
昨日の土曜日。
ロードスターやW1Sには乗らず、珍しくバスと電車を乗り継いで川越へ行きました。目的は映画観賞でしたが、帰りにある酒場に寄る予定だったからです。結果的にはこれが大正解で、澄んだ青空の下、旧き良き街の散歩を満喫しました。
閑話休題。
先日、信州は上田市の「上田映劇」を訪れたことはご報告済ですが、その時に真っ先に思い出したのが、川越スカラ座でした。
上田映劇が1917年(大正6年)に劇場として開館したのに対し、川越スカラ座は1905年(明治38年)に寄席「一力亭」としてスタートしました。また、シネコンへの移行の影響で、共に閉館を余儀なくされましたが、その後NPO法人の努力により再開された歴史があります。川越スカラ座は2007年(平成19年)5月に閉館しましたが、その年の8月に復活を遂げました。
学生時代にボクが足繁く通ったのは、飯田橋のギンレイホールと佳作座、それとこちら川越スカラ座です。残念ながら外堀通りに面していた佳作座は閉館し取り壊されてしまいましたが、思い出の詰まったギンレイホールと川越スカラ座は今も上映中なのは嬉しい限りです。
去年の1月に難聴となり、4月から1年間、週末は長野県須坂市を往復しました。そのためW1Sが放置状態になったことはご報告済ですが、川越スカラ座詣でも、とんとご無沙汰になってしまいました。上田映劇を訪れたことで、近々訪れようと決めたのでした。
こちらは「時の鐘」と川越市役所の、ほぼ中間地点にあります。隣は国登録有形文化財のレストラン、モダン亭太陽軒です。もちろん、ボクは訪れたことはありません(笑)。
上映中のプログラムです。
1日に3本を1回ずつ上映しますが、毎回総入れ替え制です。
今日のボクの狙いは、インド・フランス合作映画「あなたの名前を呼べたなら(原題:SIR)」です。「2018年カンヌ国際映画祭 批評家GAN基金賞」など、数多の賞を受賞しました。日本ではこの夏に公開されましたが、なかなかタイミングが合わず、劇場へ行けませんでした。今回、川越スカラ座に掛かると知り、狂喜乱舞した次第です。
入口です。
昔の映画館は何処も、こんな雰囲気でした。幾つになっても、券を買い扉を開ける時は、ワクワク、ドキドキ、こころがときめきます。
「あなたの名前を呼べたなら」は12時50分に上映開始です。
総入替制のため、前回上映が終了するまでは、ロビーで待機です。
猫の額のようなスペースですが、上映予定情報が溢れています。
こんなモノクロパネルがありました。
日活映画「愛と死のかたみ」の宣伝用です。1962年の作品、長門裕之さんと浅岡ルリ子さんです。
ロビーの先は右に折れる廊下となっており、突き当りがトイレです。
築100年超のこちらを維持するには、それなりの費用が必要です。
過去、トイレの配管が壊れて使用不能となったことがきっかけで、こうして募金箱が常設されるに至りました。ボクは500円玉を入れました。
場内です。
それ程大きな「小屋」ではありませんが、見やすいスクリーンです。ただ、座席のピッチは昔ながらのもので、身長170センチのボクでも、多少窮屈です。
映写室を見上げて撮りました。
「ニューシネマ・パラダイス」にたっぷり描かれていましたが、映画好きにとり映写室は憧れの場所。一度、上映中の映写室に入ってみたいものです。
久し振りに、川越スカラ座の雰囲気に包まれて、「あなたの名前を呼べたなら」を鑑賞しました…。いや、素晴らしくも贅沢な100分間を堪能しました。
ボクが住む入間市にもシネコンがありますが、訪れたのはほんの数回だけ。やはり映画はこういう昔ながらの「小屋」で見るに限ります。
上田映劇もそうですが、いつまでもこの種の映画館が存続することを、心の底から願って止みません。
川越スカラ座
埼玉県川越市元町1-1-1
049-223-0733
※上映予定と時間は、スカラ座のHPで確認が出来ます。
Posted at 2019/11/17 10:03:27 | |
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