2008年12月10日
「おい、人間じゃないか!」
そこに現れたガミラス人は、肌の色こそ違うが、人間そのものだ。
「そんなバカな!人間にあんな酷いことができるかよ!」
「そうだ、そうだ!」
「でも見てご覧なさいよ!
あたしたちとちっとも変わらないじゃない!」
佐渡がグローブをはずした左手も、服を取り除いた肌の色もガミラス人特有の青い色をしている。
「ブンセキデキタ ミャクハク90カイ
コキュウ 1プンカン 15カイ
ケツエキセイブン ハッケッキュウ 12000コ
ノウヨウセキ 1600リッポウセンチ
コキュウニヨル タイキセイブン
サンソ 20パーセント タンサンガス 2パーセント」
アナライザーが検査結果を読み上げた。
「我々と同じじゃな・・・」
「やっぱり人間だ」
「ほとんど我々と変わらないじゃないか・・・」
「ああ、青い皮膚を除いてはな・・・」
通路から覗き込んでいた乗組員は口々に驚きを口にした。
雪がその場から離れていく古代に気がついた。
「あっ、古代君・・・」
古代はどこへ・・・
「なんじゃね、古代君!」
古代が移動式のタラップを降りて向った目の前には佐渡がいた。
そして佐渡の向こう側には処置台に横たわったガミラス人が・・・
「ここはみだりに・・・オオッ!」
古代の右手には、怪しげに光るナイフが握られている。
「古代!何をするんだ!」
島が叫んだ。
「こ、こ、古代・・・」
ナイフを持ってガミラス人に近付こうとする古代を佐渡が後ろから抱きとめているが、佐渡の力ではいつまでもつかわからない。
「古代!」
「古代、やめろ!」
「古代君!」
乗組員も間に合いそうもない。
とうとう佐渡は振り放されてしまった。ガミラス人も気がついて、上半身を起こしたところだ。
「貴様!」
古代の持つナイフは、処置台のガミラス人に向けられていた。
Posted at 2008/12/10 07:45:59 | |
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2008年12月09日
「やあ、チーフ!」
「なんだなんだ、お前たちも来たのか?第一艦橋の方はどうなっているんだ?」
医務室に向う廊下には第一艦橋にいるはずの乗組員がいた。
「はい、艦長が留守番であります」
「人気抜群だな。あのガミラスのヤツは・・・」
医務室が見渡せる通路には多くの乗組員が集まっていた。
「いやいや、千客万来だな。ヤツはどうした?」
古代が誰ともなく声をかけた。
「まだ、調査中よ」
雪もそこに来ていた。
「あぁ、佐渡さん、大丈夫だろうな・・・。
物珍しくてひねくり回してるんじゃないのか」
「そりゃ、十分考えられるな」
島も古代の言葉に相槌を打った。
「しかし、ガミラス人っていうのは、どんなヤツなんだろうな。
あの科学力を考えると、そりゃよっぽど知能が発達してるに違いないぜ」
「じゃあ、頭がでっけえのかな・・・」
「それにしても、獣医が宇宙人を診察するなんて前代未聞だぜ」
ガミラス人の入ったカプセルも他の場所で検査が進められているのだろう。
そこから見える範囲には誰の姿も見えない。
「だけど、ガミラス人は獣じゃないの?」
「そうだ。そうでなければ、あんな酷いことはできないはずだ」
雪の言葉に応えて古代がうつむいてそう言った時、島が気がついた。
「おっ、出てきたぞ!」
「ああ・・・」
ガミラス人の乗った医療カプセルが室内に運び込まれた。
しかしそのカバーはなく、ヘルメットを被ったままのガミラス人に乗組員の注目が集まった。
「もたもたすんなよ!もっと手際よく調査できないのかい!」
「佐渡さん、早くしてくれよ!」
「おおい!」
「静かにしろよ!」
佐渡とアナライザーはさまざまな計器を操作し、運び込んだガミラス人の調査を進めている。
「ああ!マスクをはずすわ!」
「何?」
佐渡が注意深くマスクをはずす。
「ああ~!」
Posted at 2008/12/09 08:27:10 | |
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2008年12月08日
先週末、金曜日に下の息子が帰宅しました。
今回は親が二人とも仕事で迎えには行けないという事もあり、初めて一人で高速バスでの帰宅になりました。前日には雨が降りそうだから早めに寮を出るようにと確認の連絡をし、本人も緊張しながらも、初めての一人での高速バスの旅もなんとかなりそうな様子でした。
親としてはテレビの「初めてのお使い」みたいな感じで、気が気ではありません。幸い、息子の高校の寮からバス停までは歩いて15分。自宅に近い高速のバス停で降りてから家までは歩いて20分くらいだし、カミさんが仕事の帰りにバス停までは迎えに行けそうなので、とりあえずバスに乗ることさえできれば、何とかなるだろうと思っていました。
金曜日は16時26分発のバスによる予定だったので、15分くらいにメールを入れました。しばらくして帰って来たメールは・・・
「道に迷いました」
何?道に迷ったってことはバス停に着いていないってこと?
こんなところでつまずくとは・・・
慌てて仕事を抜け出し、息子に電話。
こっちもパニクってしまいましたが、息子は大パニック。
半べそ状態で、もうバスには間に合わないから一端寮に帰って、次のバスで帰るとのこと。仕方ないので、バス停だけは確認して寮に帰るようにと連絡しました。次のバスは18時半くらいの出発だし、到着は19時くらいだからカミさんにも連絡しとかなきゃ、と思っていると、しばらくして息子からメールが。
「間に合いました。まだバスが来ていないみたいです」
発車予定時刻は過ぎていましたがバスが多少遅れていたようです。バスに乗ったら連絡するようにとメールを送ると10分ほどして、バスに乗ったというメールが来ました。
これで、なんとか帰ってこれそうです。カミさんに予定通りというメールを送り、仕事に復帰。その後合流できて、買い物をして帰ると言うメールが来てホット一安心。
昨日の日曜日はクラブがあるというので土曜日の夜には寮へ送っていきましたが「初めてのお使い」ならぬ「初めての帰宅」はなんとか終了しました。息子にとっては良い経験になってくれたようです。
今までは、どこへ行くにも家の車で移動していたので、一人で行動するのは緊張したようです。過保護ではないつもりでいましたが、こんな時のためにもっと一人で行動させておけば良かったのかと、親として少し反省。子育ては難しいですね。
Posted at 2008/12/08 08:30:10 | |
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2008年12月05日
「加藤、左右から牽引ロープを張る。狙いをはずすなよ」
「了解」
漂流しているガミラス艇の速度は上がらない。乗っているガミラス兵も動かない。
古代と加藤は両脇から牽引ロープを発射した。
「古代、捕虜が気がついたぞ。古代よけろ。
あのガミラス野郎の頭、ぶち抜いてやるぜ!」
「ハッハッ、お前も血の気が多いな。逃げやしないよ。
それより生きたガミラス人だ、貴重な資料だぞ」
「なるほど。さすが戦闘隊長、考えることが違うぜ」
ガミラス艇を拿捕し、古代と加藤はヤマトへ帰還した。
「ちぇ、ガミラス艇に人気を取られたぜ」
「まったくだ、俺たちにご苦労さんくらい言っても良さそうなもんだぜ」
ガミラス艇の周りにはヤマトの乗組員が集まり、人だかりができていた。
「よっ、ご苦労さん。なかなか良い資料を持ち帰ってくれたよ」
真田が加藤の肩を叩きねぎらいの言葉をかけた時、
佐渡の声が格納庫に響き渡った。
「さぁ野次馬どいたどいた。どかんかい!」
「あ~古代君、こいつは儂の手にかかる最初の宇宙人じゃ。幸運なヤツだな~」
「ハハ、本人は迷惑だって言ってるぜ」
アナライザーが押す医療カプセルの中には、
連れて来たガミラス人がヘルメットをかぶったまま横たわっていた。
「さぁてと、ガミラス艇の中を調べさせてもらおうかな」
真田はガミラス艇に群がる人だかりの中に入っていった。
「あんまり覗き込んで、食いつかれても知らんぞぉ」
医務室への通路を運ばれるガミラス人の入ったカプセルは、
誰もが興味津々に覗き込んでいた。
「お前たちには、後で見せてやるからな」
「ちぇ、けちんぼ・・・」
ガミラス人が医務室へ入っていった頃、古代と加藤は食堂に来ていた。
「あぁ、腹減った。さぁ、早いとこ飯食って、あれを見にいこうぜ」
「ハッ、チーフも好きだなぁ」
「だってお前、ガミラス人の資料は何ひとつわかってないんだぜ。
果たしてどんなヤツなのか見てみたいだろ?」
医務室では助手のアナライザーが手際よく計器を操作していた。
「カンゼン サッキン カンリョウ」
殺菌剤で見えなくなった医療カプセルの中には、ガミラス人が横たわっていた。
Posted at 2008/12/05 07:53:24 | |
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2008年12月04日
西暦2199年12月。宇宙戦艦ヤマトは銀河をひた走っていた。
予期せぬガミラスの罠、超自然の力に揺さぶられながら、
イスカンダル星を目指している。
万一挫折するようなことがあったら、
それはヤマトの生還を待ち望んでいる地球人類の全滅を意味するのだ。
今こうしている間にも放射能の地下汚染は、
刻々と人類を死へと追いやっているのだ。
急げ、宇宙戦艦ヤマト。
その頃大マゼラン星雲のガミラス星では・・・
「デスラー総統、ドメル将軍がルビー戦線から凱旋してきました」
「ん、わかった」
ガミラス星デスラー総統府では
入浴中のデスラーの元に名将ドメルの帰還が報告された。
「ドメル、ドメル、ドメル・・・」
ドメルの凱旋を人々は喜んでいた。
ルビー戦線での活躍はガミラス星にも伝わっていた。
デスラーが長い階段の上に姿を現すと、
ドメルの連呼はデスラーの連呼に変わっていった。
ドメル将軍は長い階段をゆっくりとデスラーに向って上ってくると、
デスラーの前で敬意を表して手を上げた。
デスラーもそれに応えると、ドメルのための勲章を手にとってドメルに向った。
「総統、ちょっと小耳にはさんだのですが、
ヤマトは冥王星基地を破り、太陽系から外へでてきた」
デスラー勲章を左胸に着けてもらいながら、ドメルはデスラーに言った。
「フッフッフッフッ。もっか銀河系をウロウロしてるようだがな。
暇つぶしにからかってやったのだ」
「総統、よろしければ私が捻りに行って参りましょうか」
「ハッハッ。また君に勲章が一つ増えるだけだろうが、
まぁ、休養半分で軽くやって来てもらおうか」
「ハッ、かしこまりました」
デスラーが勲章を着け終わると、ドメルは階段を降りていった。
そのころ古代は、加藤を始めブラックタイガーチーム5機を引き連れて、
航路パトロールをしていた。
「未確認飛行物体発見!」
モニターを見ていた古代が叫ぶように言うと、すかさず加藤が言葉を返した。
「それだけじゃ、わかんねぇぞ」
「わかってるよ。方位ポイントAXの11。速度8宇宙ノット」
「了解!」
「こらぁ、復唱を忘れるな」
「うるせぇなぁ・・・。方位ポイントAXの11。速度8宇宙ノット」
加藤はめんどくさそうに復唱した。
「行くぞ~!クロスファイア作戦だ!」
古代率いるブラックタイガーチームは、十時に編隊を組み敵を迎え撃った。
「このやろ~、逃げる気か!」
ガミラス軍に対して、ブラックタイガーは優勢に戦いを進めている。
「今度はこいつの番だ。そぉれ、行くぞ!」
「加藤、深追いするな」
「なんだって?一機でも残しておくとタメにならねえじゃねえか!」
「命令だぞ!」
「わかりましたよ。戦闘隊長」
「それより、あの漂流している戦闘艇をひっとらえろ」
「オーケー、了解!」
「ブラックタイガーはただちに帰還せよ。
古代と加藤は漂流しているガミラスの戦闘艇を拿捕する」
Posted at 2008/12/04 08:11:01 | |
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