャミトフ閣下がやられた」
サラ 「え?」
シロッコ 「聞こえるか、全ティターンズ艦隊。
これはジャミトフ・ハイマン閣下の遺言である。
ジャミトフ閣下は、ハマーン・カーンの手によって暗殺された。
直ちにグワダンを叩け。これは閣下の弔い合戦である!」
混乱に乗じたシロッコは、ジャミトフを暗殺しサラと共にグワダンを脱出する。ジャミトフ暗殺をハマーンの仕業に仕立て上げたシロッコは、ティターンズ艦隊にグワダン総攻撃を命じ、自らはジ・Oでハマーンのキュベレイと対峙する。
シロッコ 「出て来たか、ハマーン!サラ、レコア、来い。
狙いはキュベレイ1機だ!」
ハマーン 「シロッコめ、来るか!」
シロッコ 「逃げられはせん!」
ハマーン 「このキュベレイ、見くびっては困る」
シロッコ 「いい気になるな、ハマーン!…見えた!」
ハマーン 「シロッコ…。奴がこれほどの男とは…。しかし!」
シロッコ 「うぁぁぁ!ぐっ、なんていうプレッシャーだ。
だが、あれごときのモビルスーツに!」
しかし、そこへカツがGディフェンサーで割って入り、放った砲撃はシロッコを庇ったサラの機体に直撃する。
カツ 「死ね、シロッコ!」
サラ 「カツ、だめ!」
カツ 「サラ…そんな…」
サラ 「カツ、逃げて…早く!うわぁぁぁ!」
カツ 「あ…」
シロッコ 「貴様か、サラを惑わせたのは!…サラ!」
サラの死に激昂し、カツに銃口を向けるシロッコ。
サラ (カツは、私に優しくしてくれた。だから、逃げて。早く。)
シロッコ 「なに?百式?シャアめ生きていたか。レコア、帰艦するぞ」
レコア 「しかし…」
シロッコ 「お前まで失う訳にはいかんのだ」
レコア 「は、はい!」
幻影となって現れたサラがカツを庇い、カミーユのZやクワトロの百式も参戦したことで、彼はレコアと共に撤退していく。一方、戦闘中にグワダンは轟沈し、ミネバ達は大型艦“グワンバン”に移乗する。エゥーゴとティターンズが互いに戦力を削りあう中、アクシズが存在感を増していく。
ハマーンはグワダンを失った。そしてティターンズはジャミトフを。シロッコはサラを。しかしそれは戦いを、さらに厳しい方向へと招いていった。
次回予告
ブライトはメールシュトローム作戦を始動した。
グリプス2を包囲してその機能を殺し利用しようというのである。
カツは悲しみを晴らすように突進し、それを制止する者はいない。
次回、機動戦士Ζガンダム、宇宙の渦。
君は刻の涙をみる・・・
Posted at 2007/11/05 08:05:29 | |
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