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2008年12月08日

ニイタカヤマノボレ ヒトフタマルハチ(1208)

ニイタカヤマノボレ ヒトフタマルハチ(1208)












『昭和16年12月1日午後5時すぎ、大本営はDC3型旅客機「上海号」が行方不明になったとの報告を受けて、大恐慌に陥った。機内には12月8日開戦を指令した極秘命令書が積まれており、空路から判断して敵地中国に不時着遭難した可能性が強い。もし、その命令書が敵軍に渡れば、国運を賭した一大奇襲作戦が水泡に帰する。太平洋戦争前夜、大本営を震撼させた、緊迫のドキュメント』
(裏書きより)






え~~、本日を遡ること67年前の12月8日、以前ご紹介した映画「トラトラトラ!」の真珠湾攻撃に戦端を開いた対米英蘭開戦の日です。

この日より、日本は約3年8ヶ月に及ぶ連合国との総力戦を戦い、2発の原子爆弾の洗礼を受けたのち、無条件降伏という形で終戦を迎えます。
この間、日本だけでなくアジア太平洋地域を激しい戦渦に巻き込んで余りにも多くの人命を犠牲にして戦争は終わりました。
長い間タブー視されてきたこの戦争も、現役空自幕僚長(発表当時)がこんな論文を発表することが出来るまでに歴史認識が変わってきたと言うことでしょうか。

ご紹介する吉村昭著「大本営が震えた日」は、昭和16年12月1日に皇居で開かれた御前会議にて対米英蘭開戦を決定してから12月8日開戦に至るまでの、日本軍実戦部隊の動きを詳細に描いた作品です。

「奇襲による以外に勝算のおぼつかない大作戦を、ハワイからマレー半島にいたる太平洋の各地域で同時進行させるためには、長い準備期間と慎重敏速なスケジュールの消化が要求される。それぞれの現場でときに発生する齟齬(そご)を埋めていくためには、個々の人間の命などは、虫けらのように見棄てられてゆく。ばかばかしいほどのエネルギーを結集して進行してゆくこの歴史のドラマの結末が、日本の敗戦で終わることはすでに歴史上の事実となっているだけに、そのむなしさと徒労感が読者の上に重苦しい圧力となって覆いかぶさってくる。」(解説より)



日本側がこれだけ極秘に進めた作戦も、実は米側に「筒抜け」だったことを後世の私たちは知っていますが、歴史の結果を知っていればこそ、当時の米国と日本の国力差を冷静に分析できる(当時でも百戦百敗なのは分かっていたようですが)、後世に生きる者としてこの一週間いやそれ以前から開戦に向けて費やされた膨大なエネルギーとその結果として厳然と横たわる事実を、今一度しずかに読んでみようかと・・・(^^;






こちらもオススメの「吉村昭作品」♪

一冊だけ日露戦争時のものが入っていますが(笑)、自国の国力、戦力を冷静に分析し、外交手段を駆使して幕引きを想定して挑んだ日露戦争と違い、緒戦の作戦立案のみに腐心し、以後の戦局の予想も対応案も立てずに、いわんや幕引きなど考えずに始めてしまった太平洋戦争との対比を、同じ著者の視点と筆致で読めるのは、幕末を舞台にした一連の司馬遼太郎作品にも通じるところがあり読み応えたっぷりです♪

なかでもオススメは、以前にもどこかで書いたかも知れませんが「戦艦武蔵」ですね。あの巨大な船を作り上げる智恵と努力と技術の結集が、なんの意味もなく多くの命を道連れに沈んでいく悲しさと虚しさには、吉田満著「戦艦大和の最期」とは別の感情を呼び起こされます。







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Posted at 2008/12/08 14:20:00

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この記事へのコメント

2008年12月8日 16:20
このベクトルが違った方向に向いていたら
今の日本は如何なっていたのでしょうね?

タラの話は北海道へ行ってしろ・・確かにww。
コメントへの返答
2008年12月8日 16:58
開戦決定から飛び交う電文、傍受する敵の暗号文、墜落した飛行機に載せられた作戦指令書を巡る緊張感溢れる戦い、時系列で進むエピソードは臨場感たっぷりですね。

現在進行形の6ヶ国協議でもそうですが、外交というのは一方の希望通りに進まないのが常とはいえ、開戦止む成しとなるまでに、日本の指導者にもう少し先を見据える国際感覚とバランス感覚があったらばとも思います。三国同盟なんて、あからさまな英米のワナだったんですから・・・。

しかしながら、先が見えない、分からないこそ最善を尽くそうとあがくのが人間だと思いますし、その策が正しいかどうかは当時を現在進行形で生きる人にはわからないですものね。
後世から歴史のすべてを俯瞰した者が当時の人間の考えて行ったことを批判することは簡単ですが、今現在を生きる自分たちの選択が正しいのか最善なのかは、やはり後になってみないと分からないのかも知れません。
できれば「終わりよければすべてよし」が希望なんですが!(笑)

願わくば現代の指導者達の策が「最善」でありますように!!(爆)





2008年12月8日 16:57
そうでしたね‥みん友のマルチェロさんのトコでも今日の“ヒトフタマルハチ”のことは触れられてました‥

とかく開戦後の方に目が向けられがちですが、開戦前夜に至る史実をもう一度自分なりに洗いなおしてみたくなりました‥
コメントへの返答
2008年12月8日 17:09
開戦というと真珠湾攻撃がメジャーですが、それ以外にも広い地域で同時に戦闘を開始し、すべて成功させなければならないという綱渡りのような作戦、それを実施するにあたってごく限られた情報しか与えられていない現場部隊、遭遇する予期せぬ状況・・・。
なかなか読み応えがありますヨ♪

と楽しそうに書いてしまいましたが、ミリタリファンな私ではありますが、決して戦争賛美者ではないつもりです(^^;

昨夜のテレビニュースで、どこのチャンネルかは忘れましたが陸上自衛隊と米海兵隊が朝霞駐屯地で行っている共同演習の様子をチョロッと流していました。
日本国内に「敵勢力」が侵入し同時多発的テロが発生したという想定での演習だそうですが、現実にそう言う危機があることを、もっと日常的に報道しても良いと思うのですが。
現在の平和は決してタダではないのですから。
2008年12月8日 18:32
最近の若いネぇちゃんたちは、オアフへいっても
アリゾナに眠る英霊を無視してあそんでいるらしい。
コメントへの返答
2008年12月8日 18:48
私はまだハワイに行ったことありませんが・・・(笑)
アリゾナ記念館・・・、戦争の悲惨さを伝える厳粛な場所というのは理解できますが、船内に千名を超える戦死者の遺体を残したままモニュメントにするというのは、ちょっと・・・(^^;


2008年12月8日 19:45
日本の歩んできた道を真摯に考え、しかし、楽しみながら学ぼうという姿勢に共感が持てます。


近現代関連ですと左右問わず、100冊以上は読みました。結論は、それらの本を自分なりにどう咀嚼するかという内面の在りようだと思います。


ノモンハンより寒い?区民広場の一角にて(笑)
コメントへの返答
2008年12月8日 23:53
日本の歴史から決して消えることのない12月8日という日付。
この日から何が始まったのか、私のような一庶民はともかく、国政の中心にあるセンセイ方には過去の歴史の教訓に今一度耳目を傾け、ぜひとも自ら由って立つ国の行く末を案じた政策を考えて頂きたいものです。

この戦争の是非については論じませんが、名も無き多くの命の犠牲の上に今の日本の平和があるのですから、尊い幾百万の御霊への哀悼と感謝の念は忘れてはならないと思います。
2008年12月9日 0:30
辿った道はともかくとして、63年前のの指導者の精神が現代の指導者とも言えるべき方々に少しでも有れば…

人気取り合戦のような茶番な政治にはならないのではないでしょうか(泣)

コメントへの返答
2008年12月9日 0:54
8日付のニュースで、尖閣諸島の領海内を2隻の中国測量船が数時間にわたって航行していたとのことですが、この日を選んだ挑発行為なのか、日常的な領海侵犯の行動がたまたま8日になったのかは分かりませんが、こうした行為に対する国家としての毅然とした態度こそ求められると思います。
でも今のところ首相府や外務省から正式な抗議があったという報道を聞きませんが、どうなんでしょうね。

国民の生活を守る経済対策も勿論大変重要ですが、国民の生活も国家の安泰があっての話なんですから、国益を守る外交力の行使もまた重要だと思います。

情けないことだと思います・・・(^^;
2008年12月9日 12:42
オーッ!16nightsさんも吉村昭ファンですか!!周りにこの方のファンが居ないので、メチャうれしいです!

初めて読んだのは「高熱隧道」だったんですが、それ以来ほとんどの作品を読みました。もちろん上の四つもネ♪
作風は地味ですが、とことん調べ上げる姿勢が好きで、取り上げた題材も興味をそそられるものが多かったです。惜しい方を亡くしました(黙祷・・)

今は「私の普段着」というエッセイ集みたいなのを読んでいます。

スイマセン、ブログの内容とかけ離れてしまって・・・(汗!)
コメントへの返答
2008年12月9日 13:41
オーッ、ポクテさんもですか♪
嬉しいですね!(^^)

私は戦記ものから入ったので吉村昭の作品でもまだ読んでいない物も多くあります(^^;

オススメの4冊の他にも「空白の戦記」のような作品があるにはありますが、あまりに重すぎると思い敢えて選から外しました(笑)。

吉村作品の特長はなんと言っても徹底した裏付け調査に基づいた事実のあぶり出しですネ♪
この「大本営~」にしても登場人物で執筆当時存命の方には全員インタビューする徹底ぶりですので、語られているエピソードの迫力が違います♪
司馬作品のような、時に軽妙な語り口はほぼ皆無なので重苦しい雰囲気ではありますが、慣れてくるとこの重厚さが堪らなくなります♪

これだけ史実に忠実な作風を持った作家はもう現れないでしょうね・・・。
2008年12月9日 15:11
開戦前夜・討ち入り前夜・・妙に惹かれます。どんなドラマがあったのかしら・・・吉村昭さんの作品まだ読んだことないですが、チャレンジしてみます。
コメントへの返答
2008年12月9日 16:07
開戦前夜、旅行やイベント前夜にワクワクし過ぎて眠れない夜を想像してしまいそうですが・・・(笑)

それにしても今でこそ陰りのあるアメリカですが、当時からしても圧倒的な国力差を承知でケンカを吹っかけたわけですから、戦争の是非はともかく当時の日本人の気概を見習いたいものですネ♪

言いたい放題の隣国サンに対しても、もう少し毅然とした方がいいと思います・・・(^^;

2008年12月9日 22:00
初音ミクって若そうだけど歌じょうずダネ、と友人宅で言ったら爆笑されました(汗)。
友人娘(高2)にコンコンと説明されて「ハァ、おらヨグワガンネ」

「ナニ聴いたの?」「こんなの」
http://rasiel.web.infoseek.co.jp/uta/hawaidaikaisen.htm

山本七平サンをよく読みました。
コメントへの返答
2008年12月10日 0:56
初音ミクも完全な合成音声というわけではなくて、声優の「藤田咲」の音声がベースだそうですから、実際お若いのだと思いますヨ♪

ヨウツベ拝聴しました(笑)
初音ミクの歌、良く出来てますね♪
動画の冒頭シーンで波頭を砕いて進む高雄型の勇姿に萌え~です♪

山本七平さんはいくつか著書を読んだと思いますが今思い出せるのは有名なところで「日本人とは何か」や「貞観政要」、「宋名臣言行録」などでしょうか。20代前半の頃で、同じ時期には大岡昇平や豊田穣、渡部昇一や小室直樹、安岡正篤などと読み漁っていました♪

プロフィール

「東北道下り蓮田SA付近にて目の前で軽バンが横転する単独事故が発生!ほかに2台の車が止まってくれてみんなで救護しました!
事故車のドライバーさん、意識清明、たいしたケガがなくてよかった!」
何シテル?   08/17 11:20
65年式の四駆好きです。最近あちこちガタが来てます。オーバーホール出来たら良いのに(笑)
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