
寒暖差の著しい日々が続いておりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?ボクが暮らす関東南部は、明日は夏日との予想。築40年超の我が家では、朝晩は今もストーブを焚いており、信じ難い一報でした。
ボクは相変わらず、家の片づけとカービング教室に通いながら、あちこちを徘徊しております。
火曜日のこと。
いつものように、特に目的もなく奥多摩を目指しました。男寡に大切なのは、毎日の暮らしに「変化」を与えること。ルーティンだけの毎日だと、精神的に加齢が進むように思えます。
ここは青梅駅前の青梅街道沿い。
週末や休日に何度か通りましたが、決まって「完売しました」のサインが出ていました。脳裏に引っ掛かっていましたが、この日はなし。コインパーキングにロードスターを入れ、いそいそと向かいました。
おー、何と東京の奥座敷に、ナンと札幌スープカレーのお店!
最後に北海道を訪れたのは、最初の会社に勤めていた頃の出張でしたので、20数年前。当時は札幌スープカレーなるカテゴリーがなく、仕事後に札幌支店の方々にジンギスカンやお寿司のお店に連れて行って貰い、最後はラーメンでしたっけ…。
ちなみに一度、独りで札幌近郊の取引先を訪れたことがありました。
21時頃に終わり、一旦ホテルに戻り、単身夜の街に繰り出しました。目的地はジャズ喫茶 (バー)。当時、全国的に有名だった"ACT"というお店を探しましたが、まるで迷子に…。携帯など皆無の時代。
呑ん兵衛の本能で嗅ぎ付けた「ボクの好みカモ…」。
路面の小料理屋さんに入店。場末に限りなく近いロケーション。
「ガラガラ…」と木戸が鳴ると、左が客席のカウンター、小さなお店。姿はなく、カウンターに立つ中年の着物姿の女性が「いらっしゃい、そこ」と、目前の席を顎でしゃくりました。
ウィスキーをオーダー、
「あたしにも」と言われて乾杯!
何杯か呑み出張で来て土地勘がなく迷子になった旨を伝えると、「それでうちのタモ網に引っ掛かったんだ!あんた、バカダネー!!」と大爆笑。その直後「この辺には、もっと目の細かい網を張っている『一本釣漁船』が、ウジャウジャ浮かんでいるんだよ…」と、真顔で言いました。
もう、ビビリまくり…。
「どうせ今夜は、しみったれる予感がする、あんた、飲みに行こう!」
彼女はそそくさと店を閉じ、何処かへ電話。一言だけ「迎え」。
果たしてやって来たのは、左ハンドルの、ピアノのようなベンツ。
停止するやいなや運転席扉が開き、脱兎の如く坊主刈りの幼顔が飛び出し、彼女の前に。彼が何かを言おうとすると、「黙っといで!」
果たして連れて行かれたのは、すすき野のバー。
大柄な黒人の店長が、入るやいなや飛んで来ました。
客の会話と音楽の渦の中、彼女は店長と流暢な英語で会話、カウンターの客を詰めさせ、一人分の席を作ってくれました。
ボク : 「お座りになって下さい」
彼女 : 「そこはあんた。あたしは着物が大事だから立ち席」。
彼女はずっと、着物と草履でボクの横に立ち、時々グラスを口に運んでいました。
そんな状態で、彼女と夜が明けるまで呑んでしまいました。
いくら押し問答しても、彼女は呑み代を払わせてくれませんでした。
別れ際。
彼女に再訪の意を伝え、連絡先の教えを乞いました。
微笑んで首を振りました。
「こういう商売だから、東京から無理矢理単身赴任で来させられた人と、山ほど遇った。あたしたちは皆、広島や白石などが根っこ。みんなよそ者。…だから、ヘンにわかるんだ」。
店を出て。すすき野の交差点へ。
茫洋とした明るさの中、朝帰り客を待ち中のタクシーへ。
やがて左から朝日が一直線に。目に沁みました。
鴉が鳴き始めていました。
その瞬間。
ボクの脳裏で、世界地図が逆さまになりました。
東京は、遥かなる正面…。
単なる観念論かも知れませんが、ラックスマンが通商を求めて寄港した時、手にしていたのは「南が上」だったのかも、と…。
(※続く)
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Posted at
2026/04/11 00:57:43